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ルークとユイちゃんは謎 ※イクル(兄)視点

今日はルークの洗礼の日。

ルークはどんなステータスを貰うのだろう?上手くできるだろうか?もし、ルークのステータスがルークは可愛いからそんなことはないだろうけど微妙でルークが落ち込んでしまったらどうしよう?などと考えていると自分が洗礼を受けた時より緊張してきたよ。


ルークが教会に行ってずいぶんと時間が経ったけどなかなか帰って来ない。もしかしたら本当に何かあったのだろうかと心配になり、ソワソワしてきた。


僕はもしルークに何かあっても、なくても、笑顔でルークが帰ってきたら迎えるべく、玄関ホールに向かう。すると、玄関ホールに着くまでにカーズと会った。


「カーズ?どうかしたのかい?」


「!兄上!ルークの帰りが遅いので心配になり、玄関ホールで待とうと思って…兄上こそどうしたんですか?」


「僕もカーズと同じだよ。」


そうして、僕とカーズは一緒に玄関ホールでルークを待つことになった。


「遅いね…」


「ですね…」


玄関ホールで待っていてもなかなか帰って来ず、僕とカーズの不安も最高峰に高まったころ…


「兄様!ただいま戻りました!」


やっと帰ってきた!


「お帰り、ルーク」


「やっと帰ってきたか。遅かったから心配してたんだぞ。」


「ごめんなさ~い。」


心配してたと言うカーズの言葉を聞き、ルークはごめんなさいと謝罪した。でも、なんていうか…心から謝罪してるけどその言葉はどこか明るく、楽しげだった。もしかしたら、ルークの側にいる見慣れない女の子とルークが抱っこしている白い毛をしている子狼関連だろうか?なんだか、父上達も無理して笑って…現実逃避している気がする。


………そういえば、神獣であるフェンリルは白い毛をした狼だったような…?


「それで、ルーク。そこの可愛い女の子とその子狼は父上達が現実逃避している原因かな?」


見ているだけでは埒が明かないので直接聞いてみることにした。


「はい!そうです!」


と、元気に返事をするルーク。……可愛い!


「それは、自信満々で言うことじゃねぇよ…」


うん。カーズが思ったことは僕もおもったけど…いいじゃん、可愛いんだから。


「エヘヘ♪ヴィントさんとマリアさんが現実逃避している原因の一つの優依です!イクルさん、カーズさん、よろしくお願いします!あと、このフェンリルはまだ名前がないので今から決めるつもりです!」


やっぱりフェンリルだったのか!けど、どうして神獣であるフェンリル様がルークの腕に?


「そ、そうなんだ。よろしくね、ユイちゃん。そして、フェンリル様、神獣である貴方様にお会いできるなんて光栄です。」


「よろしくな!ユイ!フェンリル様、お会いできて嬉しいです。」


カーズもフェンリル様にきちんとご挨拶できるか心配だったけどとりあえず、最低限のことは出来てよかった…


『うん!よろしくね!あと、ボクに敬語はいらないよ!』


そ、そんな…神獣であるフェンリル様にタメ口なんて…でもフェンリル様が望んでいらっしゃるんだ!頑張らないと!




本来の予定なら今からルークのステータスのお披露目をするんだけど…父上達が現実を受け止めるまで時間が欲しいと言うので夕食の時にお披露目になった。


「イクル、カーズ、ちょっと執務室に来てくれ。」


「「はい、分かりました。」」


そして、父上の執務室で事の経緯を聞いた。


要約すると…普通にルークが教会でお祈りしたら女神像の前に大量のプレゼントの箱があり、お祈りしたルークなら何か分かるかも知れないとルークに聞いたところルークは何かを思い出したようにそのプレゼントの箱のところまで行き、開け始めたらしい。そして、そのプレゼントの一つであろうマジックバックに他のプレゼントを収納していったということだ。ちなみに間で聖剣がどうとかっていう声も聞こえたとか…。そして、ルークが最後に残ったルークと同じくらいの大きさの箱を開けようとしたらユイちゃんとフェンリル様が出てきたらしい。


