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36.次のフェーズへ

「おい成瀬、お前ももしかしてこいつの倒し方知ってたりするのか?」

「・・・・まあ、そうだね」

「何で知ってるのかは後に置いとくとして、とりあえずはお前が指示してくれ。俺たち6人でこいつを倒すぞ」

「わかった。みんな聞こえる!?多分今みんなどんどん湧き出てくる魔物と戦ってると思うからそのまま倒し続けてほしい!」

「む?あのでかいのは無視していいのか?」

「うん!とりあえずあいつは無視して上から降ってくる瓦礫とかレーザーにだけ気を付けて!」

「あい分かった!」


そう言って両手にたくさんの小さな緑色の立方体を創り出しそれを弾丸のように放ち魔物を蹴散らしていく柊さん。少し右のほうではリラが魔物の大群向かって馬鹿でかい氷を発動させて氷漬けにしている様子が見える。どうやらエルサはもう一人と人格が入れ替わろうとしているみたいでその場で立って動かずにいた。


「・・・やはり兄さんあの化け物について知ってるんですね。それも最上級魔法と何か関係があるのですか?」

「ごめん、今は言えない。でもいつかは言える時が来るから」

「・・・・・・わかりました。では目の前の戦いに集中するとしましょう」


俺は今近くにいるレイと弘人で次から次へと湧き出る魔物を蹴散らしていく。

魔物自体はそんなに強くはないがいかんせん数が多いからなかなか減らないが蹴散らすといっても神話の拒絶(カグツチ)を適当に振り回して炎をばらまけば勝手に燃えていくからなんてことはないし、技さえ使わなければある程度カグツチをある程度思いのように使えるようになったためそこまで押されているという印象はない。

ただやはり『バグハンド』が上から降らせている瓦礫が非常に厄介だ。常時上を気にしていないといけないしたまにレーザーみたいなのをこちらに向かって打ってくるため雑魚戦に集中しきれないのは確かだ。


「おい成瀬、別にお前を疑っているわけじゃないがこのままあいつを無視してていいのか?正直俺らのほうがどんどん消耗させられてるしちゃっちゃと親玉狙ったほうがいいんじゃないのか?」


額に汗をにじませる弘人魔物と戦いながらこちらに語り掛けてくる。

そう、ゲームにおける初見プレイの時に俺もそう思ってボス特攻を試みた。

だが魔物がいる間はなぜかバグハンドにはダメージが通らないどころか魔法がなかなか届かず、ボスに気を取られているうちに魔物が大量に発生しており大敗を喫した。

なぜバグハンドが人間界に来たのかを考えればわかることだったのにだ。


「ひろ・・・東雲君はどうしてあいつが、というか魔物が人間界に現れるか知ってる?」

「ふっ!・・・そりゃあ人間の魔力とか負のエネルギーを求めてだろ?」

「うん、そうだよ。そしてこのバグハンド、この怪物もそれを求めてやってきたんだ。ただほかの魔物と違う点としてこいつは魔物の中のリーダーみたいな立ち位置のはずだからこいつの魔物軍ってやつを持ってるんだ」

「・・・・ってことはこの魔物たちは全部あいつの部下ってことか」

「そうだと思う。そしてこいつはおそらくこの大会が開催されたことによって生きのいい若い魔力やたくさんの一般人が集まったタイミングを狙ってそのすべてを蹂躙してわが身の糧にしようとして現れたんだと思う。普通の魔物でも一般人なら簡単に殺して自分の力にできるだろうし」

「ってことは今あいつは部下を呼び出すのに神経を注いでるってことか?」

「まさにその通りだよ。だから本当の勝負はあいつが魔物を呼ばなくなってから、・・・あいつが自分の手で俺らを殺しに来た時だ」


俺らよりもはるかに上でその手を広げてこちらを見下ろしている怪物を二人で見上げた。


「野郎余裕こきやがって・・・。わかった。まずはこの雑魚たち最優先なんだな」

「うん、頼んだよ東雲君」

「弘人でいい」

「わかった。弘人、絶対勝つよ」

「ああ」


二人同時にまた刀と剣に強い炎をまとわせ魔物の波へと向かっていった。



*****


それから10分としないうちに異変は起こった。


「む?先ほどよりも魔物が目に見えて減ってきているな」

「大分・・・見通しが良くなった?」

「ええ、私の方もう終わったわ。久しぶりね成瀬君?」

「久しぶりだねこっちのエルサ」

「次会うときはあなたと戦うときが良かったのだけど残念だわ。まあいつでもやれますしいいでしょう。それより急に魔物が出なくなってきたけどどういう事?」

「ああ、それなんだけどさっき弘人には言ったけど・・・」


そこまで言った時、一瞬視界の端で光が見えた気がした。これは知っている。やばい合図だ。


「みんなここから離れて!!柊さんはみんなに結界を!!!」

「なに!?急にどうしたのだ?」

「はやくっ!!!」


みんなが今集まっていた場所から後ろに飛び跳ねるように逃げたと同時にさっきまでいた場所めがけて高速の巨大な何かが飛んでくる。それは大地と衝突するや否や地面を抉り弾けさせ、あたりを砂煙でまき散らす。柊さんの結界はあるといってもその風圧でみんな吹き飛ばされてしまった。


