48/50
「ユーリー・ミラーの実験」
鏡に写った有理数を見たんだ
嗚呼 数字は確かに「存在」していたよ
存在しない数なんてこの世にありはしないと
この目で確かに見たんだ
これが正しかったことを説明するための
壮大な実証実験を準備しているよ
使う成分は水、メタン、アンモニア、水素
この放電は落雷を催している
一定量の水をフラスコに残しておいて
昼の雪原にばら撒くんだ
オタサーの王女もびっくりするかもだけど
これで実験の全てが整うんだ
鏡に写った有理数を見たんだ
嗚呼 数字は確かに「存在」していたよ
その後ろでは無理数も密かに微笑んでいたのだよ
この目で確かに見たんだ
これが正しかったことを説明するための
壮大な実証実験を準備しているよ
協力してくれるのはシカゴ大学の大学院生
回路図ビデオの作成も依頼した
一週間この実験を維持し続けて
溶液を排水路に流し込むんだ
数種のアミノ酸とアデニンとかが出来たから
これで事実の証明がなされたんだ
それでも有理数は僕の元には来てくれない
実数、整数、自然数、複素数
みんなすぐ近くには現れているのに
僕のそばには一度も来てくれない
僕のこと見ていれくれているのかな
僕はこんなにも、レポートもたくさん書いたから
みんなから認められるべきだよね




