第1話 日常?
俺こと、高宮悠人は睡眠が大好きである。
寝ることに関しては誰よりも好きだ。
というよりもまぁ…何もしたくない、よし寝よう。
って寝てたらこうなった感は凄いする。
でもずっと寝られる訳でもないのでぼちぼち起きようとしてふと時計を見ると昼を過ぎた頃であった。
背伸びして閉めていたカーデンを開くと、
「「……」」
窓にへばり付く少女がいた。
咄嗟にカーテン俺は閉めた。
……うん。何も見なかった。何もいなかった。うん。いないな。うん。
と自己暗示のように言い聞かせて無視して顔を洗おうとした矢先に
「ちょっと! なんで無視するのっ!?」
と戦隊ヒーローのように派手に飛び膝蹴りで窓を突破してきた。
怒りを通り越して呆れしかない。
「……何してるの? レイア」
「な、何ってそりゃ……」
と、少し間を開けて少女ことレイアは口を開いた。
「あ、朝ごはんをご馳走になりにきただけだけど?」
と、朝ごはんと聞いただけで競技カルタの選手の如く俺は携帯をとった。そしてー
「もしもし警察ですか? 朝ごはんを要求する不審者ー」
通報した。いや、当然だろ。
突然窓にへばりついて、飛び膝蹴りで窓を破壊して朝ごはん食べたいっていう奴、不審者でしかねーよ。 と考えつつも通報していると、
「ー撃ちぬけ、氷菓の銃弾。」
と少女が言い放ったその刹那。
耳に当てていた電話が撃ち抜かれ、凍てつき粉々に砕け散った。
「……」
これ以外に上手い表現が思いつかない。いや、なんだよ。あれ。 なんだあれ? 魔法なのか?
魔法とかいう空想の産物なのか?
そんな悠長に考えていると少女は続けて、
「…二回目は外さないわよ?」
…いや。おかしくね? 俺が脅迫されてるよ、おかしくね? 大事な事なのでもう一回言うぞ。
おかしくね?
「さてと、朝ごはん。 作ってくれるわね? 悠人」
「……わかった、作ってやるから壊したもの全部もどせよ、じゃないと作らん。」
「むぅ……仕方ないわね……。」
と、少女が指を鳴らした瞬間。
壊れた携帯電話、窓がテレビの放送の巻き戻しをするかのように戻っていく。
「……仕方ねぇな。 作ってやるからちょっと待ってろ。」
「やった! 朝ごはん! 食べられるっ! わーい!」
「うるせぇ!」
そんなこんなで俺が朝ごはん作る羽目になった。なんでやねん。
そもそも、こいつ、レイア・グロスリーと、出会ったのはつい最近、1ヶ月前のことである。
ある夜にコンビニにちょっとした買い物の帰路に
―急に空から流れ星のように俺の目の前に落ちてきたのである。
……ここまでテンプレみたいな出会いもくそもないなと我ながら思う。そして出会って一言。
「家に泊めさせてください。」
「……はい?」
「……あ、あれ……使用言語が違うのかな……めいあいすていゆあほーむ?」
「いやいや、通じてるけど……はい?」
……これが出会いである。面白くはない。断じてない。
お久しぶりです。
なかなか書き上げることが出来てなくてすみません。
ゆっくりではありますが、更新を楽しみにしていただければと思います。