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透き通る雨に揺られて  作者: YUKI
《第3章》好き
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【第11話_告白 1】

透に優しく髪を撫でられながら、雨はゆっくり目を閉じていた。

…けど。

(……寝れない)

だって、透の手つきが優しすぎる。

声が近すぎる。

心臓が騒ぎすぎて、眠気なんてどっか行った。

透は雨が寝たと思ってるらしく、少しだけ息をついて言った。

「……ほんと、無茶するんだから」

雨は返事したい。でも、今動いたらたぶん透が離れちゃう。

だから、寝たふりのままじっとしていた。

すると──

透の指が、そっと雨の頬に触れる。

「……怖かったよ、倒れたとき」

その声は、誰にも聞かれたくなかったみたいに小さくて、震えていて。

雨の胸がぎゅっとなる。

(……そんな顔、俺のためにしないでよ)

透は、続けた。

「強いふりして…隠して…全部ひとりで抱え込むとこ……」

一度、言葉が止まる。

息を吸って、ゆっくり吐いて──

「……そういうとこ、放っておけないんだよ」

その音。

まるで“好き”の一歩手前。

雨の心臓は寝てる設定ぶっ壊しでバクバクしてるのに、透は気づいてない。

透はそっと雨の前髪を払って、タオルを直しながら言った。

「……雨のこと、もっと知りたい」

呼吸が止まるような言い方だった。

「強がってる時も、弱い時も……全部」

少しだけ触れた指先が震えてる。

雨は気づく──透も、余裕あるフリして実はぎりぎり。

「……言えないけどさ。いろいろ」

透は苦笑して、雨の手をそっと包み込む。

「言わなくてもいいよ。俺、待つから」

その優しさが、胸に刺さる。

「だから……無理に平気なふりすんなよ。ちゃんと頼ってよ」

雨は、これ以上聞いたら絶対顔真っ赤でバレる。

でも離れたくなくて、目を閉じたまま指を少しだけ動かしてみた。

ぎゅ……。

透の指を、弱くつまむように。

透は驚いたみたいに息をのんで──

でもすぐ、優しく雨の手を握り返した。

「……起きてた?」

返事ができなくて、またぎゅっと握る。

透はふっと笑って、小さく囁いた。

「……そっか。じゃあ、寝たふりの雨にも言うね」

距離が、耳元すれすれ。

「俺……雨のそういうとこ、好きだよ」

雨の心臓は完全に爆発。

けど、返せない。返したら全部壊れそうだから。

透はそのまま、雨の手を握り続けた。

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