「な、何なのだ一体!?」

「・・・・これからが本番ってこと・・・?」


その土埃の中心から生えるようにして巨大な手が湧き出てくる。

さっきの高速の何かはどうやらこいつ自身が殴りかかってきたみたいだ。


「これが成瀬が言ってた本気で俺らを殺しに来たモードってことか」

「ああ、みんな聞いてくれ。これからが本当の戦いだ。さっきとは比べ物にならないほどの、な。ただ勝ち筋はないこともない。だからみんな協力してくれ。全員でこいつに勝つぞ」


砂埃の中で赤く鈍く光る丸い球体をにらみつけた。





作戦はいたって簡単だ。

あいつの唯一の弱点はあの球体いわゆる核だ。だけど普段はあいつが吸収したいろんな瓦礫やらなんやらで守られてるからとりあえずみんなで装甲を引っぺがして攻撃しやすいようにするしかない。ただあいつはかなり早いし何よりいろんな魔法を使ってくるしほっとけばどんどん吸収して取り返しがつかなくなっちまう。だからみんなで一斉に攻撃を仕掛けてはがせるだけはがそう。


だいたいこんな内容の事をみんなに伝え、賛同してもらった。

現にいまもなお俺の『アリグナク』のようにいたるところの部品があいつのところに集まって行ってるし行動するに早いことはないだろう。


「ふぅーーー。なあ成瀬。俺には10分だけしか使えないけどそこそこ強力な魔法があるんだがどうだ?10分で行けるか?」

「いや、どのみちあいつの回収スピード的にそんなもんが限界だと思う。みんなもそういう感じのがあるならいま同時に行こう」


「あい分かった。あまり使いたくはなかったのだが仕方あるまい」

「わたしは・・・そういうのない。けど・・・・本気で戦う」

「それなら私も使うわ。ただ倒しきれなかったらおわりね」

「まあその時は兄さんがなんとかしてくれます。ですよね兄さん?」

「・・・・お、おう任せとけ。・・・っ!どうやら向こうさんも動きだすっぽいぞ。みんな構えろ!!」


バグハンドがその手を高々と空に掲げるや否や今足を付けている地面がぐにゃりと曲がり宙に浮きだす。

そのすべての物体の重力が失われたかのように空に浮き、様々な角度に動いていく。


「なんかやばい魔法のモーションがあったら俺が指示する!あと・・・俺はもうこれはいらない」

そういってまだ発動していたカグツチでおれの腕輪を焼き切る。


「兄さん!?何をやってるんですか!!!それがあれば瀕死級のダメージでもなんとかなるんですよ!?」

「それでもこの戦場には戻れないだろう?それぐらいの覚悟がないと俺はこいつに勝てない。行くぞ化け物!これが俺の本気だ!!創造新の欲望(アリグナク)魔王の贖罪(ディスコルディア)!」


さっきまで握っていた炎の刀は消失し、黒い渦が俺を包む。


それをみた弘人も同じように炎の剣で腕輪を焼き切り捨て去る。

「ちょ!あなたまで何を!」

「お前は本当に馬鹿だな。ただ俺もあいにく馬鹿なんだ。よし・・・行くぞ!これが俺の編み出した最強魔法、熱風拳だ!」

右手に炎、左手に風魔法をまといそれが全身で混ざりあう。

「たしかに夕貴殿の言うとおりだな。こんなもの枷でしかないわ」

「ユーキがそうしたなら・・・わたしも・・・」

「戦いの途中で転移させられるのもしゃくだし・・・わたしもそうするわ」

パキャッ、パキャッと小気味いい音が響く。

「まさか皆さんそこまで馬鹿だとは・・・。いや、あのお馬鹿さんの影響を受けているのかもしれませんね。もういいです、兄さんに責任を取ってもらいますから」

パキャッと最後にもう一度腕輪が割れる音が鳴る。


この一連の俺らの行動を待ちきれずにバグハンドが手を広げ漂うたくさんの瓦礫を隕石のように降らせる。

「もうここからは背水の陣。やるしかねえぞ!」

空から降る隕石をよけながら俺らは敵の核を目指し一歩を踏み出した。




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