訳有りな妻と愛娘の話 ④
継ぎ接ぎだらけの展開だが
時系列バラバラで進めさせていただきます
生前、妻はテニスが上手く、そして強かった
私と同級生の姉とは2学年違うが
テニスに関しては、恐らく互角か、それ以上だと思う
姉の玲香は、テニスはオールラウンダーだが、サーフェイスが土の場合《テニス4大タイトルの一つ、フランスの大会は土のサーフェイス》、スピードが殺される為
やはりベースライナーには分が悪い
特に妻は、エンドラインからの打ち合いで負ける事はまず無かった
往年のクリス・エバートやトレースティ・オースチンを思わせるような、堅実で無駄の無い美しいフォームから繰り出される正確なストロークは
観客をして思わず応援したくなるような魅力があった
右利きの為、左のダブルバックハンドスタイルは、観る者をうっとりさせる程、感動的な機能美だった
あたかも、新体操やバレエダンスを彷彿させるスタイルは、出来る事ならずっと観ていたくなる雰囲気があった
だからベースラインでの打ち合いは滅法強かった
妻は、乙女座生まれの血液型Aのせいか
全てにおいて、きっちりとまとまった、悪く言えばカッチカチの融通の利かない性格だったと記憶している
普段は自己主張をほとんどしない妻
欧州系白人とのハーフながら
大和撫子を地で行くタイプの妻
だが、テニスにおいては
あたかも、あらゆる仕掛けを張り巡らせる狩人の如く、対戦者にとって最も相手にしたく無いタイプだったと思う
実際、私とテニスをした時は
かなり素人然の私のレベルに合わせ
正確なからも同じポジションに
いくつもの回転の種類のボールを繰り出して来て
少しずつレベルアップ出来るような練習を実践してくれた
それはゴルフとはまた違う、相手に合わせるやり方だったと思う
若い学生時代に一時テニスに嵌った
セイコースーパーテニスとか
実際に観戦しに行った記憶が




