お爺さんとお姉さん
暖かい。まるで幼い頃、お母さんに抱かれていた時のような暖かさを感じる。
「・・・・・ん・・・・・んぅ・・・・?」
僕はゆっくり目を覚ますとそこには
「あら。目覚めたみたいね。あなた。《王の子》が目覚めたわよ。」
『おお!そうか!』
見たこともない女の人。すごくきれい。
「あらあら綺麗だなんて。可愛いこと言ってくれるのね。」
「目覚めたか!」
ばぁん!扉を開いて現れたのは筋骨隆々なお爺さん?
「む?まだ魂までは見れぬのか。わしじゃよ。おぬしが倒れる前にいたドラゴンじゃよ。」
そう言われて僕は倒れる前の記憶を思い出す。ここはどこ?さっきのタルタロスには見えないけど、僕は死んじゃったから天国?
「いんや。ここはタルタロスの中じゃよ。おぬしはちゃんと生きておる。おぬしは死なすにはもったいなさ過ぎるからの。そ奴に回復させたのじゃよ。」
ぼくは・・・・・死んでない?そんな。あのドラゴンがお爺さんで、この女の人が僕を治してくれた?
「それにしても、おぬしが回復させたのになぜ器が回復しとらんのじゃ?」
「もう。魂の器の回復はゆっくり時間をかけてやるんだから一気にやっちゃだめなこと忘れたの?」
「おお。そうじゃったそうじゃった。まあ幸い、既に《試練》は始まったしの。時間はたっぷりある。器を治しながら鍛えればよかろう。」
何を言っているのかわからない。僕は帰れないの?
「うむ。勝手で申し訳ないがおぬしは今、《王の試練》の真っ最中なのでな。試練をクリアするまでは出られん。」
そんな。せっかく生き延びられたのにここから出られないなんて。
「でもね。試練をクリアするまでは私たちがあなたを鍛えてあげられる。もう辛い思いもしないくらい強くしてあげられるから。」
でもぼくは何もできない出来損ないだよ。
「いいや。それは人間の評価じゃろ?人間なんぞ何も知らぬ赤子同然。そのような者たちの評価なんぞ気にしなくていいわい。」
「この爺さんはこう言ってるけど強くなれる方法っていっぱいあるの。あなたでも強くなれる方法なんていくらでもあるんだから私たちに任せなさい。」
ほんと?
「ほんとじゃよ。おぬしを世界で最強にしてやろう!」
「ふふ。あなたがそれを言うと本当になりそうね。」
そう言ってお爺さんとお姉さんは笑った。




