転生して5年がたったよ!
僕の名前はルーク!神様達にくじ引きで決められた転生者。神様達には試練なんかも与えないからスローライフ楽しんで!って言われてる。
そんな僕も異世界に来て5年がたった。この5年でこの世界のいろいろなことが分かったよ!
まず、僕の名字はウィルター。ウィルター辺境伯家の三男だよ!この世界では名字がある人が貴族で平民には名字はないんだって。ちなみにウィルター辺境伯領は隣の国のサーヴェ帝国との間にある魔の森に面しているんだ。魔の森は高ランクの魔物がたくさんいて危ないんだって!
あと、この5年の間に変わったことがあるよ!
まず、ウィルター辺境伯家の長男であるイクル兄様が王都にある学園に通って2年がたった。そして今年10歳になるカーズ兄様も今年から学園に通い始める。学園は王都にあるから寮生活なんだ。でも兄様達は夏休みとか大型連休の時と僕の誕生日の時は必ず帰ってきてくれるんだ!
あと…他には……!そうだ!あとはね!5歳になったら教会に行って洗礼を受けてステータスを貰うんだ!こんなに大事なことを伝え忘れるとこだった!けど、まぁラノベとかでよくあるよね。5歳になったら教会に行ってステータス貰うって言う展開…。
僕も今年で5歳になるからちょうど一週間後にステータス貰いに行くんだけど…どうなるだろ?
父様は辺境伯領の領主だからステータスは戦闘に偏ってて、母様は実家が上級貴族である伯爵家でもあるからか貴婦人って感じのステータスだった。
イクル兄様は次期辺境伯だから剣や槍の訓練も受けているし、貴族の領主としての仕事もこなせるように書類仕事も父様のを手伝ったりしているから今のところは文武両方とも学園だとトップクラスだ。だからイクル兄様は全能型のステータスだったな。カーズ兄様はまぁ予想通り文系はギリギリ平均点、武術はイクル兄様と同等という脳筋っぽいところがあるからどちらかといえば戦闘向きだった。
一週間後の洗礼が楽しみだよ!
自分のステータスがどんなふうになるだろうだなんて考えてたら「コンッコンッ」とドアをノックする音がした。
「はい、どうぞ」
「ルーク様、失礼します。」
そう言い、入ってきたのは父様の専属執事であるシーマスの孫であるキリクだ。キリクは半年くらい前から僕の専属使用人になったのだ。
「ルーク様、おはようございます。」
「うん、キリク、おはよう!」
「今日はもう起きていらっしゃったのですね。」
「うん!一週間後の洗礼が楽しみで早くから起きちゃった!」
「そうでございますか。ですがきちんとお休みになられないと体を壊してしまいますから休めるときはきちんとお休みになって下さい。」
「はーい!」
こんなやりとりをしながらキリクに朝の支度を手伝ってもらい、最後に髪をセットしてもらう。鏡に写る自分は前世じゃ考えられないほど整った顔をしている。母様と同じ白銀の髪に、父様と同じ薄紫の瞳は家族との繋がりが感じられてとっても大好きだ。
「ルーク様、髪のセットが終わりました。朝食の準備は整っておりますので、食堂へ向かいましょう。旦那様達がお待ちです。」
「うん!」
そして、僕は両親との繋がりを感じれることを嬉しく思いながら食堂へ足を運んだ。