表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/62

26.てすと

ピピピピピピピピ・・・ピッ


うるさい、俺はまだ眠いんだ。そっとしておいてくれ。


ピピピ・・・ピッ


またか、なんでスヌーズ機能ってあるんだろう。切っても切っても復活しやがる。ゾンビかお前は。


ピピピピピピピピ・・・


「だああああっ!うるさい!!!」

俺の横でひたすらに自分の仕事を全うしていた目覚まし時計をグーで上からたたきつける。

ピッという音と同時にその音は止まったが俺の右手は砕け散った。

「ぐああああ!俺の、俺の右手がぁああ」

右手に走る激痛に耐え切れずベッドから転げ落ちのたうち回る。

どうやらどの世界にいても俺は非常に朝に弱いようだ。


目覚まし時計との攻防を終え、とりあえず顔を洗おうとシンクまで向かう。

今俺がいるアドミラ学園の生徒寮はなんと一人一部屋与えられており、その部屋はワンルームだが机、ベッド、シンク、トイレ、そして湯舟はなくシャワーだけが壁に張り付いてるバスルームが完備されている中々に過ごしやすい部屋であった。なんか大学生の一人暮らしってこんな感じなんだろうなと感じる。経験したことないからわからないけど。


そもそもこの学園の寮は一学年にそれぞれ一つの建物が用意されている。

すなわち一年生全員が今俺がいるこの建物内に寝泊まりする形になっている。

形は☓字の建物になっており4クラスがそれぞれの線上の部屋に配置されており、綺麗に四等分されているのが見てうかがえる。ちなみに3階が女子部屋、2階が男子部屋、1階に大浴場、食堂、談話室etc...という配置になっている。


まだ眠たい顔を冷たい水で洗い流してベッドのほうの戻る。

先ほど攻防を繰り広げた目覚まし時計は午前8時15分あたりを示している。

確か学校の始業は8時30分だったような・・・?

目覚ましは7:00にかけたはず・・・


「え゛!、もう朝飯食ってる時間すらねえじゃねえか!なんでこうなった!?俺はちゃん時間通りと起きただろ!!」

どうやら彼は目覚まし時計との攻防にかなりのように時間を費やしたようだ。

急いでかけてあった制服をはぎ取るようにはがして着よう・・・・とするがネクタイを結ぶのに手こずってしまう。

「ちっ!前世ではネクタイなんてなかったからこのっ、くそ!レイ!助けてくれレイ~!!!ああもういいかこのままで!!」

服はしわしわ、ネクタイはぐちゃぐちゃのまま机の上に置いてあったひったくり急いで部屋を飛び出る。

これがこれからの習慣になりませんようにと心に願いながら教室へと走るのであった。


****


キーンコーンカーンコーン


「どわぁああああ!ギリセーフ!?」

始業のベルと同時に教室のドアを開く。

入学二日目にして遅刻するような愚か者はどうやら俺だけのようでほかのクラスメイトはちゃんと自分の席に着席していた。教壇には怖い顔をした先生が佇んでいる。

「成瀬、ベルが鳴ったときには着席。だろう?もう遅刻するとはいい度胸じゃないか?しかも服は着崩し髪はぼさぼさとはやってくれるじゃないか」

「これはその、自分じゃできなくて・・・す、すみません・・・。今後気を付けます・・・」

「今日の一限の時間になる前に絶対に直しておけよ。直さなかったら処罰を下すからな。わかったらいつまでもそこで突っ立ってないで早く席に座れ。お前のせいで2分も遅れている」

「はい・・・」


すごすごと自分の席に向かう。クスクス笑い声が聞こえるが自業自得だ。致し方ない。

後ろの席からすました顔で外を見ているヤンキーが顔をこっちに向けず小声で

「ばーか」

と言いやがった。馬鹿っていうほうが馬鹿なんだ馬鹿め。

それにしてもなんで寮から教室までこんなに無駄に遠いんだ。遅れたのは俺の所為じゃなくてあんなところに寮を建てた人たちだろ。それに着崩してるんじゃない、着れないんだ。


「ふう、じゃあホームルームを始める。今日は一限から各属性、すなわち6属性の簡単な筆記テストを行う。書く属性40分ずつ、午前中に3教科、午後に3教科を行う。これはちょうど授業の時間割と同じ時間で始めるから学園生活の時間になれるという意味でもちゃんと行うように!あと3割を切ると特別課題が出るから注意しろよ。まあ入試試験よりも幾分か簡単だからそうそう落とすやつはいないがな。ちなみにだが昨日は今日と問題が違うテストをB,Dクラスが行ったが二クラスあわせてもどれかの属性で3割切ったやつは5人らしい。このクラスからは絶対出さないように!!じゃあテスト開始の五分前、8:55までには教室にいるように!解散!!」


