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透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第4章》助けて
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【第15話_君との朝】[透目線]

カーテンの隙間から差し込む光が、透のまぶたに触れた。

「……ん、もう朝か。」

体を起こすと、隣で眠る雨の寝顔が目に入る。

穏やかで、少し熱っぽい頬。

昨夜の保健室でのことを思い出し、胸がちくりと痛む。

でも、今日は……

なんだかそわそわする。

スマホを手に取り、画面を見る。

通知は特にない。

だけど、心臓が落ち着かないのは、理由を透自身がまだ整理できていないせいだった。

(雨、大丈夫かな……体調…まだ悪くないか…?)

そっと雨の肩に触れてみる。寝息は落ち着いている。

少し安心し、でもまた緊張が戻る。

昨夜、家に“侵入者の気配”があったことを思い出す。

親の位置情報か…それとも……。

思わず、スマホを握りしめる手に力が入る。

「……まぁ、今日は普通に過ごそう。」

自分に言い聞かせて、朝の支度を始める。

雨はまだ寝ているけど、透は目を離せない。

見守るしかできない自分に、少しもどかしさを感じながら。

その時——

雨がもぞもぞと寝返りを打った。

透に気づいたのか、薄目を開けてぼんやり見つめる。

「おはよ…透」

寝起きの声はかすかに掠れていて、だけど柔らかい。

透は笑みを返し、そっと手を握り返す。

「おはよう。昨日は、よく眠れた?」

「うん…透がそばにいてくれたから」

それを聞いた透は、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。

昨日の怖かった夜も、今のこの朝も、

“雨と一緒なら乗り越えられる”と思えた。

透は決める——

今日も、雨を守る。

そして、少しずつでも雨に甘えられる存在でいよう、と。

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