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8/22

洗礼の日がやってきた!

授業参観から一週間が経ち、洗礼の日がやってきた。



僕はあれから前世含め、今までないほど泣いた。気がついたら眠ってしまったみたいで、起きたら次の日の朝だった。その日はさすがに目が腫れちゃったよ!


父様に「お前は年齢のわりにしっかりしすぎなんだ!もっと周りに甘えなさいっ!」って叱られた。確かに僕は前世の記憶があるから、他の5歳児よりはしっかりしてると思うし、それに関しては特に文句ないんだけど……なんでだろう?後半はもっと自分にかまって欲しい!寂しい!って意味に聞こえたのは僕だけかなぁ?




「ルーク様、教会へ向かう準備が終わりました。旦那様と奥様がお待ちですので、玄関ホールへ向かいましょう。」


「うん!わかった!」


僕は早く準備が終わったから自室で待ってたら、キリクが迎えにきて、一緒に玄関ホールへ向かう。

ちなみに、兄様達は家でお留守番だよ。僕達が帰ってきてからステータスを報告するよ!


「まぁ!ルークちゃん!可愛いわ!」


「うわっ!ち、ちょっと、か、母さ、ま」


玄関ホールへ着くなり、僕に可愛い!と母様が抱きついてくる。でも、わりとぎゅっと押さえつけてくるので結構苦しいよ……


「マ、マリア!ちょっと落ち着け!ルークを締め付けてるぞ!」


「え?あぁ!ルークちゃん!ごめんなさい!大丈夫?」


「は、はい。大丈夫、です。」


「ごめんなさい、ルークちゃん。ルークちゃんがあまりにも可愛くて…。次からは気を付けるわ。」


父様が暴走した母様をとめてくれた。普段なら暴走した両親をイクル兄様が止めるっていうのがほとんどだからなんか新鮮だったよ!



ちょっとしたハプニングがあったものの、僕達は馬車に乗り込み、教会へ向かった。


なんか、教会で洗礼を受けるのは今年は僕だけなんだって!5歳になる子供なら皆洗礼を受けるんだけど貴族と平民は別々に受けるから、それで僕だけになったみたい。父様の領地にも、大きな街の管理をしている下級貴族はいくつかはあるんだけどたまたま僕と同い年の子供がいなかったんだ!


ちなみにどうして貴族と平民で別々なのか聞いたところ、貴族と平民だと文武ともに学習環境が違うためステータスも全然違うらしい。まぁ、確かにきちんと勉強できる環境が整っている貴族の子供とそうじゃない平民の子供だと、違いが出てきてもおかしくないか…。それで平民の子供は自分はダメ子なんだって勘違いしちゃう子もいるから別々なんだって!


「皆様、教会へ到着しました。」


考え事をしていたら案外早くついて、シーマスが迎えに来たので馬車から降りる。

教会は…何て言うか…うん! THE!教会!って感じだよ!


そんなことを考えてたら教会からシスターさんがやってきた。


「ようこそお越しくださいました。ウィルター辺境伯御一家で間違いないでしょうか?」


「ああ。今日はよろしく頼む。」


「よろしくお願いします!」


「こちらこそよろしくお願いします。」


そんなやりとりをした後、教会に僕達は教会の中に入る。教会の中には祭壇?のようなところに1人の神父さんが立っていた。


「ウィルター辺境伯御一家ですね。お待ちしておりました。この子が今日、洗礼を受けるルーク様ですね。」


「はい!ルーク ウィルターです!今日はよろしくお願いします。」


僕はお辞儀をして、自己紹介した。

下げた頭を戻すと、神父さんが驚いたように目を見開いていた。

あ、あれ?僕、何か変なことしちゃったかな?


「え、えと、神父様?僕、何か変なことしましたか?」


思いきって、神父さんに聞いてみた。


「い、いえ。ルーク様は何も悪くありません。ただ、ルーク様の様に自己紹介をするとき頭を下げる貴族の子供を私は見たことがありませんでしたので…。ルーク様はとても、礼儀正しいのですね。」


「えっと…初対面の年上に挨拶をするときは頭を下げるのは当たり前ですよね…?」


あれ?この世界じゃ違うのかな?


「いや、ルークのように自己紹介の時、頭を下げる貴族はほとんどいないな。」


「そうねぇ~。ルークちゃんが珍しいわ~」


「えっ!そうなんですか!?」


そうなのかぁ…元日本人の僕からしたらビックリだよ!


「えっと…話が逸れてしまいましたが…そろそろ洗礼を行ってもよろしいでしょうか?」


「あっ!はい!もちろんです!よろしくお願いします!」


「頑張って!ルークちゃん!」


話が逸れてしまったのを神父さんが戻してくれたので、洗礼を受けることにする。


え~っと、まずは教会にある女神像(リディア様の石像)の前で膝をつく。次に、目の前にある水晶に手を触れてから手を組んで目をとじ、お祈りする。


「女神よ、その全てを見通す能力で我の力をお教えください。」


すると、パァァァと水晶から光が放たれ、目を開けると五年前、僕が今の世界に来ると決めたときのあの場所に僕はいた。






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