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野営

説明回ですm(_ _)m

エドワードさんはあまり疲労を感じさせない様子で動き、野営の準備を行った。

私はテントを張ったり、下草を押しつぶしてならしたりした。

エドワードさんは魔法で火をおこしていた。火種を持ち歩かなくていいから便利だな。

手頃な石に腰掛けて二人で火にあたりながらよく分からないお肉の入ったスープを飲んだ。パンは乾燥してて、ラスクみたいだけど甘くなかった。

味付けは塩だけで割と臭みがある。

「で、カノンはどこから来たんだ?」

エドワードさんがスープを飲みながら聞いてきた。

「えっと、日本っていう国からですね。エドワードさんは私の世界ではヨーロッパって地方の容姿ですけど、この世界には私みたいなのっぺりした顔の人っていないんですか?」

いなかったら目立つし、ヨーロッパ的美意識からいうと美しくないからやだなーと思いながら聞いた。

「のっぺり…まあ、珍しいな。あまり見たことはない。ニホンは、聞いたことがないな。」

やっぱ珍しいんだ。

「そうですか…。この世界のことを教えてください。えっと、地理的なこととか。」

「うん、ここは『境の大山脈』という。」

エドワードさんはそう言いながらお玉のようなものの柄の部分で地面に絵を描いてくれた。

「境の大山脈は、名の通り魔族と人族の住処を分けている。南を魔族が、北を人族が支配している。で、ここは境の大山脈の中でも西のケール山の中腹辺りだ。」

魔族!!

地面に書いてくれた地図の様子は南北アメリカ大陸っぽい。

大体北アメリカが人族で、南アメリカが魔族って感じかな。

「魔族って、どんな人たちなんですか?」

「ふむ、魔族は我々と似ているが、身体能力が高く魔力も強いと聞く。この山脈に隔てられていて、あまり交流がないため詳しくは分からないがな。魔族の統べる地はかなり暑いらしい。あと、200年ほど前に人族が攻め込んで大敗した事から交流を断絶されて、詳しいことはあまり分かからないんだ。」

へー、魔族って強いんだ。

「負けたのに、魔族に支配されて無いんですね。」

エドワードさんは苦笑して答えてくれた。

「どうやら魔族は不干渉主義で、できれば関わり合いたくないと思っているらしい。だから不可侵条約を結んでいる。まぁ、表向きには悪逆非道の魔族討伐を行い、見事不可侵条約を勝ち取ったということになっている。実際のところは、魔族の土地を欲しがった人族が返り討ちにあって通商も断られたということだな。」

エドワードさん、そんなぶっちゃけていいの?

「へー、じゃあ魔族っていい人たちなんですね。」

小学生みたいな感想だな。

「人族とは価値観が違うのだ。クリーン。」

エドワードさんがそう言うと、土で汚れた柄が綺麗になり、エドワードさんはそのお玉的なものでスープをかき混ぜた。

「エドワードさんはなんでここにいるんですか?」

なんて基本的な質問をしてなかったんだろうと思いながら、私はきいた。

「私は冒険者だ。ケール山の頂上付近には飛竜がいる。飛竜の卵をとる為に巣に入ったのだが、激昂した母飛竜に見つかって攻撃を受け、川に落ちたとこをカノンに助けられたんだ。」

チラッとこちらを見て、エドワードさんは笑った。

ときめく…

「飛竜の卵!それって、そういう依頼があるんですか?」

ときめいて頬が赤くなったのは、あたかも飛竜の卵に興奮したからですよってごまかしたけど。きっとそんな必要ないよね。

「そうだな。まあ、ギルドを通していないから失敗しても私への信頼が下がるだけでペナルティーはない。」

ギルドもあるのね。

「そうなんですか…。あっ、忘れてましたけど、私こっちに来た時笛持ってました!」

忘れてた!私は勢いよく立ち上がり、スカート&ストッキングに挟んでた笛を取り出した。だってスカートだけに挟んでると下にストンと落ちそうじゃない?

タラララッタラ〜と、青い猫型ロボットみたいに笛を取り出した私をエドワードさんは驚いた様子で見て、笛を見ると少し訝しげな顔になった。

「カノン、それ見せてもらっていいかな?」

柔らかさの消えたエドワードさんを見て、私はこれ見せて良かったのかな、まずかったかな、なんで考えなしに行動するかなーって後悔した。

「どぞ。」

ちょっとしゅんとしてエドワードさんに笛を差し出すと、エドワードさんは火にかざしながらよくよく調べた。そして、吹こうとして口を近づけたが、吹く前に止めて私に返して言った。

「吹いてみてくれないか?」

えっ、さっき口つけてませんよね?

割と口元近くまで持っていってましたけど。

まーそんな事は重要じゃないのだ。

「あ、はい」

そして笛を吹こうとしてーーーー私は気絶した。

読んでいただきありがとうございます。

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