第04話
次の日、科別に別れて教室に向かう。
初等部一年は戦士科A、B、魔術科A、B、魔具科の五クラスに別れる。戦士科は一クラス四十人で、魔術科が五十人、魔具科が二十人だった。
ユリウスとローレンは戦士科A、フィアナは魔術科Aである。
魔具科の教室に着いた私は、仲が良かった人が一人も居ない為、ちょっと憂鬱になっている。まあ、あの三人以外に仲が良い人なんてそんなに居ないわけだが。
一人でそんな事を考えていると、私の他にも一人でいる人が居た。
ぼっち同士仲良くなれないかなぁ、なんて失礼な事を考えつつ、話しかけて見る事にした。
「おはよう、私はシェラハ、これからよろしくね」
その子はちょっと驚いていたが、直ぐに挨拶を返してくれた。
「…おはよう、あたしはノエル。よろしく」
ノエルは小さくて、茶色の長くて多分天然パーマの髪に焦げ茶の瞳の可愛い娘だった。多分ドワーフだろう。
私とノエルはそれから先生が来るまで、少しの間話していた。
「えー、私がこのクラスの担任のドルフだ。専門は鍛冶と木工だが生産関係は全て私が担当する。魔具科の一年では鍛冶、木工、細工、裁縫、調合等の生産の基礎と魔術、魔法陣の基礎と古代語を主に学び、それから一般科目を学ぶ。
一応今年の終わり頃に魔具披露会がある。何か一つ自分で作った物を出して貰うから、頑張ってな。初等部の一年から凄い物を求めたりはしないから気楽にやっていいぞ」
ドルフ先生は大柄な厳つい顔の先生だった。ちょっと怖いが優しそうだ。
「じゃあ、今日は先ず作業部屋に連れて行く。」
鍛冶、木工…等作業部屋を回る。この作業部屋は誰でも使えるらしい。作業部屋を回ると共に作業道具ももらう。
「今配っている道具は最低ランクの道具だ。下位の物であれば加工出来るが、少しランクが上がると難しくなるだろう。
別にランクの高い道具を街等で買っても構わない。だが私は自分の道具は自分で作って欲しいと思っている。自ら作り、少しずつステップアップする事で、良い生産者になれると私は思う」
自分の道具は自分で作るか、面白そうだね。
ただ、それだと調合道具作るのに木工の技術が必要だったり、細工の道具を作るのに鍛冶の技術が必要だったり、全部の技術を育てないと良い道具作れないような気がする。
ちょっと頑張って見ようかな、初めは冷蔵庫とか炊飯器作りたいだけだったけど、最強の武器とか作ってみたくなっちゃった。
その後、全ての作業部屋を回り、道具を貰って、教室に帰ってきた。
「じゃあ、午後からは魔法陣、魔術担当の先生が来るから。解散」
私はフィアナ達と今日の昼は約束していたので、屋上に向かう。
三人共、既に来ていた。
「ごめんね、待たせちゃった?」
「いいえ、そんなに待ってないわ。じゃあ食べましょうか」
私とフィアナは弁当を、ローレンとユリウスは購買で買ったであろうパンを食べる。
「今それぞれの授業について話してたんだけど、魔具科はどうだった?」
「作業場所の案内と道具配られただけだよ。」
「そっか、戦士科Aはレベル毎に二人組になっての模擬戦だった。
俺はローレンとだったけど、俺ら以上にレベルの高い奴が二人居てさ、騎士団長の娘と、別の国出身の男だったけど、二人が闘うの見てたら凄い強くてさ、闘ってみたいぜ」
「へぇー、ちょっと会ってみたいかも。フィアナの方はどうだった?」
「私の方はもう授業が始まったわ、魔力運用と基礎魔術の授業でした。午後から魔術の腕を見るらしいですけど」
「そっか、誰かと仲良くなった?私は一人だけちょっと話したけど」
「仲良くなったと言うか、元々の知り合いが居たわね。」
「へぇー、そうなんだ。」
そこから、この四人で週の真ん中の昼休みはこうして集まり、その日の放課後と休みの日は予定が合えば一緒に戦闘訓練をする事に決めた。
