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「四限目の予言」
気の触れた預言者は
四限目から予言を垂れ流す
誰も得もしない未来予知で
教室の空気を凍りつかせた
知恵遅れな預言者は
余弦定理がとても苦手
三角形に興味を持てない性
先生の心を凍りつかせた
いろんなものを凍らせて
一体何をしたいんだい?
傷跡を残しまくるだけで
満足した気でいるのかい?
その預言者は死神にでも取り憑かれているかのようだった
死期の近さに頭をおかしくしたように見えた
あるいは預言者は栄光の幻に寄り縋っているかのようだった
かつての人気者の亡霊の仕業だとも思えた




