17.VSフェニクス 決着
体調が大変なことになってました。
これからも毎日はできないと思います。
続けられるところまで頑張るので応援お願いします。
なんでこうなっているのか自分でもわからない。
今日はただの推薦入試だったはず。そこそこの摸擬戦で十分だったはず。
なのに俺は全力で向かっている。その理由はいくつかあるが、やはり一番はゲームで憧れたキャラクターたちと戦うことができているからにほかならない。
そもそも彼女もなんでこんなに本気なんだ? 彼女こんなに自分の事べらべらしゃべるキャラだったか?
まあこんなに感情的になっている理由ははおそらく俺が彼女の事を、彼女が一番嫌う同情の目で見たからだろうけど。だからこそ俺の事を本気でつぶしに来てる。
長くなったが何が言いたいかっていうと本当にお互いが今出せる本気で戦っているってことだ。
話が変わるが、今発動している『魔王の贖罪』は本来の力の半分も出せていない。
さっきから発動しているのはせいぜい第5階級の身体強化や魔法陣である。
さっき本気を出すって言ったのに出せてないじゃないか言う人もういるかもしれないがその理由はいたってシンプルである。
そもそも本来最上級魔法っていうのはすべての階級を順番に習得していき最終的に手にすることができる最強奥義である。が、おれはそのすべての過程を吹っ飛ばしてこの魔法を習得してしまったため単純に体がついてこない。これに関してはすべての属性について言えるが。
だからこそ今出せる本気で戦っているという表現になったが。
全部の階級の魔法が使えるようになるっていうのが売りの闇魔法はこの影響をもろに受けているため、だいたい階級が二桁になったあたりから反動が段違いに上がる。
この間試しに第10階級の魔法を使ってみたが見事に骨が折れた。すぐに治療所に行って回復魔法で応急処置をしてもらったから大事には至らなかったが。
だが、そんなデメリットを土魔法と併用することで克服できることが判明した。
単純な話である。体を鋼鉄で覆ってしまえばその衝撃にも耐えられる。
創造新の欲望は自傷ダメージでは反応しないためそこに関してはうまくかみ合わないが反動ダメージかなり抑えられる。
すなわち、『創造新の欲望』が発動してからこそ、俺の闇魔法の正真正銘本当の本気が出せる。
だが残念なことに『魔王の贖罪』はおそらくもってあと5分ってところだ。
それまでに決着をつけねばならない。
そうこう思っている間に俺の姿の変化に動揺したそぶりは見せたが瞬時に片方のフェニクスさんが俺に接近する。
「闇魔法第10廻 ディストロフィズム!」
固い鉄で覆われた右手に巨大な魔法陣が生じ、そのまま迫りくるフェニクスさんごと地面にたたきつける。
すさまじい爆音とともに地面が大きくへこみ突風が巻き起こる。わかってはいたが迫ってきたのは炎のフェニクスさんだったが。右手はしびれるが重傷ではない。
「・・・おどろいた。こんな魔法を隠し持っていたのね」
「驚くのはまだ早い! 第9廻 ダークブラスター!」
空中に何こもの魔法陣が現れそこからレーザーを放ちまくる。
すぐに2人目を創り出したフェニクスさんはその炎で巨大なバリアを作り俺の攻撃を防ぎきる。
「今度はこっちの番!ジェミニスケイル!!」
二人の羽が蒼く光ったと思うとその羽が数えきれないほどの小さな刃となり宙を舞う。
果てしなく生成され続けるそれはこの会場の半分を覆うほどであった。
俺も負けじと創造新の欲望で大量の鉄の刃を創り出し同じように漂わせる。
いま外から見たら恐らくこの会場の半分が蒼く、もう半分が銀色に染まっていることあろう。もう俺たちですら互いの姿を認識できない。
「「「いくぞ(わ)!!!」」」
同時にその無数の刃たちが相手めがけて降り注ぐ。
だがお互い考えてることは同じだったようでその刃の嵐の中を自分が傷つくのも顧みず進み続けまたもや近接戦が始まる。もはやどんだけ傷ついているのかわからない。刃と刃が衝突しあい消滅していく。
だがやはり相手のほうが精度がいいのか俺のほうが押し負けていくのが分かる。明らかに蒼色が侵食している。
「あら、押され始めたわね。もう終わりかしら!」
「負けっ、られるかよ!第10廻 真闇の火柱!!!」
さっきよりも巨大な真っ黒の火柱が俺を中心として立ち上る
蒼色に満たされつつあったこの空間は突如として黒色に塗りつぶされた。
魔法発動前にフェニクスさんには逃げられたが宙を舞っていたお互いの刃はほとんど塵となり消え失せた。
だがやはり少しダメージというか衝撃が俺にもくる。
フェニクスさんはというと少しあたったのであろうか、逃げるのに魔力を大量に消費する瞬間移動魔法を使ったのかわからないが距離をとった彼女が息切れしているのが見えた。
この一瞬。一瞬だけ油断してしまった。彼女は二人いるのをこの瞬間だけ忘れていた
気持ちが緩んだその瞬間、もう一人の彼女が上空から弾丸を放ちガードの薄かった左肩に直撃する。
その弾は肩を貫きはしなかったものの俺の体勢を崩すには十分すぎた。
目の前にいたはずのフェニクスさんが間近に攻め入っており下から刀を振り上げられる。
