トラブル勃発
トライアルLOVE4話目です
俺は朝が苦手だ。眠くて眠くて仕方がない。永遠に朝が来なければいいと思うくらいだ。そんなわけで、今日もとても眠い。
「っあ〜。クソ眠い…」
「利央。口の利き方が悪い」
「はい…」
利菜と利真は割と得意なようで、特に眠そうにはしていない。羨ましい……。けど…
「どうしたんだ利真?元気ねぇな?」
「っえ⁉︎そっ…そんなことないよっ⁉︎」
確実に、利真の様子がおかしい。
何かあったのだろうか?
「悩み事があるなら相談にのるわよ?」
「…悩み事っていうか、その….。えっとね、わたし…、好きな人が、いるんの」
好きな人……。それって….
「和文くん、なんだけど。それで、告白しようと思って……」
….はい?和文?誰??
え?利真の好きな人って、利菜か俺じゃないの???
「…そう。いいんじゃない?頑張ってきなさいよ」
「….うん!」
利菜は笑顔でそう言った。けど、その笑顔はみごとに引きつっている。
…‥そうだ。もっとはやくに気づくべきだった。利真の好きな人は、利菜か俺の2人だとは限らないってことに。
「…‥付き合ってもらえると、いいな」
「…うん」
思ってもないことを利真へと言う。
胸が苦しい。息が上手くできない。
泣きそう、だ。
とんっ
背中を軽く叩かれた。…利菜に。
そしてーーー
「な、く、な」
口パクでそう言われた。
そう言った利菜の笑顔はとてもかっこよくて、綺麗で、素敵だった。
「…‥あぁ」
俺なんかより、よっぽど男前じゃねぇかよ。
「先に帰ってて!」
と利真に言われたから、俺と利菜の2人で帰ることになった。
「上手くいくのかしら?」
「さぁなぁ」
「上手くいってほしい?」
「まぁ、うん。幸せになってほしいからな」
「そう」
それきり、お互い無言になる。
何を話せばいいのかわからない。話題がほしい…。
その後も結局話題が見つからず、そのままいつもの公園に着いてしまった。いつもならここで別れるのだが、今日は違った。
「…‥お母さん?」
「母さん???」
利菜と俺の母さんが、公園にいた。
「何してんだ?」
「2人に大切な話があるの」
「大切な話?」
「えぇ。……あんたたちね、今日から婚約者よ」
「…は?」
婚約者?俺と利菜が?どんな冗談だよwないない。ありえない。
「…利真ちゃん、告白したんでしょ?」
「どうしてそれをっ…」
「ちょっと情報網をねwそんなことより。昔、私たち約束したの。男の子と女の子が生まれたら、結婚させようって。でも生まれた人数は奇数でしょ?だから、売れ残った方と利央を結婚させることにしたの。わかった?」
「はっ?わかるわけねぇよ!おかしいだろ⁉︎なんで親に結婚相手を決められないといけないんだよ‼︎⁉︎」
「親に口答えしないの!それに、もうこれは決定事項だから諦めなさい‼︎」
「っ‼︎⁉︎」
決定事項って…。でもおかしいだろ!
「利央…。どうするの」
「どうって…‥」
ただただ途方にくれるしかない…。
「何よ?利菜じゃ不満?」
「そういうわけじゃ…」
「ならいいじゃない」
「でも、結婚て…。まだ付き合ったことすらないのに…」
「もちろん今すぐ結婚させるわけじゃないわよwだから、今日から付き合ってみたら?」
「……」
そんな……簡単に……。
と、俺がどうしたらいいのかわからずに呆然突っ立っていたら…
「わかったわ。利央と付き合う」
利奈がそう言いぎゅっと俺の手を握ってきた。
「え!?利奈!?」
「そのかわり、やっぱり無理だなって私たちが思ったらその時点で交際も、結婚するっていう約束も無していいわよね?」
「……そう、ね。それでいいわよ」
おぉ!ナイス利奈!
「……じゃあ、よろしく利央」
「あ、あぁ」
それじゃあ、と親同士が別れをつげ帰路についたのを確認し俺らも帰ろうかと言って踵をかえそうとした瞬間、利奈がそっと「後で何か作戦を練ろう」と耳打ちしてきた。それに「了解」とだけ言って俺はその場を去った。
お久しぶりです、くまにゃんこです。
少し文章を訂正しました。
あと、新しい話を書こうと思うので更新がしばらく遅れそうです。