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スライムには負けるけど魔王には勝ちます  作者: すふぃ~だ


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ガタリヤ奮闘記①


残酷なシーン、差別的なシーン、性的描写があります。


※(R15)作品です。

スライムには負けるけど魔王には勝ちます


               すふぃーだ



————ガタリヤ奮闘記—————



 ここはザザの村近くの森。

 ガタリヤとザザの村の中間地点にある宿泊ポイントまで、あと1~2時間くらい歩けば着きますよって感じの場所。



 しかしこの団体が進んでいるのは街道では無く森の中だ。

 まるで人目を避けるように、道なき道を進んでいる。



 先頭としんがりには鎧をまとった男が数人、周囲に目を光らせている。

 冒険者がこの団体を傭兵をしているようだが、どうやらこの冒険者達は汚れ仕事専門の人達のようだ。

 人数は10人前後。



 そしてこの冒険者達が運んでいる荷物は・・・人間、若い女の人間達だった。

 どの娘もみすぼらしい格好をしており、手はロープで縛られている。

 そのロープは全員と繋がっており、無理矢理引っ張られて連行されているようだった。

 人数はおよそ20人程。



 この連中は人身売買のグループなのだろう。

 中央にボスと思われる小太りの商人風の男がいた。

 その男は油ぎっしゅな肌をテカらせながら、ご自慢の口ひげを整えている。



「ふうっ、ふうっ、くそっ。なんでワシがこんな森の中を進まにゃならんのだ!」

「仕方ないっすよ、ガタリヤの領主は俺らみたいな外れ者を毛嫌いしてますからね」

「くそっ!キーンだったら役人に金を握らせてすんなり通れるものを!・・・忌々しい」


「でもその分ガタリヤは人身売買に飢えてますからね。客はかなり高値で買い取ってくれるらしいっすよ」


「当たり前だ!こんな苦労して安く買われてたまるかっ!ふっかけるだけふっかけてやる!」


「今回は結構上物が揃いましたからねっ。良い値段がつきそうです」

「ぐふふっ、確かになぁ」



 小太りのボスは唐突にニマァっとエロい顔をして

「おい!ちょっと休憩だっ!ムラムラしてきた!」



 そう言うと女を1人引っ張ってくる。

 全員繋がれているので、当然その左右にいた女達も数珠つなぎのように引っ張られる。



 小太りのボスは女をそのまま四つん這いにさせ、服をめくり欲望を突き刺す。

 女は抵抗せずにひたすら耐えている。



「ボスゥ、俺たちもいいっすかぁ?」

「ふんっ。はあっはあっ。まあいいじゃろ、ふんふんっ、ただし、中には出すなよ!妊娠させると厄介だからな!」

「おっしゃあ!了解っす!」



 護衛の男共は歓声を上げながら、次々と女達に欲望を突っ込む。

 どの女も、かなり何回も酷い仕打ちを受けてきたのであろう。全てを諦めた顔をして、されるがままになっていた。

 そんな欲望の渦と化した森の中に、唐突に怒号が響き渡る。




「うおおおお!!」

「いけええええ!!」




