表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第4章》助けて
17/17

【第16話_位置情報】[透目線]

透はそっと手を離し、リビングに向かう。

カーテンを開けると、外はまだ小雨が残っていて、街路樹の葉に雨粒が光っている。

(……気をつけないと)

スマホを取り出し、通知欄に目をやる。

何も届いていない——と思った瞬間、透の心臓がぎくっとなる。

“位置情報の履歴”

小さな通知が無言で画面に浮かび上がる。

「……やっぱり、親か」

透は深呼吸して画面を閉じる。

雨には余計な心配をかけたくない。

だから、普通に笑顔を作って朝ごはんの準備を始める。

そのとき、雨が布団から顔を出して言った。

「透、なんかそわそわしてるね…」

透は一瞬ぎくりとしたが、すぐに笑った。

「え?そ、そうかな…ただ、ちょっと朝が早くて」

その言葉に、雨は小さく首を傾げる。

でも透の必死の笑顔に、問い詰めるのはやめたようだ。

「……じゃあ、今日も一緒に学校まで行く?」

透は頷き、心の奥で決意する。

(今日は普通に、何も起こらない一日にする……でも、何かあったら雨を守らなきゃ)

外に出る前、透はふとスマホを手に取る。

通知はもう消えている。

でも、心の片隅で、今日一日“安心できない何か”が隠れていることを感じていた——

それは、雨にとってはまだ知る由もない、

透の小さな戦いの始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