「それとちょっと疑問なんだけどさ、トロート山でレベル凄い上がってねぇか?」
「そうだね、多分ミスリルゴーレムのせいだと思うよ。自分より格上の魔物や人と本気で戦うと一気に上がったりするみたいだね」
「えっ、じゃあ先生とかと何度も模擬戦したら凄い上がるんじゃねぇ」
「先生だと手加減しちゃうからね、指導って感じだし。
多分騎士団長の娘さんや異国の人とかと闘う方が良いと思うよ」
「そっか、それじゃあ、また何処か行こうぜ。魔物倒しに。」
「もうちょっと長い休みじゃないとキツいけど、良いと思うよ。私は今度は木材や薬材の取れる所に行きたいな」
「そうね、良いんじゃないかしら。来月の頭に三連休があるから、そことかで」
「うん」
次の遠征を決め、昼休みも終わり、教室に帰ってきた。
ノエルと話していたら、先生が入ってくる。
「私が魔法陣や魔術、それと古代語を担当する、サージェ=アズリアラよ。魔法陣は魔具には欠かせない物で、魔法陣は古代語が重要になってくるわ、将来魔具を作る上で大切なものよ。その事を頭に入れて真面目に授業を受けるように」
古代語かぁ、難しそうだなぁ。
「今日は先ず全員の魔力レベルと魔力量、魔法のスキルレベルを確認するわ。その後一つ魔法陣を作ってみましょうか。」
それから、一人一人自分の魔力レベル、量、使える魔法を言っていく。
ちなみに魔力量は魔術毎に使用魔力量が大体設定されており、どの魔術を何回使うと魔力切れが起きるかで予測する。
MPとかもステータスで見れれば楽なのに。
「ノエルです。魔力レベル5、魔力量40、土魔法5です」
ノエルは土属性かぁ、ノエルもそうだけどレベル高い人居ないなぁ、魔力レベルが高い人は魔術科に行ってるんだろうなぁ。
おっ、私の番だ。
「シェラハです。魔力レベル15、魔力量200、水魔法28、氷魔法16です」
おー、驚いてる。目立ちたくないとか思ってたけど、もうどうでもよくなって来ちゃったね。
最後の人まで言って、次は魔法陣を作る。
先ずは紙と筆とインクを渡された。
「今渡したのは紙と筆は普通の物だけど、インクは魔力を通しやすい、ブラッドインクよ。魔物の血等を調合によって作られているわ。
今から属性毎に初級魔術の魔法陣のお手本を見せるわ。今日はそれをそのままそっくり写してね。
魔法陣の模様は古代語で魔術の詠唱と同じ意味があるわ。魔法陣が書けたら、その陣に手を当てて、その魔術に対する魔力を込めるの。
陣の画が問題無ければ、魔法陣として刻まれ、その紙は魔具になるわ。
後はその属性の魔力を陣に流すだけで、その魔術が発生するわよ。
只、気を付けないといけないのは、魔法陣を刻む時も、使うときも、属性が同じ魔力というだけでは駄目よ。例えば、水魔法と氷魔法の魔法陣では込める魔力は違うから、込める時にそれを意識する必要があるわ。
それを解決する為に魔石と言う物があるけど、それはまたの授業で話すわ」
じゃあ私は、今は水魔法と氷魔法しか魔法陣を作れないのか、書けはしても誰かに頼まないと刻めないわけか。
風属性はフィアナに頼んで、土属性はノエルに頼んでみよう。火はユリウスじゃあ無理だし誰か探さないとね。後はノエルもレベル上げに付き合わせて、上位魔法覚えて貰いたいな。
まあ、先ずは自分で出来る分でも覚えなきゃいけない事が一杯あるから、焦らなくても良いか。
水属性のお手本はウォーターの魔術らしい。だが魔法陣からそれを読み取る事は出来ない。
自分で魔具を生み出そうとするなら古代語は完璧に使えるようにならないとね。まあ今回は丸写しで良いらしいし、身体強化すれば器用さ上がるから、楽勝だね。
…よしっ!出来た!
