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セリカシュン  作者: 青紙 ノエ
第4章 そして僕は途方にくれる物語

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20/26

閑話

 

 ウサギは寂しいと気絶、または絶命してしまう。


 ・〜・〜・〜・〜・


「ねえエミくん」

「何?」

「ウサギを飼いたい」

「えぇ・・・嫌だ」

「なんで? 可愛いじゃん」

「面倒を見るの俺じゃん」

「私がやる! 絶対やる! だから飼おうよ!」


 俺たち、デジレ姉さんと芹香はとあるショッピングモールに来ている。

 1階フロアにあるペットショップにいたウサギ。ネザーランドドワーフという種類のウサギに、姉さんと芹香が目を奪われていた。


 俺はウサギを購入するにあたって、簡単に計算をする。

 エサ:ラビットフードの他にチモシーと呼ばれる草。このチモシーがくせものだ。一日に2回。朝と晩、なるべく無くならないようにするらしい。

 このチモシーのお値段。1400円×4(1ヶ月)。

 ラビットフードはおおよそ、2ヶ月に1回で2100円。

 これに加え、初期投資のゲージやらその他で、4万円近くかかってしまう。

 


「初期費用がかかりすぎ。俺には無理」

 考慮した結果を芹香に告げる俺。


「こちらのウサギですか?」

「はい」


 なんと?

 姉さんが店員を呼んできた。

 しかも抱っこさせてもらっている。


「Vraiment mignon(可愛いです)!」


「えっと・・・」

 困ったように俺を見る店員さん。

「可愛い、と言っています」

「そ、そうですか。えっと、妹さん? も抱っこしてみますか?」


 はぁ!? という顔をする芹香。 逆鱗スイッチが入ったようだ。


「私は姉です!」

「す、すみません! えっと奥様でしょうか? お嬢さんに・・・」


 デジレ姉さんを奥様と呼ぶ店員さん。

 あれ? 我、旦那さん? 姉さんの旦那さんかい?

 我、そんなに老け顔なのかい?


「はい、アナタ。芹香にも抱っこさせてあげて」

 調子にのるデジレ姉さん。


「ちがーう! エミくんは甥っ子でしゅ!」

 芹香さん、盛大にカミましたね。


「可愛い!」

 芹香に可愛いという店員さん。


「ほーら芹香ちゃん、ウサちゃんだよー」

「ふん!」


 ふんっと言いながら、嬉しそうにウサギを抱っこをする芹香。


「ねえアナタ、この子のためにもウサギを飼おうかしら?」

 俺の腕に自分の腕を絡ませ、上目使いで言う姉さん。


「いや、買わねーし」


「アーン残念デェース。行きましょうセリカ」

「チッ・・・」



 ウサギを触るだけ触って、帰る俺たち・・・。

 ショップの店員さん、大変ご迷惑をおかけしました。




 余談ですが、冒頭の ウサギは寂しいと気絶、または絶命してしまう。 

 結論から言いますと、ガセネタです。

 1993年に放送された「ひとつ屋根の下で」という大人気ドラマで使われた

 「うさぎって寂しいと死んじゃうんだからね!」

 というセリフをある女性俳優が言ったことを機に、瞬く間に広まったようです。






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