カーネーション(私の愛は生きています)
フランス語でのルビが大変なため、『』内の言葉をフランス語とします。
手抜きとなってしまいすみません…。
六月初旬、土曜日。午後20時47分。
羽田空港 国際線ロビー。
フランスからの直行便が到着。
俺はデジレ姉さんとの待ち合わせ場所、第一ターミナルの出会いの広場(北)で待機していた。
前方から、ぞろぞろと現れる人影。おそらくツアーの団体さんだ。
いろいろな国の言葉が入り混じっている。
デジレ姉さんのお迎えについて来た芹香は周りの雰囲気に少し圧倒されている。
「デジレさん来た?」
「まだっぽい…けど、あれかな?」
オレンジ色の髪色。
ティアドロップのサングラスをヘアバンド代わりにした女性が、俺を見て手を振っている。
「デジレ姉さんだ! 行こう芹香、紹介する!」
芹香の手をつかみ、デジレ姉さんの元まで走った。
『会いたかった、デジレ姉さん!』
『エミール!』
俺たちはしばし抱き合った。
そして、デジレ姉さんに芹香を紹介する。
『姉さん、この子が芹香だよ。俺の姉さんだった人。今は俺の大切な人にしたい人』
『ワオ! この子フランセがわからないんでしょ? だから大切な人ってフランセで言ったのね?』
『ばれたか!』
「エミくんずるい! 何を話しているの?」
「ごめんなさいね。初めましてセリカ。エミルを今まで支えてくれてありがとです」
「とんでもないです。今は会えなかった3年間を取り戻している最中です。ってゆうか、デジレさん日本語が上手ですね?」
「ありがとうございます。学生の時は日本語を専攻してました。当時は日本にも来ましたよ。コミケにも行きました」
「すごーい!」
『姉さん、食事は?』
『大丈夫よ。今はエミの家で落ち着きたいわ』
『了解』
「芹香、行こう」
「う、うん。ねえエミくん、日本語で話してよ。仲間外れみたいで嫌なんだけど…」
「うん、わかった」
俺たちはタクシーに乗り、自宅へと向かった。
てか、タクシーって、金額がスゲーな…。
自宅に到着し、姉さんを部屋へと案内をした。
『素敵なお部屋ね。前は誰が使っていたの?』
『わからない。多分クローゼットかな? いろんな書物が置いてあった。書斎って感じでもなかったよ』
『へえ。とにかくありがとう。下に行きましょ。セリカがヤキモチをやいちゃうわよ?』
『あはは。そうだね』
姉さんとリビングに行くと、芹香がお茶と軽食の用意をしていてくれた。
「ワオ! 美味しそうなカスクルートね」
芹香が「ん?」という顔をしている。
「芹香、カスクルートはサンドイッチって意味じゃないよ。簡単に食べることができる、日本で言うおむすびとかね、そういった軽食の総称だよ」
「エミくんスゲー! ウィキじゃん!」
「あはは! セリカは面白い子ね」
「えへへ」
『姉さん、シャワー…』
言いかけると同時に俺の口に人差し指を充てる姉さん。
「私は日本語を上手じゃないけど話せるよ。だからセリカの前でフランセはダメ」
「ああ。そうだった…。ごめん芹香」
「ん? なにが?」
芹香は眠たそうに頭がフラフラと揺れている。
「姉さん、芹香を寝かせてくるね」
エミルはセリカのことが本当に大好きなのね。
「Dors Bien」




