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セリカシュン  作者: 青紙 ノエ
第3章 がんばってみる物語

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 グラジオラス(たゆまぬ努力)

 

 瞬はハンドボールの練習のため、聖也を自宅に呼んだ。 果たして瞬と聖也はデジレの練習について来れるのだろうか。

 ちなみに、その場にいた和久井さんと香山さんも来ることになった。彼女たちは女子会が目当てのようだ。果たしてそれだけだろうか・・・?

 


 土曜日 十二時三十分。青井家のチャイムが鳴る。


「はーい」

 ガチャ。

「片山さん!?」

「加藤くんいらっしゃい。どうぞあがって」

「はい。おじゃまします」


 リビングではすでに女子会が始まろうとしている。


「いらっしゃい聖也。紹介するぜ、俺の母さんの妹で、デジレ デュ カミーラ。学生時代はバスケのレギュラーだったんだぜ!」

 聖也は驚いた顔をしてデジレ姉さんを見ている。

「聖也、どした?」


「あっ、初めまして。加藤聖也です。A型です」

「血液型はいらなくない?」


 香山さんがツッコミを入れた。


「初めまして、聖也さん。エミルが迷惑をかけていないかしら?」

「そんな! 俺のほうがお世話様です!」


「加藤くん、緊張しすぎでワロォー」

 和久井さんは聖也をひやかしているようだ。

 とりあえず自己紹介も終わったので、お茶をしてから特訓を始めるとする。 


 

 俺と聖也は先に庭に行き、姉さんに言われたとおり、二メートルくらい離れて、下手投げでキャッチボールを始める。少し恥ずかしいが、仕方がない。俺たちは下手だからね・・・。

 そしてデジレ姉さんは着替えてくるといって、自室に行ってしまった。


「なんか普通にできてない?」

「下投げだけどね」

「なんだか小さい子みたいだね、デカいのに」

「あー。加藤くんもデカいよね」

「普通の健康的な体系だね。てか、青井くんは瘦せすぎじゃない? 52キロでしょ?」

「加藤くんって体重何キロかな? 60キロくらい?」


 女子トークがけっこう気になる・・・。


「あの、あまり見られると恥ずかしいんだけど・・・」

 聖也が恥ずかしそうに言う。

「気にしない気にしない」


 和久井さんってオラオラだな・・・。


 すると、姉さんが庭に回ってきた。

 ユニフォームを着ている。

 芹香たちは黄色い声を上げ、姉さんに近寄って行った。

「やばい! デジレさん写真良いですか?」

「私も!」


 えーっと。撮影会になっているのだが? 特訓はどうなった?

 俺は聖也にボールを投げる。って、「聖也!」ボコッ!


 ボールが聖也の顔面を直撃した。


「大丈夫か聖也?」

「だ、大丈夫だってさ」

「だってさ、ってお前のことだよ!」

「お、おれは大丈夫だよぉ」


 どうした聖也? 


「加藤くん、デジレさんを意識しすぎだって! あはは!」

 和久井さん? そういうことを大きな声で言うのはNGだぜ?


「ハイハイ! それじゃエミル、セイヤ。始めるわよ!」

「はい!」

 俺たちは声を合わせた・・・。


      ・

      ・

      ・

      ・

      ・


 二時間後。

「やばい・・・。きつい・・・」

「ああ、きついな・・・」


 俺と聖也は庭の芝の上で寝転んでいる。

 端的に言うと、姉さんの特訓はガチだった。

 おかげさまで、ジャンプをしながらシュートを投げられるようになったのだ。

 どうだい、ワイルドだろ~?

 そんなことを考えていると、女子たちがコソコソと何やら話している。


「ねね、芹りん。私、聖也くんの事、好きかも・・・」

 香山さんの声がかすかに聞こえた。


 これは!?


 俺は聞こえなかったことにした・・・。


 



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