 人身売買グループに襲撃をかける者達が現れたのだ。

 まさに正義のヒーロー、助けに来た冒険者かと思いきや・・・



 どの者も容姿が普通ではない。

 髭をボサボサに生やしていたり、額に大きな傷があったり、片目になっていたり。

 まさに俺たち盗賊ですって感じの男達だった。



「襲撃だ!!」

 下半身露出した状態で剣を抜く護衛達。



「ひいいっ!お前達!ワシを守れっ!」

 小太りのボスは尻餅をつきながら女達の中に身を隠す。




「おらあああ!女は殺すな!男だけ狙えっ!」




 盗賊達が叫ぶ。

 その数およそ30人ほど。護衛達の3倍の数だ。

 実力では護衛達の方が2枚も3枚も上手のように見えるが、いかんせん数が違いすぎる。

 更に奇襲をうけて半数がなにも出来ずに倒されていた。



 辺りには血しぶきが舞い、次々と殺されていく護衛達。

 女達は頭を抱え固まってうずくまっている。



 あっという間に最後の1人がやられ全滅。

 盗賊は女の中に隠れている小太りのボスを引きずり出す。



「ひいいいぃ!殺さないでくれっ!金はいくらでもやる!頼むっ!」

「どうしやす?ボス」


「そうだな・・・魔法通貨をよこせ。全部だ。金額によっては助けてやらんでもない」

「は、はひっ!ただいま!」



 下半身を露出したままの小太りボスは、正座をしながら魔法通貨に魔力を込める。



「これで全部ですっ!何卒!何卒お助けをっ!」

「少ないな。ダメだ、殺せっ」


「ま、待ってくれっ!まだ銀行に沢山あるんじゃ!それをっ・・ギャァアァ!!」

 盗賊のボスは冷徹にそう命令して、あっさりと始末する。



「ええんですかい?ボス。搾れるだけ搾り取った方が良かったんじゃなかったっすか?」



「バカ言うな。こんなブタを連れて国境を越えるのも相当骨が折れるってのに・・・更に街に入ってみろ?密告してきたヤツもそうだが、誰が横ヤリを入れてくるか分かったもんじゃねえ。そういう事はな、頭の良い連中に任しときゃ良いんだよ」



「なるほどぉ!流石はボスだぜ!」

「俺たちゃ難しい事分かんねえもんなっ!」

「ギャハハ!」



「さてと。何人やられた?」

「6人でさあ」

「ちっ。結構やられたな・・・まあいい。ほう、なかなか全員上物じゃねーか。こりゃ久し振りに楽しめそうだ」



「ボスぅ。俺もう我慢できねーよぉ。ここで一旦味見しましょうぜ!」

「俺も!」

「やりたいっす!ボス!」



「ったく。死体が転がってるのにお構いなしってか。図太いやつらだぜ。まあ、これくらいの死体だったらデーモンも出てこないだろう。しょーがねーなぁ。ご褒美だ。楽しんでいいぜっ」



「ひゃっほおおお!流石ボスだぜ!」

「話せるぅぅ!」

「うひょ~!俺この女!!」

「久し振りの人間の女だああ!たまんねぇぇ!!」



 盗賊達は歓声をあげながら女達に襲いかかる。



 さっきの護衛達は言い方はどうかと思うが、スマートな欲望というか30代後半~40代の性欲って感じがしたのに対し、この盗賊達は欲望を剥き出しにして、とにかく女を隅々まで味わい尽くす、貪り尽くすって感じの男子高校生のサルのような性欲って感じだった。



