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また説明回です。ごめんなさいT^T

起きたら、テントの中のあったかい寝袋に一人で寝ていた。

あの笛を吹こうとしたら、前の持ち主っぽい金髪碧眼超美少女の記憶が猛烈な勢いで頭の中に入ってきて、その衝撃で意識を失ったみたいです。

前の持ち主さんは、天使みたいな少女でイケメンにモテまくっていた。

いや、そんなのどうでもいいよね。

彼女の記憶から笛の吹き方は完全に引き継いだ。実際に吹けるかどうかはやってみないと分からないけど、多分吹けるだろう。

彼女の記憶は、さっきまですごくはっきり一生分あったのに、起きてからだんだん薄れてきて思い出そうとしても茶髪のイケメンに壁ドンされるところとか、銀の長髪イケメンにお姫様抱っこされるとことか、衝撃的だけどどうでも良さげな事ばかり思い出される。

そういう系と笛の吹き方以外で唯一はっきり思い出せるのが、てっぺんが見えないほど大きな木の前で笛を吹く様子だ。


起きてからぼーっとしてたけど、エドワードさんは!?

てかこのテント、一人用だよね!?もしかして占領しちゃった!?

とにかく外出よう!

私はバタバタと外に出ると、エドワードさんはなんか赤くてグロいものを食べてた。

「エドワードさん、おはようございます。それ、なんですか?」

テント占領しちゃった事とかモテモテ美少女とか笛の吹き方とか色々考えてたけど全部吹っ飛んじゃった。

「これは鹿の肝臓だ。」

あ、レバーっすか。

生レバーってヤバくない?寄生虫とか。

私がボケっとしてると、エドワードさんは串に刺した赤グロいものを皿に置いて言った。

「昨日血を流しすぎたからな。これは血が足りない時に効果的なのだ。」

あ、鉄分ですか。

でも、昨日血出てなかったよね?

「私が見た時は血止まってましたけど?」

「あぁ、私はオートヒールが使えるからな。血はすぐに止められるんだ。」

オートヒールとかすごくチート臭いです。血を止めちゃったら傷口引っ付かなくなっちゃうんじゃないの?

「でも傷開いてましたよ?」

「オートヒールは便利だが、治癒速度は遅いのだ。開いているように見えただろうがじわじわ治ってたはずだ。」

「そーなんですか。」

なんか微妙に聞きたかったことと違うけど、そーなんだ。

魔法は便利だけど効果の程度は予測しずらいな。血も増えなさそうだし。

ちゃんと効果範囲を理解しておかないと、痛い目をみるかもな。

「あ、テント占領しちゃってごめんなさい!ありがとうございました!」

まずいまずい、話が変な方向にいってたぞ。

「大丈夫だ。気分はどうだ?」

レバー食べながら聞いてくるエドワードさん。

「元気いっぱいです!ありがとうございます!」

心配してくれるなんて、嬉しすぎる。

思わず両手を上げて元気いっぱいポーズをしてしまう。

「そーか、それは良かった。」

そう言ってレバーを食べ切ると、私の方に向き直ってちょっと真剣な顔でエドワードさんは言った。

「あの笛だが、私は吹こうとしても拒まれて吹けなかったんだ。これでも魔術には詳しい方だから呪いの類はないと確信したのだか、君を気絶させるような事態になってしまい、申し訳ない。」

エドワードさんは頭を下げたので私は慌てて言った。

「や、大丈夫です!前の持ち主っぽい人の記憶が流れ込んできただけですから!むしろ、一人の時にうかつに吹いて気絶してたら本当に危なかったと思うんで、良かったと思います!ほんと、エドワードさんがいて良かったです!」

ぎゃー、流れ込んできた記憶については話して大丈夫か探りながら言おうと思ってたのに、何ぺろっと言っちゃってんの!学習しろよ。

エドワードさんは 私が焦っているのを見てちょっと笑った。

そして、真面目な顔になって言った。

「やはり継承系の道具か。」

「なんか分かるんですか?」

「夜中考えていたんだが、召喚は必ず目的をもって行われる。継承系の道具は、先代の持ち主が認めた者しか使えないが、後継者を指定せずに持ち主が亡くなることがある。そのため、道具を使わせるために召喚術で後継者を探すことが稀にある。

私が知っているのは、槍術の名門であるクロージャー家で、代々伝わる獄炎槍の使い手となる男児が生まれなかった時に召喚術を行って養子をとったという話だ。だが、それもこの世界内の召喚で、異世界からというのは聞かないな。そもそも、召喚した者は召喚陣の中に現れるのであって他の場所に出てしまうというのは聞いたことがない。」

そう言うとエドワードさんは考え込むように黙った。

でも、ちょっと分かったな。

誰かがこの凄そうな笛を使わせるために私を呼んだ。

でも何らかの事情で予定外の場所に召喚された。

笛で何をさせるかははっきりしないけど、前の持ち主の記憶の感じだと大きな木が関係してるんだろうな。

「さっき、先代の持ち主の記憶といってきたが、詳しく教えてくれるか?」

エドワードさんがこちらを見る。

結構真剣な眼差しだ。

聞いてもらって、手助けして欲しいけど、そもそも信用していいのかな。

でも、殺す気ならとっととやってるよね。大丈夫よね?

「話したいんですけど、言ってもいいものか悩んでます。」

とりあえずワンクッションおこう。

落ち着く作戦よ。

「確かに、君からしたら信用ならないだろう。しかし、私は命の恩人の力になりたいのだ。」

そう言ってつっ立ってる私のそばに来て、私の手を包むように握った。

近いっ。

エドワードさんは190㎝近くあるみたいで、155㎝くらいの私を見下ろす形になっている。見下ろしているが、その視線は優しげだ。

これはすごい攻撃。

「そっ、そうですか」

私は恥ずかしくなって俯いて言った。

そーだ、私命の恩人だった!

エドワードさんが私に優しくする理由も見つかったし、多分エドワードさんいなかったらもって一週間くらいで死んでたし、もう腹をくくって信頼しよう。

私誤魔化すのめちゃくちゃ下手みたいだし。

「あんまりしっかり覚えてないんですけど、聞いてください。」

やっぱりエドワードさんの顔は見れないまま言いながら離れて、昨日座ってた手頃な石に腰掛けた。

イケメンに迫られてみたい!ってめっちゃ思ってたけど、実際やられると心臓もたないね。

エドワードさんは素晴らしい人です。

早く主人公を最高の笛使いにして、周りの人を助けまくりたいです。

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