気がついたら、カエルとヘビだったダ●ンタ●ン
俺たち二人は親友だった
そしてそれは永久に続くと思ってた、、、
「アレっ!俺いつの間にかカエルになってるやん」
ハマダはビックリしながらも、カエルになった自分の身体を短い手足で触りながら確認してた
さらに気がつくと
近くには、カエルなど一飲みに出来そうな長く大きな口に、これまた長い真っ赤な舌を出した、身体大きめのヘビがいた
カエルになったハマダはビビリながらも、そのは自分を食べ無いだろうとの妙な確信があった
何故ならそのはマツモトの変化した姿だったからだ
「マ、マツモト〜、お前マツモトだよな?(震え声)」
カエルになったハマダは、微かな望みを託してに話し掛けた
丁度、ヘビに変化したらしいマツモトも
さっきのカエルに変化して戸惑ってるハマダ同様に、今起きている事態が飲み込め無くて焦っていた
「は、ハマダ?〜、お前ハマダか?〜」
のマツモトも不安げに、カエルのハマダに声を掛けた
本来なら声など出せるはずも無いのに、何故か二人、というか2匹のカエルとヘビは会話していた
「マツモト〜、俺らどうなってるんだ?(震え声)」
ハマダは普段はコンビでも割と平気で相方の頭を叩いてるが、基本的にビビリであった
「何か分かんないけど、これ現実か?確かに夕べ飲んでて冗談言ってたのがホントになっちゃたのか?」
二人は記憶を辿っていた
確かに夕べの飲み会で、もし二人がカエルとヘビに転生したら?
何て中2病なろう症候群みたいな馬鹿は会話をしていたからだ
「ど、どうするハマダ?、俺らこんななになっちゃたら、元に戻れるのか?
」
「分かんないけど、と、とにかく、れ、冷静になれ!」
自身を落ち着かせるように、ハマダも内心動揺を隠しきれないながらも、冷静さを装った、普段の処世術がここでも顔を出す
弱みを見せたら負けなのだ
「多分これは夢の中だ、焦ったら負けだぞ、マツモト!〜」
ハマダは、まだ自身がヘビになって慌ててるマツモトに、諭すように話し掛けた
例え夢の中でも、カエルとでは全然立場が違う
ヘビのマツモトが正気を失ったら、一咬みでカエルの自分は絶命するだろう
否、一思いに絶命出来なければ、あの尖い牙で身体を切り裂かれ、ジワジワとモガキ苦しみながら喰われて死んで行く自分の姿を思い浮かべ恐怖した
ハマダは回想してた、昔ガキの頃捕まえたカエルをトグロを巻いたヘビのアオダイショウの前に置いた事を
一瞬でカエルを頭から飲み込んだアオダイショウは腹を膨らましながら河原の草むらへと逃げて行った記憶が蘇る
ハマダは出来るだけ冷静にマツモトに話し掛けた
「マツモト〜、俺らは親友だよな?、神様はきっとイタズラして俺たちをこんな姿にしたんだ、とりあえず俺は家に帰って女房らに伝える、お前も家に帰れよ!」
ハマダは何とかこの場から早く逃れたかった、いつもの小賢しい知恵だ
生き残りの難しい世界で生き抜いてこれた処世術とも言える
マツモトの変化とは言え、ヘビとカエルでは、どう考えても分が悪い
言うが早く、ハマダは高くジャンプして、一瞬で元いた場所から離脱した
はずだった、、、
は素早く動くモノに反応する
恐らく本能的な行動だったろう
跳んで逃げようとするカエルを後ろからガッツリ咬み付いていた
「マツモト〜!」
ハマダは渾身のチカラの限り叫んだ
「あれっ、ハマダ君どこ行ったの?」
ヘビのマツモトは突然消えたハマダの姿を見失ったが
好物のカエルをゲットするのに成功していた
「マツモト〜!」
ハマダは最後の声を振り絞ったが激しい痛みに、次第に意識が遠退いて行く
「ハマダく〜ん」
声はすれど姿が見えなくなったハマダに声を掛けてみた
昔から逃げ足が速かったハマダはきっと走って家に帰ったのだろうと
マツモトは丸呑みのカエルを胃袋の方へ押し込みながら
「ハマダく〜ん、また明日も遊ぼうな〜」
仲良くお別れをした
ヘビのマツモトはさらにゴクリと丸呑みしたカエルを腹に収めながら、シュルシュルと器用に身体をくねらせて草むらへと姿を隠して行った




