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また五年が経ちました!

陛下との謁見から五年が経ち、僕達は十歳になった。


あれからすぐに優依の戸籍はウィルター辺境伯家に加えられ僕と優依と父様、母様は領地に戻って過ごした。兄様達は学園があるから王都に残ったよ。優依は父様と母様のことを今も変わらず名前呼びだけど外じゃ「お父様」「お母様」って呼んでるよ!喋り方も外じゃお嬢様口調だよ!イクル兄様も十七歳で来年成人だし、カーズ兄様は十五歳で中等学園の三年生!


陛下達とはあれから会ってないけど文通したりして辺境伯領じゃ得られない情報も交流したりもしている。そこで分かったんだけど年々誤差の範囲内だったけど魔物の数が増えて少しずつ強くなっていってることがわかった。それが分かってからは念のために魔の森との警備を強化したり騎士そのものの強化をして対応したよ。


僕達家族は僕と優依のデビュタントも終わったし来月から初等学園に通うための試験を受けに王都にいる。


「おはよう!ルーク、準備出来た?」


優依が僕の部屋に入ってきた。


「おはよう、優依。準備出来たよ。」


「なら早く来てよ!早くしないと置いてっちゃうよ~!」


「あっ!優依!待って~!」


僕は先に食堂に向けて走っていった優依を追いかける。


「やった~私の勝ち~」


「え~!優依が先に走っていっちゃうからじゃん!」


「普通は女の子にはハンデ着けて勝たせてあげるでしょ。」


「う~ん…普通の女の子だったらそれでいいけど優依は別!」


「えー!ヒドイ!」


そんなやり取りをしながら食堂のドアを開ける。


「「おはようございます!」」


「あら、おはよう。今日も朝から二人とも元気ね!その調子で今日の試験頑張って!」


「「はい!」」


僕と優依は並んで椅子に座る。 


「「「世界の神々に感謝を」」」


「「いただきます!」」


もう僕達はこっちの世界でのいただきますをした後に日本でのいただきますをするのが当たり前になっていた。


「ねぇ、マリアさん。ヴィントさんはどうしたの?」


「僕も気になってました。」


そう、いつもなら朝食を一緒に食べている父様が今日はいなかったんだ。


「ふふっ、大丈夫よ。今日は仕事が多いから先に朝食を食べて仕事に行ったのよ。」


「そうだったんですね。」


「体調悪いなら治してあげようと思ったけど仕事なら問題なしだね!」




朝食を食べ終わり試験を受けるために学園へ行く準備も終わり、学園に向かう。


「ルークちゃん!ユイちゃん!頑張って!」


「頑張りますから「ちゃん」は止めてください!」


「頑張るから「ちゃん」は止めてよ!」


僕達は馬車に揺られながらそう叫んだのだった…



馬車に揺られること十五分…


「ルーク様、ユイ様、到着しました。」


「「ありがとうございます。」」


到着したことを御者の人が教えてくれたのでお礼をいいながら馬車から降りる。


『入学試験を受ける方、こちらへお越し下さい。』


先生達が入学試験を受ける子を誘導している。


「あっちみたいだね!」


「うん!早く行こう!」


僕達が受付に並んでると…


「おい!俺はヴァンタ侯爵の息子だぞ!早く道を開けて会場に入れろ!」


「き、君…悪いけどヴァンタ侯爵っていう侯爵の名前は見つからないんだけど…それに皆順番に並んでるから先に会場に入れることは出来ないよ。」


あれ?ヴァンタ?


「ねぇ、ルーク。ヴァンタってあのときの?」


「うん、多分ね。ちょっと先生に話して来るよ。」


「私も一緒に行くよ。」


あのオッサンの息子であろう子の対応をしていた若い男性の先生の方に駆け寄る。


「あの、先生」


「あっ!ごめんね、君達今ちょっと忙しくて…他の先生のところに行ってくれるかな?」


「いえ、そうではなくて…その子は侯爵令息じゃなく騎士爵の準貴族で会場が違うのでいくら名前を調べても見つからないと思います。」


そう、試験会場は貴族が試験を受ける会場と準貴族、平民が試験を受ける会場の二つに分かれてるんだよ。


「えっ?そうなのかい?」


「違う!俺はヴァンタ侯爵の息子で侯爵令息だ!」


「って言ってるんだけど…どうなってるの…?」


そうなるよね…


「確かに最初はヴァンタ侯爵の息子で侯爵令息だったんですけど…色々あってヴァンタ侯爵家は騎士爵に落とされたので…まだ本人は侯爵令息のつもりなんだと思いますけど実際は騎士爵の令息ですから別会場に連れていって大丈夫ですわ。」


「そうだったんだね…わかったよ。ありがとう!君達!」


「「いえいえ、こちらこそ」」



「列外れちゃったから一回並び直しだねぇ」


「ホントだ。早く最後尾に行こ。」


「待って!貴方達!」


「「はい?どうかしましたか?」」


最後尾に並び直そうとしたら女性の先生に呼び止められた。


「あのね、実はさっきの子ずっとあんな感じで先生達も手を焼いてたからお礼に…はい!」


そういって渡されたのは…


「「いいんですか?」」


「うん!言ったでしょ!お礼って!また最後尾に並び直すのも大変でしょ?」


受験番号が書かれた紙だった。


「「分かりました。ありがとうございます!」」


「あっ!名前だけ聞いてもいいかな?」


「僕はルーク ウィルターです。」


「私はユイ ウィルターですわ。」


「うん、ルーク君にユイちゃんね。オッケー!じゃあ試験会場はあっちだよ!頑張ってね!」


「「はい!」」



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