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第1話 異世界召喚 ~宝石鑑定士の新たな旅立ち~

第1話 異世界召喚 ~宝石鑑定士の新たな旅立ち~


「この輝きは...まさか、アレクサンドライト?いや、違う。この独特の光沢は、レアなガーネットの一種だ。素晴らしい...」


ルーペ越しに宝石を眺める風間翔太の瞳は、まるで宝石そのものが宿ったかのように煌めいていた。


宝石鑑定士として50年のキャリアを持つ翔太。数多の宝石を見てきた彼の鑑定眼は、もはや神の領域に達していると言っても過言ではない。


「風間さん、その宝石の鑑定結果は?」

若い助手が翔太に尋ねる。

「ああ、これはマダガスカル産のデマントイドガーネットだ。非常に希少価値が高い。0.1ctで50万円はするだろう」


淡々と答える翔太だったが、内心は熱く激しい感情で満たされていた。

(50年...長いようで短かった。いや、私の宝石への情熱は今も衰えてはいない!)


人生の大半を宝石に捧げてきた翔太。その情熱は、歳を重ねるごとに強くなっているようだった。


****


鑑定を終えた翔太が事務所に戻ると、そこには見慣れぬ巨大な宝石が置かれていた。

「な、なんだこれは...」


翔太が驚きに目を見開く。そこにあったのは、今まで見たこともないような巨大な紅玉。その大きさは、ソフトボール大はあろうかという代物だ。


「こんな宝石があったなんて...一体どこの誰が...?」


謎の宝石を前に翔太が頭を抱えていると、突如事務所内に眩い光が満ちた。

「うわあっ!な、なんだ!?」


光に飲み込まれる翔太。気づけば、彼の身体は光の中へと引きずり込まれ、どこかへ吸い込まれていく。


「く、くそお...これが人生の最期か...」

得体の知れない光に抗えず、翔太の意識は遠のいていった。


****


「...ん...ここは...?」

目覚めた翔太が見たものは、聞いたこともない鳥のさえずりと、見たこともない緑豊かな光景だった。


「私は...異世界に...?」


頭を抱える翔太。突然の出来事に混乱を隠せない。

(夢か?いや、痛みは本物だ。大石につまづいて膝を打った...)


翔太は周囲を見回し、自分が置かれた状況を飲み込もうとする。

(どうやら、私は異世界に召喚されたようだ...)


今までの人生経験が通用しない、非日常の世界。翔太の心は不安と動揺でいっぱいだった。

「ここで途方に暮れていても仕方がない...まずは情報を集めねば」


懸命に平静を装い、翔太は足を踏み出した。予想だにしない異世界での新たな旅が、今始まろうとしている。


****


村はずれの宿屋に辿り着いた翔太。

「こんばんは、一泊させてもらえますか」


カウンターに立つ愛想の良い青年に、翔太は泊まれる場所を尋ねる。

「ええ、もちろんですよ。お客さん、見ない顔だね。旅の方かい?」


(どう説明したものか...このままでは不審者だと思われてしまう...)

「あ、ああ...その通りだ。遥か遠くから来たんだ」

翔太は曖昧に答えつつ、必死で笑顔を作る。


「へえ、よく来たね。実は最近、この村も物騒なんだ」

青年は、不穏な空気を漂わせながら言葉を続ける。

「物騒って...どういうことだ?」


「この辺りの鉱山に、魔物が住み着いてるらしいんだ。村の人が何人か襲われたって噂だよ」


(魔物...やはりここは異世界なのだな)

「そ、そうか...くれぐれも気をつけないとな」

動揺を隠しつつ、翔太は青年に返事をする。


****


翌朝、宿屋を出た翔太は村の鍛冶屋を訪ねていた。

(異世界を旅するなら、武器は必須だ。鍛冶屋なら何かあるだろう...)


「いらっしゃい!」

到着した鍛冶屋で、翔太を出迎えたのは元気な女性店主だった。


「あの、武器を一つ欲しいのだが...」

「はいよ!じゃあ、あんたに合った武器を選んでみようか」


女性店主は陽気に応じ、店内の武器を次々と翔太に見せる。


「こ、これは...」

翔太の視線が、一際美しい刀身を持つ一本の剣に釘付けになった。


「おっ、目ぇつけたねえ。それ、うちの自慢の一品だよ。この村に伝わる宝石の粉を混ぜて作ったんだ」


(宝石の粉だと...?)

剣に宿る淡い輝きを見つめ、翔太は思わず息を呑む。


「これを...私に売ってもらえないだろうか」

「ええい。あんた、気に入ったみたいだしな。うちの剣をよろしく頼むよ」


宝石の剣を手にした翔太。これが、異世界を切り拓く相棒になるのだろうか。


****


「竜玉の欠片だと!?」

村長の家を訪れた翔太は、衝撃の事実を告げられていた。


「うむ。お主が持つ その剣に使われておる宝石、それは我らが村に伝わる竜玉の欠片だ」

村長は神妙な面持ちで語る。


「竜玉とは...一体何なのだ?」

「古より伝わる秘宝じゃ。われらが村は、その守護者を務めてきた」


村長の言葉に、翔太の脳裏に閃光が走る。

(ま、まさか...私を異世界に呼び寄せたのは...)


「お主は竜玉に選ばれし者。我らを、魔物の脅威から救う英雄にちがいない」

「え、英雄だなんて...私はただの宝石鑑定士だ」


突然の使命に翔太は戸惑いを隠せない。

(私に何ができるというのだ...武器を握ったこともないというのに...)


「ならばなおさら、宝石の力を引き出せるのはお主しかおらぬ。頼んだぞ、風間翔太殿」


動揺する翔太を置き去りに、村長は期待の眼差しを向けるのだった。


****


村を出た翔太は、竜玉の欠片が使われた剣を握りしめていた。

(こんな非日常の世界で、私に何ができるのか...)


未知の世界に立ち向かう不安と、期待される使命の重圧。翔太の胸には溢れんばかりの感情が渦巻いている。


(いや...私には宝石の知識がある。この剣に宿る力を、私なりの方法で引き出せるはずだ!)


翔太は大きく息を吸い込み、覚悟を決める。

「よし...やってやろうじゃないの。50年の経験を胸に、異世界で無双してみせる!」


道中で出会った愛らしいケモミミ少女や、ちゃっかり者の魔法使いとの冒険が待っている。

そして、この世界の謎を解き明かし、魔物の脅威から村を守る使命が。


異世界に舞い降りた宝石鑑定士、風間翔太。

彼の新たな人生の旅は、まだ始まったばかりなのだ。

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