11.1章エピローグ
結局あの後ルーンさんが来てその後の後処理を済ませた後、一同は解散という形になった。
俺はというと激しい頭痛、吐き気からまだ抜け出すことができずにおりショッピングモールの中にあるベンチで横になっていた。幸いもう口からは何も出なそうではあった。
「・・・途中まではかっこよかったのですがやはり兄さんは締まり切りませんね」
となりに座っているレイがペットボトルの水をこっちに渡しながらあきれた様子で話しかけてくる。
「うっぷ、しょうがないだろ・・俺もあんな欠陥があるとは思ってなかったし」
「柊さんたちも大分ひいてましたよ。目の前で嘔吐されから当然といえば当然ですけど。あとそれの処理をしてくれた椿さんには今度お礼を言っておいてくださいね」
・・・どうやら初対面の人にえらい迷惑をかけてしまったみたいだ。
あくまで精神的にだがほかの魔法に比べてこれのデメリットが一番致命的な気がする。あくまで精神的にだが。
「あとルーンさんからの伝言ですが、あのムカデの出現頻度はやはり明らかにおかしいそうで、おそらく魔物界のほうで何かがあって追いやられたりしたと思われているそうです。おそらくこれからもまだ出現すると思われますがこれからはあまりむやみに戦闘しないでほしいと言われました」
「そうか、わかったよ。でも今回からしてレイのほうが気を付けないとじゃないか?」
「むっ、それはそうですが・・・結局兄さんも来たじゃないですか」
「じゃあ今回はお互いさまってことにしておくか」
「そうですね」
これ以上はレイに口論だと負ける気がしたのでそれ以上は何もしゃべらないことにした。
*****
そんなこんなでようやく自力で歩けるくらいには回復したのでレイと一緒に帰ることにした。
もう空はオレンジ色に染まり風が肌寒く感じる。
「兄さんは病院での一件のときにわたしに『理由はわからないがなんか使えるようになった』と言いましたよね?」
あぁ、そうだ。おれは氷魔法を使った日にレイに病室で尋問されたようにそんなことを口走った気がする。
「いままで何となく聞きはしませんでしたがやはり何かしらの理由はあると思うんです。現に今日で6つすべて私は見ましたがどうも兄さんはそれらの魔法の扱いに(こなれ?熟れ?)てる感がありますし」
「レイ・・・。すまないが今は言えない。ただ、いつかは言える時が来るからその時まで待っていてくれないか?」
このゲームのストーリーモードはいくつかバッドエンドがある。
もし俺がここで変なことを言ってそのエンドに向かってしまったらどうしようもない。
だから俺は周りの人に本当のことを知られずに裏で動いてそれを阻止しなければならない。
そもそもストーリーに関わってこない男がいきなり入学してきたら物語はどうなるのか知る由もないが。
「そうですか。兄さんならそういうとおもってましたが」
「お、おう、ありがとう」
あんがいさらっとした返答に戸惑いつつもいつかは打ち明けなければなという気持ちにはなった。
6つの力。おれが唯一使える魔法たち。
どれも一癖や二癖どころじゃ済まないが、俺はこれを使ってバッドエンドからみんなを守らなけばならない。
今もなお先ほどまで纏っていた闇の魔法陣の感覚が残っている。
ようやく解放したか、もっと使えと言わんばかりに右手が脈を打つ。
それだけじゃない。体を電撃が走る感覚も氷をまとった感覚も鉄の翼の暖かさも火のあの熱さも全て体が覚えている。
だが俺は多分こいつらのことをまだ理解しきれていない。
まるで使った魔法の記憶が生き物のように頭をうねり動いている。
おれはまだじんじんしている右手を夕焼けで染まっている空にかざす。
この手で何が守れるのか。
答えはわからないけどわかっている。
「兄さんはまずは高校の推薦の面接と試験がありますからね」
「うん、わかってる。俺は、俺はこの魔法たちと一緒に戦うよ」
「そうですか。・・・応援しています。今日はありがとうございました。私も今以上に頑張ります」
そういった二人の帰り道は寒い風が吹くけど心はあったかい気がした。
とりあえずは自分の中で一区切りはつきました。
次の章はまたちょっとしたら書き始めれたらなと思っているのでもし見かけたら目を通していただけると嬉しいです。
とりあえずは自分の本分に戻ります。ありがとうございました