 女達は流石に迫り来る欲望に耐えきれず、声を出して嫌がるのだが、それがまた欲望に拍車をかけているようだ。



「い、いやっ止めて!」

「嫌じゃねーよ!おら!舌だせや!ぷはっ、旨め~!」

「たまんねええ!めっちゃ柔らかいぜええ!!」

「久し振りのおっぱいだああ!」



 服を引き裂かれ乱暴に扱われる女達。



「おいっ!一応商品だからな!殺すなよ!」

「わかってますって!!うっ出るっ」

「次俺俺!交代交代っ!」

「うひょ~この女っめっちゃ巨乳ったまんねえ!」

「はあっはあっはあっ。うっ」

「いひひひっ。情報通りだったっすねっ。ボス!」

「ああっ。こいつら全員売ったら久し振りのまとまった収入になるなっ」

「ボスゥ。俺この子、気に入っちまいましたぁ。アジトに連れてきましょーよお」


「ったく。しょーがねーな。まあ2~3人いても良いかもな。直ぐ病気になって使い物にならなくなりそ・・・」



 実は小太りボスから結構な額を入手出来ていたので、少し上機嫌な盗賊ボス。

 やれやれっとタバコに火を付けようと、岩に腰を下ろしたボスの手がピタッと止まる。

 木の上から多数のゴブリン達が襲いかかって来ているのを視界に捉えたからだ。




「お前達!上だ!てき・・・」




 敵襲だと叫ぼうとしたボスに背後から棍棒を殴りつけるゴブリン。

 ボスは一撃で後頭部を割られ絶命した。

 手下達も完全に武装を解いて素っ裸になっている者が多く、ゴブリン達に苦戦している。



「きゃああぁぁ!」

「いやあぁぁあぁ!!」



 どうやらゴブリン達の目的も女達のようだ。

 無理矢理引っ張って連れて行こうとしている。



「ふざけんなっ!ゴブリン無勢が舐めてんじゃねーぞ!」



 徐々に体勢を立て直した盗賊達は少しずつ形勢を逆転していった。



 不意打ちや1度に複数を相手にする場合でなければ、通常ゴブリンに後れを取る者は少ない。

 ゴブリンもそれは十分分かっているようで、少しだけでも女を連れ去って逃げてしまおうと考えているみたいだ。

 しかし女達は連結されていて上手く連れ出せない。



「ギュギャワワギョエ!」

「ギャウスギャウス!」

 盛んになにかを呼ぶような声を上げる。



「へっ。逃がすかよっ!おらあ!」

 盗賊の1人が逃げようとしているゴブリンに向かって突進、剣を振り下ろす。




 ゴギュアッ




 しかし大きな鈍い音を立てながら、盗賊は逆に吹き飛ばされてしまう。

 ドサッと女達の前まで10メートルくらい吹き飛ばされた盗賊は、肩から腰にかけてザックリ切られており絶命していた。



「きゃあああぁぁあああぁぁ!!」

 女達の悲鳴が上がる。



 のそっと奥から出てきたのは2メートルくらいのゴブリン。

 手には片刃の斧をもっていた。



「へっ。大きいゴブリンが出てきたからってなんなんだよっ。ゴブリンはゴブリンだろ?相手になんないね!」



 盗賊はそう言うと2メートルのゴブリンに突っ込んでいく。

 大きく斧を振り上げるゴブリン。



「へっ、余裕だぜ」

 盗賊は鼻で笑うと、剣を上に構え受け止めようとする。



 グギャボッ



 またまた鈍い音を立てながら、今度は剣ごと真っ二つにされる盗賊。



「な、なんだあいつ?!強いぞっ!」

「ハイゴブリンか?油断するなっ」

「ええいっ。一遍にかかれ!取り囲めっ!」


 固まって襲いかかろうとする盗賊に向かって、ハイゴブリンは豪快にジャンプをして上から一気に斧を叩きつける。




 ドオオオォォォォォォンンン・・・




 地響きと共に砂煙が舞う。

 煙が収まった先には、多数の盗賊が地面に叩きつけられており絶命していた。

 女達も数人巻き添えになっている。



「ギャワワギュワギュワ!!」

「ギョギャジャカグワ!!」


 ゴブリン達がハイゴブリンに向かって叫んでいる。

『なにをしている!女達を殺すな!』とでも言っているようだった。


「グオギャウ・・・」

 ハイゴブリンは頭を掻きながらなにかを呟く。

 まるで『ごめんごめん』とでも言っているかのように。



 よく分からないが、力は圧倒的にハイゴブリンが勝っているが、序列は普通のゴブリン達の方が上のようだ。



 右から盗賊が足元を狙って短剣を構え突っ込んでくる。



 ブンッ



 それを大きく斧を振り回し撃退するハイゴブリン。

 また巻き添えで女達が数人殺される。



「バギョギョギャジャカグワ!!」

「グオギャリア・・・」



『だから女達を殺すな!』『またやっちまった・・・』というやり取りだと想像できる。



 どうやらハイゴブリンは、力はあるが知能は劣るようだ。

