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【悲報】異世界転生して与えられたスキルが『5ch』だった件〜無能と追放されたが、ネット民の集合知で最強へと成り上がる〜  作者: 烏丸ぽっぽ


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13/22

第13話:門番の焦燥〜うちのチワワ(※古竜)は噛みませんよ〜


ラジオ体操による強制宇宙旅行から無事に(?)生還した盗賊のリーダーを衛兵所に突き出すため、俺たちは最寄りの大きな商業都市へとやってきた。

しかし、街を囲む巨大な石壁の門前で、当然の如く足止めを食らうことになった。


「ひぃぃぃぃぃっ!! こ、古竜エンシェント・ドラゴンだぁぁぁっ!!」

「鐘を鳴らせ! 総員、戦闘態勢ェェェッ!」


関所を守る門番たちが、顔面を蒼白にしながら槍を構え、街の防衛装置である魔力砲が一斉にこちらを向く。

無理もない。いくら俺の後ろで「おすわり」をして尻尾を振っているとはいえ、見上げるほど巨大な漆黒のドラゴンが街にやって来たら、パニックになるのは当たり前だ。


「あ、いや、違います! こいつは俺のペットで、ちゃんと躾けられてて……!」


俺が必死に弁明しようとした、その時だった。


『異世界転生・召喚板』

170 名前:名無しの転生者

出たな、ペット連れ特有の入城拒否イベントwww


171 名前:名無しの転生者

そりゃラスボス級のドラゴン連れてたらそうなるわ草


172 名前:名無しの転生者

イッチ、ここは堂々と嘘を突き通すんだ!


173 名前:名無しの転生者

【安価】門番への完璧な言い訳 >>178


「やめろ! ここでふざけたら本当に魔力砲で蜂の巣にされるから!」


俺の切実な願いも虚しく、スレの勢いは止まらない。


174 名前:名無しの転生者

着ぐるみです


175 名前:名無しの転生者

俺の母ちゃんです


176 名前:名無しの転生者

乗り捨てのレンタカーです


(中略)


178 名前:名無しの転生者

門番の肩をポンと叩き、真顔で「何を言ってるんですか? こいつはちょっとデカくて鱗が生えてるだけの『血統書付きのチワワ』ですよ。ほら、震えてるでしょ?」と堂々と言い張る


「どこの世界に体長20メートルのチワワがいるんだよォォォォォ!!」


心の中で盛大にツッコミを入れたが、スキルの強制力はすでに俺の身体を支配していた。

俺は構えられた槍の切っ先をスッと避けると、震える門番の隊長の肩に気さくにポンと手を置いた。


「な、なんだ貴様……! 命が惜しくな――」


「何を言ってるんですか隊長さん?」


俺は最高に澄み切った真顔を作り、背後の巨大な古竜(ちくわ)をビシッと指差した。


「こいつは、ちょっとデカくて鱗が生えてて口からブレスを吐く程度の、ただの『血統書付きのチワワ』ですよ。……ほら、怯えて震えてるでしょ?」


俺がそう言うと、ちくわは空気を読んだのか「プルプル……」と巨大な身体を小刻みに震わせ(その振動で周囲の地面に震度3くらいの地震が発生し)、「キュゥゥン♡」と可愛らしい鳴き声を上げた。


ピコォォォォォォンッ!!!!


脳内に響く確定音。

その瞬間、俺の放った「チワワ宣言」が強力な【概念改竄(がいねんかいざん)バフ】となり、門番たち、いや、この街にいるすべての者の脳内常識を強制的に書き換えた。


「……あ、あれ?」


門番の隊長が、ぽかんと口を開けた。


「なんだ……よく見たら、ただの少し大きめのチワワじゃないか」

「本当だ。血統書付き特有の高貴な鱗だなぁ。それに、あんなにプルプル震えて……可哀想に」

「おい皆、武器を下ろせ! ただの可愛いチワワちゃんだ!」


「「「チワワなら仕方ないな!!」」」


なんと、魔力砲は引っ込み、門番たちは一斉に警戒を解いて笑顔になり始めたのだ。


179 名前:名無しの転生者

認知の歪みエグすぎて大草原


180 名前:名無しの転生者

催眠アプリかな?


181 名前:名無しの転生者

「チワワなら仕方ない」wwwww


「ええええええ……」


俺は戦慄した。この『5ch』スキル、物理法則を捻じ曲げるだけじゃなく、人間の認知機能まで破壊できるのか。

すると、俺の後ろで一部始終を見ていたアリアが、またしてもハッとした表情で両手を組んだ。


「そうか……! 『チワワ』とは、対象の認識を歪め、己の姿を矮小な存在へと偽装する古代の幻惑魔法の名称! つまり、この血喰らい(ちくわ)様は、盟主様の『チワワ』の魔法によって、門番たちの目には無害な小動物として映っているのですね……! なんて恐ろしく、慈悲深い大魔術!!」


「うん。もうお前の中ではそういうことでいいよ……」


「よし、通ってよし! チワワちゃんの粗相には気をつけてくれよな!」


笑顔で親指を立てる門番に見送られながら、俺たちは街の門をくぐった。


「ギュオォォォン♡(ちくわの鳴き声)」


嬉しそうに俺にすり寄ってくる、体長20メートルの超巨大チワワ(古竜エンシェント・ドラゴン)。

道行く人々が「あら、可愛いチワワね」「ちょっと鱗が鋭いけど血統書付きかしら」と微笑ましく見守ってくる異様な光景の中、俺の胃痛はさらに加速していくのだった。


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