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透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第1章》降り注ぐ雨と透き通る光
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【第2話_嫉妬、?】

転校してきて、まだ数時間しか経っていないのに、

透は、驚くほど自然にクラスの輪に溶け込んでいた。

「水瀬くんってさ、マジで優しいよな〜」

「ノートめっちゃ綺麗じゃん!教えて!」

「え、すごい声いい!読んで読んで!」

どこを見ても、透の周りには人が集まってる。

透は困ったように笑いながらも、

一人ひとりに丁寧に返していた。

その様子を、雨は窓側の席で横目に見る。

(……好きにしろよ。オレには関係ねぇし)

そう思って教科書を開くけど、

目が文字をまったく追わない。

透の笑い声だけ、やたらと耳に残る。

「水瀬くん、今日一緒に帰ろ?」

「寮、案内してあげるよ!」

女子の声。

透は戸惑って笑って答える。

「え、あっ……うん、大丈夫だよ」

その瞬間、胸の奥がぎゅっとしぼられた。

理由なんて考えたくもない。

けど、気づいたら肩に力が入ってる。

(……別に。オレは誰と帰ろうが興味ねぇし)

机の端に爪が食い込む。

気持ちを振り払うように立ち上がろうとした時、

背後からふっと声がした。

「雨くんって、いつもそんな顔してるの?」

振り向けば、透がいた。

さっきまでクラスの中心にいたはずなのに。

雨は反射的に言い返す。

「……は?どんな顔だよ」

透は少しだけ首をかしげ、

困ったように笑う。

「なんか……ずっと寂しそう」

心臓が、跳ねた。

(一番言われたくねぇこと言ってくんな……)

「寂しくなんか——」

言いかけたところで、

透の姿がまた別の子に呼ばれて遠ざかる。

「透、こっちこっちー!」

透は「ごめん、あとでね!」と笑って走っていった。

雨はその背中を見つめて、

自分の胸のざわつきを押し殺す。

(なんで、オレが……)

窓から差し込む光が、

透のいた場所だけをやけに明るく見せていた。

その光に、

雨はほんの少しだけ目をそらす。

(……マジで、なんなんだよ、お前)

——その感情が嫉妬だなんて、

雨はまだ認めるはずもなかった。

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