 その後も何人か女達を巻き添えにしながら、盗賊達の数を確実に減らしていくハイゴブリン。

 盗賊達はあっと言う間に数人となってしまった。



「ひいいいぃ!ダメだっ!逃げろ!」

「結界石誰が持ってるんだっけっ??!」

「しらん!とにかく逃げるぞ!」



 しかし逃げるタイミングが少し遅かったようだ。

 まわりは既にゴブリン達に囲まれており、1人に対して5匹ほどのゴブリン達が襲いかかり盗賊達を殲滅した。



「ギュギャワクケルボキ!」

「ヴァルゲドル!」



 盛んにジャンプして喜んでいるゴブリン達。

 やったぞとでも言っているようだ。

 そして固まって震えている女達に向かって歩いて行く。



 かなり巻き添えになってしまったようで、20人程いた女達も5名まで減っていた。



 一匹のゴブリンが、早速興奮した下半身を女に突き刺そうとする。

 しかし隣にいた髭の生えたゴブリンがそれを制した。



「グギャドリミリギャオ」

 首を横に振り、森の奥を指さす髭ゴブリン。



 早速犯そうとしていたゴブリンもそれに従って襲うのを止め、女達の震える腕をガシッと掴み森の奥に引きずっていく。



 まるで『ここはこれからデーモンが出るから森の奥のアジトまで運んでからにしろ』とでも言っているようだった。



 以前にも少し触れたが、ゴブリンは知能は低いが馬鹿ではない。

 集団の規律や、この世界の法則などは結構しっかりと理解している。



「ひいいぃぃ!いやああぁぁ!」

「誰か助けてええぇぇ!!」

 引きずられていく女達の悲鳴は、虚しく森の中に響き消えていくのだった。





 かなりの距離を引きずられ、着いたゴブリン達の巣は薄暗い洞窟だった。

 途中何カ所か分かれ道があったが、それほど複雑でもない洞窟を進むと、少し開けた広場のような場所に着く。



 ヒカリゴケを集めた簡易的な照明が数カ所あるだけで、人間の目ではようやく輪郭がわかる程度にしか認識できないくらい薄暗い。



 奥から数人の子供ゴブリンが嬉しそうに出迎え、大人ゴブリンは子供達の頭を優しく撫でる。

 ゴブリン達は夜目がある程度利くようだった。



 大人ゴブリンは、先程倒した数人の死体を投げ捨て子供に与える。

 喜んでかぶりつく子供達。



 ゴブリンは子供達を愛おしそうに、しばらく見つめていたが、クルッと女達の方に向き直り女同士を繋いでいた縄をナイフで切り離し、1人1人乱暴に地面に放り出した。



「グギャゴゴギィ」



 髭を生やしたゴブリンが一声鳴く。

 それが合図だったのか、直ぐにゴブリン達は女達に群がり次々と犯していく。



「いやぁぁ・・・や・・め・・」

「・・・っ・・・・」



 もう声にもならないという感じだろうか。



 最初は奴隷商人達に犯され、その次に盗賊達に貪られながら犯され、そして今ゴブリン達に犯されている。



 もう絶望しかない。



 ただただ次々と女達の中に発射していくゴブリン達を、心を閉ざして受け止めるしかなかった。



 先程ゴブリンは馬鹿ではないと説明させてもらったが、頭が良いわけでは決してなく知能は低い。

 例えば今ゴブリン達は女達を犯しているのだが、人間のようにセックス自体を楽しんでするような事はしない。



 あくまで子作りの行為、本能で動いているとでも言おうか。



 キスをしたりおっぱいに興味が出たりする事は全く無く、感心があるのは自分の子種を女の体内に注ぎ込む事だけである。

 なのでゴブリン達は女に射精したら、その後は全く興味を示さなくなり、子供達と一緒にご飯を食べている。



「ギャゴゴオグワビ!!」

 そこにハイゴブリンが入ってきた。

 まるで俺もしたいって言っているように下半身を勃起させている。



「ヒュギュイビチャヒ!」

「ギュアビア!」

 慌ててハイゴブリンを制止しようとするゴブリン達。



『お前じゃ無理だ!』『落ち着け!』と懸命に首を横に振る。



「リギャブリンテン!」



 そんなゴブリン達を蹴散らすハイゴブリン。

『ずるいぞ!俺も混ぜろ!』とでも言っているように女の両足を掴んで股を開かせる。



  ズブリッ

 と音が聞こえてきそうな程、深く深く突き刺す。



「うぎゃんっ」

 ハイゴブリンに挿入された女は思わず声が出る。



 それもそのはず、ハイゴブリンのソレはかなり大きい。

 散々欲望を受け入れてきた膣ですら、そのあまりの大きさに悲鳴を上げる。

 ソレは膣内に溜まりに溜まった沢山の精液を、全て吐き出させるかのようにメリメリっと出たり入ったりを繰り返す。



「グホッグホッ」

 ハイゴブリンは興奮してきたのか、女の身体をガッチリと掴み、激しく上下に動かす。



