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透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第2章》この気持ち
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【第4話_君だけを】

放課後、チャイムが鳴ると同時に、担任がひょいっと顔を出した。

「今日の掃除当番、雨と……あ、水瀬。掃除用具ロッカーも頼むな」

「……は?」

雨は思わず眉をひそめる。

(よりによって……こいつと二人かよ)

透は嬉しそうに小さく頷いた。

「よかった、雨くんと一緒だ」

雨は思わず心臓が跳ねるのを感じた。

ふざけんな、そんな顔すんな……ドキッとするだろ。

仕方なく二人で掃除用具ロッカーへ向かう。

中は空っぽで、ほこりも少しだけ。

透がしゃがんで棚を拭きながら、ふと雨を見上げる。

「ここ、けっこう汚れてるね。雨くん、上の方お願いしてもいい?」

下から見上げる透の瞳は、相変わらず透き通っていて、

雨はほんの一瞬、視線をそらす。

(なんだよ……近いんだよ……)

と、その瞬間——。

ゴゴッ……!!

校舎が小さく揺れ、

ガタンッッ!!

掃除用具ロッカーのドアが勢いよく閉まった。

「ちょ、ちょっと……!」

「うわっ……閉まっちゃったね」

暗い、狭い、二人きり。

透がすぐに雨の腕を掴む。

「大丈夫? 怖くない?」

その声が、いつもより少し低くて、優しくて……

雨は心臓が爆発しそうだった。

「べ、別に……怖くねぇよ」

(嘘だ。こいつが近すぎて心臓がヤバいだけ)

透は雨の顔を覗き込み、ふっと微笑む。

「ほんとに? 声、震えてるよ?」

「……っ、してねぇ……!」

逃げ場がない。

透が自然と一歩近づくたび、雨の呼吸が乱れていく。

「雨くん。大丈夫。俺、ここにいる」

その距離、その声、その手の温度。

全部が、雨の心をぐしゃぐしゃにかき乱す。

ほんの数分のはずなのに、

二人で閉じ込められたロッカーの中は、永遠に続くみたいに甘かった。

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