とっさに腹部を鉄で覆うことができたがもろに彼女の蒼く膨大な炎を放つ剣が容赦なく叩き込まれる。
銀の盾と蒼の矛がぶつかり合う。
が、拮抗したのは一瞬だけですぐにひびが入り砕け散る。
おれの盾が。
「これでっ、終わり!!!」
砕け散った盾とともに俺は宙を舞った。
*****
おれは宙を舞ったのち地面に叩きつけられて仰向けに天を仰ぐ。
ぶん殴られた腹部がかなりずきずき痛む。俺じゃなかったら瀕死級だぞこれ。
・・・あれ?ここって天井なかったか?とかのんきなことを思っている内に魔法が解ける感覚が来る。
その時だった。俺の魔法が解けた瞬間に何者かが二階席から割れた窓から飛び降り1階にいる俺を抱き上げどこかに連れ去る。
その直後に闇魔法の副作用である例のあれが来た。我慢できないあれである。
「にいさん! あとちょっと我慢してください!!!」
聞きなれた声が聞こえる。だがもう俺の耳には全然届かない。
「もう・・・・ダメ・・・・・」
最後の力を振り絞りほんの少しだけ言葉を紡ぐ。
それを聞いた俺を運ぶ誰かがやばいと思ったのか俺の事を放り投げる。、
体が宙を舞う感覚があり地面にたたきつけられたと同時に俺はおそらく彼女が握らせといてくれたのだろう袋に向かって今日食べたものを全て吐き出した。
無意識の動作ではあったがちゃんと袋に出すことはできた。
*****
意識がちょっとずつ戻ってきて周りを見渡すと、どうやら俺は庭みたいなところにぶん投げられたと思われることが分かった。とりあえず室内を汚すようなことにならなくてよかったとホッとする。
「なんで、レイがここに・・・? しかも俺の事ぶんなげたよね・・・」
ようやくちょっとましになってきた俺は横で冷たい目で俺を見ているレイに話しかける。
「いえ、恐らく兄さんなら後先考えずに魔法を使うと思いまして。さすがにこれから級友になる方たちに醜態をさらすのは得策ではないでしょう? ですので途中からですが観客席のほうで待機していてんです。家族ならこの試験の観戦は認められていますからね。まあここに来た一番の理由はそんな風にすぐ吐く人の妹だと思われたくないからでしたけど」
なんか疲れ切った俺の体にグサグサ刺さる言われようだったが全部正論なのでぐうの音もでない。
てかこの子もう自分がこの高校に入る前提で話し進めるよね。実際入れるんだろうけど。
「しかも兄さん負けてますしね。結構見事な負けっぷり。しかも負けるだけじゃなくその対戦相手の前で吐くってどんな煽り方ですか? 置き土産のつもりですか?」
「いや! し、仕方ないだろう! そういうもんだし!」
「そういう問題で片づけてよいものではありませんよ。これから発動するたびに吐くんですか? そういう需要は全くありませんよ?」
「あーもうああいえばこういう!!!」
「まだお礼も言われてませんしね。あのままだと兄さんのあだ名はゲ・・・」
「ああ! もういいわかった俺が全部悪い! 助けてくれてありがとうこれからは気を付ける!! これで満足か!?」
「絶対悪いと思ってないですよねその言い方。まあいいでしょう。それよりも兄さんはこれからどうするんですか?」
「ああーどうしようかな。多分今頃・・・」
「あ!! ユーキ、こんなところにいたの!!!」
俺の言葉をさえぎって聞こえてきた声のする方向に顔を向けるとそこのには先ほどとは全く雰囲気の違う、赤色の目のフェニクスさんが小走りに向かってきていた。
「急にいなくなるからびっくりしたよー! ん? こちらはどちらさま?」
「ああ、こっちにいるのは」
「この男の妹の成瀬レイです。」
・・・なんかだんだんレイの俺に対する扱いがほんとにひどくなってる気がする。
「そうなんだ! 私はエルサ・フェニクスですよろしく!」
そういって彼女は満面の笑みでレイに手を差し出す。
「ええ、これからもいろいろとよろしくね」
そういって意味ありげにフェニクスさんの握手に応じるレイ。
俺とフェニクスさんはよくわからずにお互いに顔を見合わせた。
「あ、そうそうユーキ! 君凄いね! ここまで消耗させられたのは初めてだよ!!!」
顔を向けたまま思い出したかのように急に声を上げる彼女。
先ほどまでこの赤目のフェニクスさんも敬語だったのにもう砕けた話し方で接してくれる。
やはり俺のイメージのフェニクスさんはこっちの明るく活発なほうが強い。
「・・・戦ったからわかると思うけど私って二重人格なの。しかも私のほうはほとんど意識を共有してないんだ。でも、私の怪我とか消耗し具合である程度どんな戦いをしたのかわかるんだ。それを考えると今回の摸擬戦でもう一人の私はかなり苦戦したみたい! 私の意識が戻ったとき手にこれが握られてたし。これあげるね!」
そういって彼女が俺に差し出したのはところどころ汚れた一片のハンカチだった。
そこにはペンでこう書かれていた。
『楽しかったわ。またやりましょう』
「・・・上等だ。次は俺が勝つ」
そういって手渡されたハンカチを強く握りしめた。
あと今回の話を考えるにあたって何個か設定を変えなければならないところがあったので書き直し作業にはいります。また報告します