「ぎゃあぁ・・ぁぁ・・」

 バキボキッっと骨が折れる鈍い音がする。

 行為に夢中のあまり、ハイゴブリンは女を握り潰してしまった。



「グギャ・・ギャ・・・」

 ハイゴブリンが濃厚な体液を発射する。



 しかし女が既に事切れている事に気付くと

「グギュルル・・・」

 ハイゴブリンは残念そうに一声鳴いて、女を投げ捨てる。



 やはり射精する快楽よりも、本能からか、子孫を残したいという思いが強いようだ。

 そのためには女が生きていなければ意味が無い。



 ハイゴブリンは辺りを見渡し、荒い息のまま別の女にむかって歩き出す。

 通常のゴブリン達が必死に制止しようとハイゴブリンに掴みかかるが、一向に止まる気配はない。



「い、いやっ。誰か助けて!」

 後ずさる女の足を掴むとぐいっと無造作に引きずり込む。



「やだああ!助けてええ!!」



 じたばたと泣き叫ぶ女を全く異に関せず、ハイゴブリンは両膝を地面につけて、座位のような体位になり、そそり立つ自分の欲望の上に女を降ろしていく。



「きゃああぁ!」

 先程と同じように悲鳴を上げる女。



「グッホ、グッホ」

 同じように興奮したハイゴブリンは、女の身体をガシッと掴み激しく上下に動かす。



「ぎゅぁ・・ぁ・・い・・・」

 また同じように鈍い音がして握り潰され、絶命する女。




「グギャオアオイズイィ!!」




 ハイゴブリンは『なんで死ぬんだあ!』とでも言っているように、頭を抱え絶叫し地団駄を踏む。



 女達が直ぐに死んでしまう事にかなりイライラしている様子。

 なぜ死んでしまうのか、原因は自分にあるという事は全く頭に無いようだった。



 完全に頭に血が上っているハイゴブリンは、また別の女に向かって歩いて行く。

 止めに入るゴブリン達を思いっきり壁に投げつけ殺してしまうほど、我を忘れてノッシノッシと歩いてくる。



「お嬢様っお逃げください!」

 生き残っている3人の中で、1番背の高い女が叫ぶ。



「無理よ・・・セリー。ルクリア。本当に今までありがとう・・・ごめんね。守れなくて」

 3人は知り合いだったようだ、最後の別れを告げる女。



 お嬢様と呼ばれていた女を片手で乱暴に鷲掴みにすると、同じように欲望に向かって突き刺そうとするハイゴブリン。




「お嬢様ぁ!!」




 背の高い女の悲鳴が洞窟内に響き渡る。

 しかし先程とは異なり、女が絶叫を上げることも死ぬことも無かった。



 代わりに叫び声を上げたのはハイゴブリン。

 見ると女を掴んでいた腕が切り落とされている。



 ドサッと地面に落とされた女は、反射的に他の2人と合流するべく地面を這って移動する。



「い、いったいなにが?・・・」

「わ、わかりません・・・」

 ギュッと抱きしめ合いながら、事の成り行きを見守る女達。



「やれやれ。随分と探したぜ。やっと見つけた・・・」



 男が発する言葉に一瞬ビクッとしながらも、自分達に向けた言葉ではない事、どうやら人間の男が助けにきてくれたのかも、という事は認識できた。



 暗くてよくわからない状況に、生き残っていた3人は視覚よりは聴覚を頼りに、新たに現れた男の動きを注視する。



「グオオギャギャリギャオ!!」



 怒り狂ったハイゴブリンは、まだ生き残っているもう1本の腕で男に殴りかかる。



 それをヒョイッと交わして

「おっと。お前を先に倒しちまったらゴブリン達に勝てないからな・・・もうちょっとだけ大人しくしてろよっと」



 もうおわかりだろうが、助けに入ったのはミール。

 ミールはハイゴブリンの頭を足で蹴り飛ばし、洞窟の奥に突き飛ばす。

 そして剣に黄金の光を纏わせながら、残っているゴブリン達を次々と倒していった。



 ミールの剣のお陰で、洞窟内は人間の目でも認識出来るくらいの明るさになっている。

 あれだけいたゴブリンは、あっと言う間に1匹残らず淘汰され、洞窟内は人間には不快な血のにおいが充満していった。



 ふとミールの剣が止まる。

 子供ゴブリン達が震えながら1箇所に固まっていたのだ。

 子供ゴブリンは怯えながらミールを見ている。



 ミールは一瞬笑顔を見せ

「悪いな。つぎ生まれ変わったら友達になろう」

 そう言って剣を横になぎ払う。せめて苦しまないように一瞬で・・・



 とうとう残りはハイゴブリン一匹となった。



「ギュガギャロウガ!」

 どこから持ってきたのか手には片刃の斧が鈍い光を放っている。



 ハイゴブリンは斧を高く振り上げミールに振り下ろす。

 先程、盗賊を武器ごと真っ二つにした攻撃だ。




 ピイイィィィンンンン!