どうやら今日はテストをやるらしい。

まあ先生もあんだけ言ってたし何とかなるだろう。

とりあえずトイレにと席を立とうとすると俺の携帯電話が振動する。

レイからのメールのようだ。


『To.兄さん

今日、初めて寮から学校に向かったと思いますが、ちゃんと服は着れてますか?着れてないですよね??やってほしかったら私の教室まで来てください   レイ』


こわっ。

なんで今の俺が置かれてる状況が分かるんだよこの妹は。

とにもかくにもやってもらうほかはない。よし、Dクラス・・・本来主人公が来るはずであったクラスに行こう。


*****

「案の定、というべきなんですかね。何ですかこの服装は」

「いやその、今日寝坊しちまってネクタイも結べなくて」

「寝坊してなくても兄さんネクタイ結べないですよね?はぁ、・・・これからもこうして毎朝やってあげましょうか?」

「いや!それはちょっと恥ずかしいからいいや・・・。レイもなんか嫌だろう」

「私は別に。こうやってれば男避けにもなりますからね」


そうなのだ。この妹は入学初日にして何人ものクラスの男のハートをがっちりとつかんでいるのである。

さっきから俺に対する視線がめちゃ怖いし、呪いの言葉までつぶやいてるやばい系の子もいる。

まあ実際めちゃくちゃかわいいから仕方ないけどっ!


「おい、レイ。お前もしかしてわざとこの教室に俺を来させたか?」

「はて、なんのことでしょうか。まあ私も兄さん成分を補充したいですしウィンウィンでしょう。・・・ほら、できました。今日はそちらは試験でしょう。頑張ってくださいね」

「兄さん成分ってなんだよそれ・・・まあこれからもし俺が自分でできなかったら朝こうやってくることにするか。やってくれてありがとう。テスト頑張るわ!」


ちょっとこの雰囲気にもきつくなってきたので元気よく扉を開け自分の教室に帰る。

そんな兄の姿を見てレイは、

「多分兄さんあのテスト全くできないでしょうけど」

とつぶやくのであった。


*****



・・・・・何語なんだこれは。何を言っているんだこの問題は。

汗が頬を伝い問題用紙に落ちる。

一番最初のテスト科目の光属性魔法のかれこれ4個あるうちの大問一でつまずいて、はや20分が経過した。

あまりの俺のペンの動かなさに時計の音だけが俺の耳にこだまする。今のところ俺が自信をもって書けたのは自分の名前くらいだ。

少し耳を傾けてみるとほかの生徒からはカリカリと小気味よくペンのすべる音がする。

駄目だ、周りに気を取られるな。集中しろ集中。


なになに、(1)光魔法を発動する際に最も基本となる魔法の魔法陣をかけ?

・・・やばい何もわからない。おそらくサービス問題なんであろうけど俺にとっては難問でしかない。

秒針はそんな俺に一切の情けをかけることなくただ淡々と進む。

とりあえず見た感半分くらいは記号問題だったからとりあえず大問1,2を適当に埋める。


「残り時間5分だ」


ちょっとまておい!こっちはまだ大問3にすら到達してないぞ!?

もうこうなったらやけくそだ。適当に書いて大問3に・・・

と淡い希望を抱き次に向かう。

だがそこには無情にもそこからはすべて筆記回答の回答欄が広がっていた。


あ、俺もうこれ終わったわ。


かくしてこの少年はあきらめの姿勢に入りペンを握るのを諦めたのであった。



*****

「・・・ぉぃ、おい!目ぇさませ!!!」

「はっ!」

後ろからやかましく響く怒声で意識が覚醒する。

「お前何やってんだ、速く答案を回せって!後ろから前にって言われただろ!この列だけ滞ってんだよ!」

「ああ、そうだったか・・・すまん」


そういってウノから渡された答案用紙をそのまま前の席の人に渡す。

「ちょ、おまえなにやってんだ!?お前の回答用紙も重ねろよ!!!」

「へ?ああ、そっか!」

「お前ほんとうになにやって・・・てぇええええお前ほぼ白紙じゃねえか!!!」

「当たり前だろなんだこの難しいテスト!!!解けるわけねえだろ!」

「なにいってんだ、入試よりも大分簡単だっただろうが!八つ当たりしてるんじゃねえ!」

「うるせえこの金髪が!!お前のせいだ!!!」

「はぁ!?今の俺が悪いのか!?悪いのはおまえだよな!?被害者俺だよな!?」


「お前らいい加減にしろ!!!!!」

ウノと俺がぎゃんぎゃん騒いでるのを見かねた先生がさらにでかい怒声を浴びせる。

「「すみません!」」

「ったくてめえのせいで怒られちまったじゃねえか」

「元はといえばウノがオーバーリアクションするからだろ!」

「てめえがそれ相応のことするからじゃねえか!」

「そうやってすぐ人のせいにする!あーあーこれが若者の悪いところですな」

「てめえも若者だろうが!てか全部お前が悪いだろ!」


「お前らほんとにいい加減にしろ!!もうそろそろ外に出すぞ!!!!」


もう青筋がピクピクしている先生の雷が落ち、ようやく俺らは静かになった。

・・・かのように思えたがこのようなやり取りがこの後の全教科のテストで行われることを彼らはまだ知らないのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