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朝の食堂で

朝の支度を終え、食堂に向かった僕は父様達がいる食堂のドアを開けた。ほんとはドアを開けるのは僕の専属使用人であるキリクの仕事なんだけど、貴族の家に生まれたからってなんでもかんでも使用人にしてもらうのは高橋悠真として生きていた僕としては抵抗があるから…頼み込んで譲ってもらったんだ。

 

「父様、母様、イクル兄様、カーズ兄様 おはようございます!」


「「「「おはよう、ルーク」」」」


キリクに椅子に座らせてもらい、家族で話していたら「失礼します。朝食をお持ちしました。」とメイドの声がして、僕達の前に朝食が並べられた。


「よし、揃ったな。では、いただこう」


「「「「はい。」」」」


手を組んで目をつむる。


「「「「「世界の神々に感謝を」」」」」


そう言い、皆で朝食を食べ始めた。これは日本でいうところの「いただきます」なんだよ!

あと、僕は最近知ったんだけど、僕がこの世界に来るかどうかを話したリディア様は創造神様だったらしい。他にも神様はいるんだって!詳しくは知らないけど…


「ルーク、今日は何をするんだ?」


と、父様が僕に問いかける。


「はい、父様。今日は朝食を食べたあと、キリクと一緒にこのテンバーナ王国の歴史を勉強して、昼食後もキリクに礼儀作法を教えてもらいます。」


「まぁ!流石ルークちゃんね!もう王国の歴史を勉強し始めているなんて!」


「ルークは勉強好きだよねぇ。僕も苦にはならないけど、率先してやろうとは思わないよ…」


「勉強楽しいですよ?ねっ!父様!」


「い、いや私は別にイクルと同じで率先してやろうとは思わんな…」


「いや、俺としては苦にしかならねぇのに…何で俺以外の家族は勉強に追いつけるんだ……?」


う~ん…僕としては自分の意見を述べただけなのに相変わらず親バカが炸裂している母様以外は微妙な顔をしている。特にカーズ兄様……


「そ、それで父様!今日の僕の予定がどうかしたんですか?」


このまま勉強の話をしたらカーズ兄様がかわいそうだから僕はどうして父様が僕の予定を気になったのか聞いてみた。


「あ、あぁ それを話し忘れていたな。ルーク、今日の授業を午前中だけ見学してもいいか?」


「え?授業をですか?僕は大丈夫ですが、父様お仕事は大丈夫なんですか?」  


「あぁ、今日は午前中は何もないからな。普段見ることのないお前が授業をしているところが見たいんだ。」


ふふっ父様、顔がデレデレしてる。普段、仕事ばっかりだから授業を覗いてまで子供と一緒にいたいのかな?


「分かりました!好きなだけ見て下さい!」


「なら、見学させてもらおう。」 


「はい!」


今日は父様が授業を見学するからいつもより頑張っちゃうぞー!オー!

 

「ち、父上!父上だけずるいです!僕もルークの授業見学したいです!」


「お、俺も!自分の勉強は嫌だけどルークの授業見学はしたいです!」


「そうですわ!ヴィント様だけずるいですわ!私もルークちゃんの授業見学したいですわ!」


えぇー!皆僕の授業見たいの?皆ちゃんと勉強してたらとっくの昔に習ってる内容だよ?なにも楽しいことないよ?


「ル、ルーク、皆こう言ってるが…お前はどうしたい?」


あっ!父様はとうとう自分の手に負えなくなったからか僕に話を振ってきた。


「え?僕は全然大丈夫ですよ。」


まぁ、僕としては父様が見に来る時点で何人になろうが変わらないからね!


「「「やったぁー!」」」


そ、そんなに喜ぶことかなぁ?


「旦那様、発言の許可をいただいてもよろしいでしょうか?」


「あぁ、許可する。」


ずっと食事中後ろで控えていたシーマスが話しかける。

珍しいなぁ、シーマスが家族団欒の間で話したいなんて。


「ありがとうございます。旦那様、そのルーク様の授業見学に私も参加してもよろしいでしょうか?」


「私は構わんが、ルークはどうだ?」


「全然大丈夫ですよ!」


「だそうだぞ」


「ルーク様、ありがとうございます。」


シーマスはそう言いながら、綺麗なお辞儀をした。

そんなに僕の授業が気になるの?



「旦那様、私にも発言の許可をいただけないでしょうか?」 


「許す」

 

「ありがとうございます。」


あれ?キリクはどうしたんだろう?


「ルーク様、今日の授業ですが…」


えっ!僕!?


「どうしたの?キリク」


「今日の授業をテンバーナ王国の歴史ではなく、算術の授業にしてもよろしいでしょうか?」


「…?いいよ!僕は勉強出来たらなんでもいいから!」


「ありがとうございます。」


僕は勉強できたらなんでもいいけど、どうしていきなり予定変更なんだろう…?



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