 金属音が洞窟内に響く。



 先程は剣ごと真っ二つにした渾身の一撃も、ミールの光輝く剣を前に、折ることはおろか逆に弾き返されてしまう。

 後ろに体勢を崩したハイゴブリンにミールはすかさず反撃、頭を身体から切り飛ばした。




 ドウウゥゥゥンン・・・




 大きな巨体が地面に倒れ、洞窟内には静けさが戻った。

 今まで聞こえてこなかった地下水が垂れ落ちる音が、ピチャンピチャンと聞こえてくる。



 チンッっと剣を収めるミール。辺りは再び暗闇に飲み込まれた。



 女達に一層緊張が走る。

 今日は入れ替わり立ち替わり、現れてきた者達に犯され続けているからだ。

 この男も自分達を襲ってくるのではないか・・・

 お互いに握り合っている手が汗ばんでくる。



 しかし女達の緊張もつゆ知らず。

 ミールは、なんとも緊張感ない声質で呼びかける。



「クルッピィ、照らしてくれぇ」



 呼ばれた小精霊は、ミールの身体からポンっと飛び出て洞窟内を明るく照らした。

 クルッピはご機嫌な様子で、ミールの周りをふわふわと飛んでいる。



「さてと・・・いち、にい、3人か・・生き残っているのは。助けるのが遅くなってすまなかったね。ちょっとデーモンの相手をしてたら見失っちゃってさ・・・」

 女達の前にしゃがみ込み、目線を同じにして鼻の頭をカリカリと掻き、照れくさそうに笑うミール。



「えっと・・・話せる?・・・」

「は・・・はぃ・・」



 女の子は自分が発した声が、予想よりも小さいことにびっくりしている様子。

 ここで初めて自分が泣いている事に気付いたようだった。



 ミールの優しい口調に緊張が解けたのか、3人は思わず一斉に泣き出す。

 そんな3人が、ある程度落ち着くまでじっと待っているミール。

 しばらくして語りかける。



「とりあえず・・・まずはここを出ようか・・・ちょっと臭すぎるから・・洞窟を出てからお話ししようか」

 ミールはゆっくりと立ち上がると、出口に向かって歩いて行く。



 女達はお互いを支え合いながら、なんとか立ち上がり、自分達を待っているミールのもとに一歩一歩、歩いてついて行った。

 ミールもゆっくり時間をかけて前を歩く。



 やがて少しずつ洞窟に光りが差し込んできた。

 出口だ。



 自然と皆足取りが速くなる。



 洞窟外に出るとちょうどお昼の時間らしい。

 森林の木々で太陽は隠れてはいるが、隙間から明るい日差しが差し込んでいた。

 女の子達は手で日差しを遮りながら風を感じる。



 しかし女の子達は3人とも素っ裸でドロだらけだ。

 日光に照らされた自分達の裸体に、慌てて局部を手で覆い隠し、しゃがみ込む。



 ミールは先程から魔力を溜めておいた結界石を発動させ、地面に埋め込んだ。

 結界はミールと女の子達を優しい光で包み込む。



「さてと・・・正直あんまり時間が無い気がするけど・・・でも心の整理も必要だし、理由が分からないと走れないもんね。とりあえず・・・君たちは何者で何があったのかを教えてくれるかい?正直大体想像出来るし、言いたくない事もあると思うけど・・・もしかしたら君たちの命に関わる大事な事かも知れないんだ」



 ミールはなるべく優しい口調で語りかけ、あとは女の子達が話し始めるまで根気よく待っていた。



 やがて少しずつポツリポツリと話し始める。



 3人はスーフェリア国出身で、商人の家の1人娘とメイドで知り合いだという事。

 家が強盗達に襲われて親たちは殺害。屋敷は焼かれて自分達は奴隷商人達に売られ、ガタリヤに売りにだされる途中だった事。

 その間何回も犯された事。

 途中で盗賊に襲われ、さらに犯されたこと。

 更に更にゴブリン達にも襲われ洞窟に連れてこられ何回も犯された事・・・

 女の子達は正直に今日までのことをミールに話す。



 流石のミールも、まさかここまでの苦難があったとは思ってもおらず、開いた口が塞がらないといった感じだった。



「そっか・・・正直・・・ここまで酷いことにあってるとは思わなかった・・・助けるのが遅くなってごめん」



 女の子達はブンブンと大きく首を横に振る。



「いいえ・・けしてそんなことは・・・本当に助けて頂いてありがとうございます」

 1番背の高い(おっぱいも超でかい)女の子が丁寧に返答する。



「それでね・・すごく言いづらいんだけど・・さっき命に関わるって話したじゃない?それの説明をするね。君たちはゴブリンに犯された者がどうなるか知っているかな?」



 2人は首を横に振るが超巨乳女だけは

「ゴブリンが生まれてくると聞いた事があります・・・それ以上はわからないです・・・」



「うんうん。正解だね。それでね・・・もう少し詳しく話すね。まずゴブリンはね、雄しか生まれないんだ。だから通常僕たちが見るゴブリンは全員雄なんだよ。じゃあ繁殖出来ないじゃんって思うよね?それが人間にとっては厄介な事にゴブリンは人間の女に子供を産ませるんだ。しかもその繁殖力は強力でね。ゴブリンに犯された者は48時間以内に治療して避妊しないと100%必ず身ごもると言われている。そして生まれてくる子は純粋なゴブリンが生まれてくる。さらに出産までの期間はなんと身ごもってから2~3週間。だから連れ去られた女は出産と同時にまた犯されて、何回も何回も死ぬまで妊娠と出産を繰り返す道具となるんだ。あとね・・・ここからが言いづらいんだけど・・1度ゴブリンを身ごもってしまったら・・・もう2度と人間の世界には戻れないんだ」