……もう、意味が分かんないよ…。


そして、もう一つ気になることが…どうやら最初、ユイちゃんはルークのことを「ユウマ」と呼んでいたらしい。それはルークがルークって呼んで!って言ったら直ったらしいけど…本当にあの二人は謎だ。




そんなことを話しているともう夕食の時間になった。ルークが帰ってから夕食まで五時間くらいあったはずなんだけど…ずいぶんと時間の流れが早い気がした。


さぁ、ここで一つ問題が発生した。それは、「誰がルークとユイちゃんを呼びに行くか」だ。これは、本来であればルークの専属使用人のキリクの仕事だが今、キリクは父上の専属執事であり、自らの祖父であるシーマスの手伝いをしており、この場にいない。


絶対に行く!なんとしてでもルーク達を迎えに行くのだ!


家族で話し合っても誰も退かないため、公平にくじ引きで決めることにした。


そして引かれたのは…僕の名前が書いてある紙だった。


「やった!父上、母上ルーク達を迎えに行ってきます。先に食堂でお待ちください。」


「くっ!負けたか…次は勝つ!では、イクル食堂で待っているぞ」


「はい!」


僕は軽い足取りでルークの部屋に行きノックした。


「ルーク、ユイちゃん。夕食の用意ができたよ。」


「…………」


…あれ?返事がない?昼寝しているのだろうか?と考えていると


バンッ!


という音がした。僕は慌ててルークの部屋に入る。


そしたらどういうことだろうか?ルークとユイちゃんが緑色っぽいなにかの上に正座して向かい合っている。その間には何枚かのカードがある。あれはカードを取り合ってるのだろうか?ルークの側にある箱のような物から人の声がするとその声を聞いてすぐに一枚のカードに二人の手がのび、ユイちゃんの近くにあるカードがバンッという音とともに少し弾かれた。どちらが弾いたのかは分からないが……すごい…箱から出ている声とほぼ同時に二人の手がのびた。そしてルークが嬉しそうに微笑みながら左手をあげ、自分の近くにあったカードを一枚、ユイちゃんに渡した。ユイちゃんはそのカードを受け取り真ん中に近いがユイちゃん寄りの左側に置いた。気が付けば弾かれたカードはルークの左側にあったカードを何枚か重ねているところに重ねてられていた。多分、さっき弾かれたカードはルークがとったのだろう。


そうやって僕は二人の試合を少し眺めていた。ルークが一回カードを取ってからはずっとユイちゃんがカードを取っているのだろう。ユイちゃんの左側にあるカードの山にさらにカードが増えている。

頑張れ!ルーク!


僕は二人の試合を邪魔することなどできず、心の中で押されているルークを応援しているとルークが二枚連続でカードを取った!すごい!ルーク!そんな風に受かれていたら…


ヒュッ!


と僕の頬のスレスレをカードが飛んできて、壁に刺さった。


「うわぁ!な、何これ!ここまで飛んできた!?」


すごいビックリしたぁ…あのカードってここまで飛んでくるの?しかも壁に刺さったよ?どうやらユイちゃんが勢いをつけすぎたらしい。ルーク曰く、ルークが取った二枚のカードはユイちゃんが苦手なカードらしくて反応が遅れたからルークが取れたらしい。僕からしたら全部同じように反応しているように見えたけど…違うらしい。


『苦手とはいえ僕にかるたで負ける札があるのは悔しいらしくて…自分の苦手な札が二枚連続で読まれて不満が溜まっていたところで優依の得意札が読まれたのでチカラが入っちゃったみたいです…』


と、苦笑いするルークも可愛かったよ。

僕はルールも分からないけど…二人が楽しんでるならそれでいいよ。



それから食堂でも二人は謎の会話をして元気よく、「「いただきます!」」って言って夕食を食べ始めたよ。……うん、ご飯を食べるルークも可愛い。

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