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透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第2章》この気持ち
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【第5話_熱中症】

暗くて狭いロッカーの中。

さっきから呼吸がすごく浅いのに、必死に隠してる気配。

「……っ、なんか、暑い……」

ごまかすように言う声が、少し震えてる。

「……さっきから息、荒くない?」

暗い中で、落ち着いた低めの声が近く響く。

「べ、別に……大丈夫……だから……」

その瞬間、身体がふらっと揺れる。

「っ…!」

すぐ腕が伸びて、肩を支えられる。距離はほとんどゼロ。

「熱、あるじゃん」

触れた手が、一瞬だけ固まる。驚きと心配が混ざった声。

「ほんとに、平気……」

言いかけて、苦しそうに息が漏れる。

「大丈夫じゃないよ」

怒ってるわけじゃない。

でも、心配しすぎて声が少し強くなる。

「隠すなよ。…ずっと見てれば、わかるから」

耳元で落ちてくるような静かな声。

その言葉だけで胸がぎゅっとなる。

「……っ」

返事ができない。息が詰まる。

「倒れられても困るし…ほら、こっち」

そっと身体を引き寄せられる。

抱き寄せるというより、支えるための距離。

「……ち、か……」

息が触れ合う距離。

「仕方ないでしょ。倒れそうなんだから」

言葉は冷静なのに、声はいつもより優しいのは、何故だろうか。

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