「え・・・どう・・いう・・事ですか?」

 お嬢様と呼ばれている女の子が、声を絞り出して尋ねる。



「何回もね、あるんだよ。ゴブリンの巣から連れ去られた女達を助け出したって事例は。それこそ世界中に。でもね・・・1度ゴブリンを身ごもってしまったら・・精神が支配されるって言うのかな?・・・まず凶暴になって会話が出来なくなる。そして隙あらば人間の世界を逃げ出してゴブリンのもとに・・・森に帰ってしまうんだ。それは途中で流産しても同じ。1度受精してしまった肉体は、もうゴブリンの子供を産むマシーンと化してしまう。修復魔法などで色々試しているみたいなんだけど、未だに1度も48時間経過した者が人間界に留まる事に成功したことはないらしい。一種の呪いのような感じなのかもしれないって学者達は言ってるらしいよ。だから、時間との勝負なんだ。もう残り45時間切ってると思う。個人差があるからできれば48時間ギリギリじゃなくて10時間くらい前には治療しておきたい。ここからガタリヤまで距離的にギリギリだと思うから、とにかく街道に出よう。そしたら運が良かったら行商人とかに出くわして馬車に乗せてくれるかもしれない。どうかな?なにか質問はあるかい?」



 ミールの問いかけに無言になる女の子達。

 しばらくして



「私を・・・ここで殺してほしい・・・」



 3人の中で1番小さくて、おとなしい女の子。

 状況から察するとメイドの娘と思われる子が、聞こえるか聞こえないかくらいの音量で喋る。



「ルクリア!」

 お嬢様が非難の声を上げる。



 そんなお嬢様を見て小さいメイドの子は

「もう・・・無理・・・あの奴隷商の人達も・・・街まであと3日はかかるって言ってた・・・とても間に合わない・・もう・・・辛すぎる・・生きていくのが・・・その上ゴブリンの子供を産むなんて・・・絶対に嫌っ!あんな汚らわしい生き物を産むなんてっ!・・・ううっ・・・」



 最後は泣き崩れてしまった女の子の背中を、優しく撫でる大きいメイド。



「あんなっ!あんな沢山の男達に犯されて・・・最後は気持ち悪いゴブリンにまで中に出されてっ!私が生きている意味ってなに?!なんでこんな酷い目に遭わないといけないのっ?!もうツライことは嫌っ!なんで・・・なんでっ・・・うわわああんんん!!」



 感情が爆発してしまう小さいメイド。

 他の2人も寄り添って涙を流している。



 暫くはひっくひっくと嗚咽を繰り返しながら号泣していたメイドだったが、少し落ち着いたのか、絞り出すようにミールに問いかけた。



「ご、ご・・ひっくっ・めんなさ・・・い。ひっくっ。ごめいわ・・・くを・・ぐすっ・・おかけしました・・・ひっくっ。わ、私たち・・えっぐっ・・私たち・・助かりますか?・・・えっぐっ、本当に・・まだ希望は・・あります・・・か?・・・」



「まだ希望はあります。でも取り繕うのは好きじゃ無いので正直に言います。かなり厳しいです。ハッキリ言って助かる確率は50%ないと思います。こうしている間もどんどんと確率は下がっていっているでしょう。しかし逆を言えばまだ50%近くも助かる確率があるという事です。僕は関わった以上、どうしても貴方達を助けたい。全力でサポートします。それだけはお約束出来ます。どうか僕を信じてくれませんか?助けさせてください、貴方達を」



 深々と頭を下げるミール。



 それを見て3人はお互い目を合わせて大きく頷く。決心は決まった。



「お願いします。どうか・・・助けてくださいっ!」

 大粒の涙を流しながら力強く言う。



 ミールはにっこりと微笑み頷くと

「では早速行動に移ります。悪いですが、かなりのスパルタで行きます。貴方達も死ぬ気で付いてきてください。なにせ時間との勝負ですから。これから全ての行動は自分が指示します。反論は受け付けません。足が痛い、お腹が減った、眠い、水が飲みたい。色々あるでしょう。しかし休憩はいっさい取りません。これからの人生の全てを、今この瞬間にかけてください。いいですか?」



