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【悲報】異世界転生して与えられたスキルが『5ch』だった件〜無能と追放されたが、ネット民の集合知で最強へと成り上がる〜  作者: 烏丸ぽっぽ


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8/22

第8話:王城バルコニーに『絶望(特盛り)』お届けに上がりました

「ギュオォォォォォォォォォォォォッ!!」


 ヤンキー特有の真紅のオーラ(音速突破の摩擦熱)を纏いながら、ちくわ(古竜(こりゅう))は王都の空を切り裂いていた。

 背中に乗るアリアは「ひゃああああっ」と悲鳴を上げながらちくわの鱗にしがみつき、頭頂部でヤンキー座りを強制されている俺の顔面は、尋常ではない風圧でブルドッグのように波打っていた。


 一方その頃、王城の最上階にある大広間では、国王と俺を馬鹿にしていたクラスメイトたちが、豪華な宴を開いていた。


「はっはっは! 勇者殿たちのチートスキルがあれば、我が国は安泰じゃ!」

「ええ、あんな無能な『ごーちゃん』スキルの鈴木なんて、今頃ゴブリンの餌食ですよ」


 腹立たしい会話が聞こえてくる。

 まさにテンプレ通りのヘイトの稼ぎ方だ。


『異世界転生・召喚板』

109 名前:名無しの転生者

王様たち、絶賛フラグ建築中で大草原

110 名前:名無しの転生者

イッチ、宴会のど真ん中に突っ込もうぜ!

111 名前:名無しの転生者

ただ突っ込むだけじゃ面白くない。

【安価】王様たちへのカッコいい第一声 >>115

112 名前:名無しの転生者

地獄から戻ってきたぜ

113 名前:名無しの転生者

パーティの主役が帰ってきたぜ

114 名前:名無しの転生者

逆に命乞いをする

115 名前:名無しの転生者

「ちわーっす! ◯ーバーイーツです! ご注文の『絶望(特盛り)』お届けに上がりましたー!」と爽やかに挨拶


「異世界にフードデリバリーなんかあるわけねぇだろォォォ!!」


 もはやツッコむ気力も限界に近づいていたが、俺の身体は無慈悲にもスキルの強制力によって動かされる。


「ちくわ! あのバルコニーに突っ込め! そしてドリフトだ!」

「ギャウッ!!」


 ちくわは主の無茶振りに対し、空中で器用に巨体を捻った。

 王城を覆っていた強固な対空魔法結界が、ちくわの放つヤンキーオーラに触れた瞬間にパリンッ!と飴細工のように砕け散る。


「な、なんじゃあの赤い彗星のような巨大な影は!?」

「こ、こちらに向かってきます! そ、空が燃えている……!?」


 宴会場がパニックに陥る中、ちくわはバルコニーに猛スピードで着弾。

 凄まじい衝撃音と共に石造りの床を削りながら、ズザーーッ!と完璧なサイドブレーキを引いたかのようなドリフト駐車を決めた。


 ズドゴォォォォォォォォォォンッ!!!


 巻き起こった突風で宴会のテーブルが吹き飛び、王城の窓ガラスが一斉に割れる。

 舞い散る粉塵の中、漆黒の古竜の頭頂部でヤンキー座りをし、肩に竹の棒(神話級の孫の手)を担いだ俺は、満面の営業スマイルを作って右手を上げた。


「ちわーっす! ◯ーバーイーツでーす! ご注文の『絶望(特盛り)』、お届けに上がりましたー!!」


 シーーーン……。


 破壊されたバルコニー。

 伝説の災厄であるはずの古竜。

 そして、謎の配達員風の挨拶をする高校生。


 情報量が多すぎて、国王もクラスメイトたちも完全にフリーズしていた。

 やがて、クラスのイケメンリーダー格だった佐藤が、震える指で俺を指差した。


「す、鈴木……!? お前、なんで生きて……ていうか、その乗ってる化け物、なんだよ!?」

「あ? これか? 俺の愛犬の『ちくわ』だけど」


 俺が鼻で笑いながらちくわの顎下を孫の手で撫でると、ちくわは「ゴロニャン♡」と鳴いてバルコニーの柱を尻尾でへし折った。


116 名前:名無しの転生者

愛犬(古竜)

117 名前:名無しの転生者

絶望特盛り配達ニキwwww

118 名前:名無しの転生者

王様、完全にチビってて草


「ひっ……ひぃぃぃっ! こ、こなたは古竜エンシェント・ドラゴン!? な、なぜあのような無能が、災厄の化身を従えておるのじゃ!」


 国王が腰を抜かし、玉座から転げ落ちる。


「無能? ああ、俺のスキルのことですか」


 俺は立ち上がり、肩に担いでいた孫の手を国王へ向けてビシッと突きつけた。


「俺のスキル『5ch』はなぁ……お前らみたいなちっぽけな世界の常識じゃ測れない、数万人の暇人(ネット民)たちの悪意と集合知の結晶なんだよ!!」


 カッコよく言い放ったが、よく考えたら全然誇れる能力じゃなかった。

 しかし、神話級の孫の手から立ち昇る黄金のオーラと、古竜の圧倒的なプレッシャーの前に、かつて俺を追放した者たちはただ平伏し、ガタガタと震えることしかできなかった。


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