第16話 エミリーの適正。
エミリーと出会って数日が経った頃、僕ら4人はエミリーと最初に出会った山の場所にいた。
今は昼を過ぎた頃、たまに吹く風が心地いい。雲ひとつなく非常にいい天気だ。
気分はというと……、天気の通り晴天ならば良かったのだが……。
それは出会った夜、そう数日前の宿舎に戻った時の話になる。
・・・
「ところでよ。エミリーは何が出来るんだ?冒険者に登録する前に色々聞きたいんだが」
僕は、宿舎で尻尾の毛づくろいをしているエミリーに聞いた。
「そうですね。基本的にお茶くみやメイドとかやってました」
「え!!メイド!!マジマジ!!」
ミキエルがテンションが上がった様子でこっちを見ている。
「人間と調和を図ろうとして貴族の方に相談するのですが、この姿だとなぜか大抵、メイドさんの格好をさせられるのです。
メイド服の胸の部分をだしていると大抵、貴族の男性の方がジロジロとみてくるのです」
その貴族の方の気持ちがわかる気がする。
あの特盛おっぱいに、あのスタイル。そして、あの美貌。どれを取っても近くに置いておきたい部類の人だろう。
まぁドラゴンなのだが。
「それじゃ私のお茶くみ係に任命します。それにメイド服も今度着てみてよ」
ミキエルがテンションを上げながらエミリーに言った。
「それは構いませんよ。慣れてますので。メイド服はサイズの方があれば」
「やったーーーー!!」
ミキエルは羽根をだして部屋の中でパタパタと浮いている。見るからに喜んでいるようだ。
「いーな。お茶くみ係。私もお願いします」
「はい。構いませんよ。リリィさん。それでは美味しい茶葉を取って来ないと」
……。なんちゅう天使だ。ここにいるジャージ姿の堕天使とは大違いだ。うん。貴族の方はエミリーのセンスを感じ取っていたのだな。
僕はエミリーを見て、うんうんと頷いた。そして、ミキエルを見てため息を吐いた。
「何よ。私は天使よ。崇めなさい。祈りなさい」
ミキエルの堕天使っぷりにはぐうの音も出ない。全く。
僕はそろそろ本題にと思い、話を切り替えた。
「それでよ。次回みんなが空いている時に、人間姿のエミリーの実力をみようと思う」
「突如、ドラゴンの姿になったら色々とマズイことになりそうだしな」
僕は3人に提案すると3人は縦に首を振った。
「そうだね。ドラゴンってことバレて私のお茶くみ係が居なくなるのも嫌だしね」
「仕方ない。私の邪神の力見せる時が来たようです。エミリーはドラゴン。魔法銃の使い方を教えるのでマスターするのです」
「皆さん。ありがとうございます。私頑張りましゅ……」
「「「あ、噛んだ」」」
エミリーは顔を真っ赤にしている。
「もう、いじめないでください。ぷんぷん」
・・・
ということで今、エミリーと初めて出会った所で実力を見ているのだが……。
「ウインドカッター」
リリィがエミリーに教えた初級魔法だ。さすがはドラゴン。見ただけで使えるようになっている。
『シュシュシュ』
風が舞い、周辺にあった葉っぱが切り刻まれる。
するといきなり『ボン!』と大きい音がした。その瞬間にエミリーはドラゴンの姿に戻っていた。