「は、はいっ!」

 急に口調が強めになったミールに面食らった感じの3人は、戸惑いながらも精一杯声を出す。



「あと、僕に対しての質問も禁止です。自分がする事、使ったアイテム、能力など全ての事は考えず、ただひたすらに歩いてください。いいですね?」



「はいっ!」

 先程よりも大きな返事をする3人。



「ではまず・・・」

 ミールはマジックポケットを出現させると、縦にかなり長い袋を取り出す。



「え?!それはなんですっ・・・・いえ・・なんでもないです・・すみません」

 早速マジックポケットを見て質問しようとした大きなメイドさんだったが直ぐに黙る。



 本来は長い棒状のような物品を包み込む為の配達クエスト用に使っている袋なのだが、ミールはそれを3等分に切り分ける。



「服は3着ないのでこれをまとってください。あと、各自座って足を自分に向けてください」



 言われた通りに一斉に座り込み足を向ける。

 当然下半身は剥き出しなので丸見え状態なのだが、ミールの真剣な表情を見て、女の子達は恥ずかしがらずに従った。



 ミールはマジックポケットから、厚手の布を取り出し剣で切り分ける。

 それをロープで加工して簡単な巾着のような物を作り出した。



「靴もないのでこれを履いてください。裸足だと痛くて歩けませんから。ちょっと強めに縛りますので我慢してください」

 1人1人の足に布を被せ縛っていく。



「わあっ歩いても痛くない。凄いっ」

 お嬢様はまるで初めて靴を履いたかのように喜んだ。



   ヌッ



 と、唐突に洞窟からデーモンが出てくる。




「ぴぎゃあぁあぁ!!」




 初めて見るデーモンに悲鳴を上げる女の子達。



 しかしその悲鳴と同時にミールは一刀両断、デーモンを精神世界に還していった。

 何事も無かったかのように剣を収めると、地面に埋め込んでいた結界石を取り出す。



「では行きます。必ずこの結界から出ないように。この中にいればモンスターには襲われません。いいですね?」



「は、はいいいいっ!」

 悲鳴に近い返事をする女の子達。



 結構速めの速度で歩き出すミールに、必死に付いていく。



 当然だが、森の深い場所だ。

 地面には木の根っこが至る所に生い茂っており、行き手を阻む。

 女の子達はお互いに手を取り合い、一生懸命付いてくる。



「はあっはあっはあっ」

 女の子達にとってはかなりの重労働だろう。



 今日一日・・・まだ半日ほどだが、ずっと奴隷商に森の中を歩かされて、多数の男に犯され、洞窟に引きずられ犯され、そして今また歩かされている。



 足がパンパンになっているはずだ。



 しかし女の子達は泣き言を言わずに一生懸命歩いている。

 その瞳には必死さと、もっともっと生きたい、助かりたいという願いが感じ取れた。




 「エレクペラーション(回復)」




 ミールはそんな子達の想いを背中で感じながら、そっと呟くように魔法を唱える。

 緑色の光が女の子達を包み込みキラキラと輝いて消えた。



「あれ?!疲れが消えたっ」

「身体が・・・軽いっ」

「す、すごい・・・痛みが無くなった・・」

 女の子達はびっくりしながら自分達の身体の変化を伝え合う。



「これって!・・・なんでもないです・・・」



 またも大きなメイドさんが質問しようとするが、直ぐに口をつぐむ。

 どうやら大きなメイドさんは知りたがりな一面があるようだ。

 ミールは振り返らずに速度を落とすこと無く歩いて行く。



「あの・・・」

 お嬢様と呼ばれている女の子が、遠慮がちにミールに声をかけた。



「なんでしょう?」

 ミールは振り返らずに返答する。



「すみません・・・名前を・・・どうかお名前だけでも教えてくださいませんか?・・」



 ミールはクルッと振り返る。

 お嬢様は一瞬『怒られるっ』っと思って身構えた。



「あはは。そういえば僕の名前を教えてませんでしたねっ。これは失礼しました。僕はミールって言います。黄色ランクの冒険者です」



 ミールの笑顔の返答にほっとするお嬢様。



「ミール様、失礼致しました。お嬢様はステータスを見るという事に慣れておりませんので・・・お嬢様っ。何回も教えたはずですよ?まったくもうっ」

「え?あれって初対面の人にも使えるの?ごめんなさい。勘違いしてたわ・・・」

「全然構いませんよ。では行きますね」



 ミールの笑顔に頬を赤らめてしまうお嬢様。



 不特定多数に犯され、さっきまで男なんて近づくのも見るのも嫌だって思ってた自分なのに、今はこの見ず知らずの男の笑顔にドキッとしてしまうなんて・・・

 恥ずかしさを隠すように足取りに力強さが加わり、グングンと歩みを進めるお嬢様だった。


       続く

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