おぉー、魔力を込めると同時に浸透していく感じがした。これが魔法陣を刻むって事か。
「出来た人は発動してみて良いわよ、何回発動出来るかでその魔具の出来の良さが判るわ。今回はインクだけしか魔力の素材は使ってないし、そのインクもそれ程いいものじゃないから、十回も使えれば合格よ」
やってみると、18回発動した。18回目発動すると、魔法陣が、只筆で書いただけみたいになった。
「後は、紙や筆やインクの素材を良いものにしたり、あなた達の腕が上がれば、初級魔術位なら何度でも使えるようになるわ。
魔術の難易度によって、魔法陣の耐久性も変わるから、強く複雑な魔術等の魔法陣には相当良い素材を使用しないと発動しないわよ」
ふーん、じゃあ魔法陣には調合技術も要りそうだなぁ。
えっと、これで、鍛冶に木工、細工、調合、それから古代語は極めないと。魔力と闘気の融合はレベルだけ上げといて、ヒント見つかるまでお休みにしよう。
「じゃあ、今日は此処までね」
授業が終わり、皆席を立つ。
「ねぇ、ノエル。ノエルはどの道に進むかとか決めてる?」
「うん、私は防具職人に成りたいから、鍛冶と裁縫を重点的に鍛えるつもり」
「へぇ、ノエルはさ戦う事とか出来る?例えば魔物とかと」
「うーん?魔物と戦った事は無いけど、鎚を使った戦いは少し出来るよ。どうして?」
「うん、実は戦士科や魔術科の友達と戦闘訓練を偶にするんだけど、一緒にどうかな?って思って。素材集めとかにも行くから役に立つと思うんだよね。それと私の考えている魔具には地魔法が必要なんだけど、私水属性だから、協力してくれないかな?」
「うーん?…わかった、良いよ。」
「ありがとう!今度集まる時、紹介するね。」
その後、ノエルと別れ図書館にやって来た。ノエルが協力してくれるという事なので、私は先ず調合と古代語を覚えようと思う。今日は古代語を習得しよう。
この図書館にも何度も通ったので、どの辺りにあるかはわかる。
私は魔法陣関係の本と、古代語で書かれた本、後は辞書を持ってカウンターに向かう。
三冊共借りて、寮で頑張って読むことにする。
寮に帰るとフィアナも戻っていた。
「午後の授業どうだった?」
「うん、覚える事が一杯。フィアナの方は?」
「そうね、私よりレベルの高い人は居なかったし、シェラハの方が全然魔術が上手かったわよ。」
「へぇー、知り合いの人は?」
「彼女達も私と同じような貴族なんだけど、知り合いではあっても仲が良いわけでは無いしね。魔術の腕はそこそこってとこね。
後は、知り合いじゃないけど、一人だけ火属性の男の子が光魔法を使ってたわ。光魔法は珍しいから目立ってたわね」
「へぇー、光魔法か…、何か使えるかな?」
フィアナと授業やノエルの事を話し、その日は夜遅くまで辞書を見ながら古代語の本を読み続けた。
風曜日(一週間は六日で、火、水、風、土、光、闇曜日の順番で闇曜日が普通休みになる)、あの時決めた四人で集まる日である。私はノエルを連れて屋上に向かう。
他の三人も直ぐに来て、私はノエルを紹介する。
「えっと、魔具科の友達でノエル。これから訓練や素材採集に行く時とか、一緒に行く事になったから、よろしくね」
「よろしく」
「「「よろしく(な)(ね)」」」
紹介が終わると、科それぞれの授業の話しになる。
「何か面白い授業有った?」
「魔術科は無いわね、あれからは普通の授業だけだし」
「戦士科も無いけど、今日この後、前言った騎士団長の娘と模擬戦やる予定なんだ、楽しみだぜ」
「ふーん、じゃあローレンは異国の人とやるの?」
「うん」
「魔具科はどうなの?」
「今日で全部の実習を初体験って感じかな。鍛冶と調合が面白かったよ。この後は最後の裁縫だね。早く自分が思った通りに作れるようになりたいな」
その後は、次の遠征の話や訓練の話等を話して、昼休みが終わった。
シェラハとノエルが裁縫している頃。
「じゃあ、話していた相手と模擬戦を始めるように」
ヒューイ先生の指示で、俺は騎士団長の娘に剣を向ける。
騎士団長の娘は、名前はキャロル=ジルエッジ、金髪碧眼の真面目そうな奴だ。使う武器は長剣と盾で、見てた限りではローレンと似た感じの闘い方をする。
「行くぜ!」
俺は大剣で真っ向から斬りかかる。キャロルは俺の大剣を盾で受け流すと、カウンターで突きを放って来た。
俺は何とか避けると、大剣を強引に引き戻し、キャロルの剣目掛け薙ぎ払う。キャロルは剣を引くと共に身体を引いて、一度体制を立て直した。
キャロルは堅さはローレンに劣るが、使い方が上手い。
そこから何度か斬り掛かったが、全て剣や盾で受け流され、有効打どころか、剣で競り合う事すら出来ない。
キャロルの攻撃は、何とか有効打は外しているが、身体の所々に幾つか食らっている。
そのまま俺は一度もキャロルの身体に当てる事が出来ず、こっちは満身創痍の状態で模擬戦が終わる。
僕は異国から来た、シュラと向かい合っていた。シュラは黒髪に黒い眼の目つきの鋭い男の子で、武器は刀と呼ばれる片刃の異国の武器を使うらしい。学園では自分で木を削って作ったらしい、木刀を使っている。
先生の合図と共に、シュラが少しずつ歩を進めて来る。僕は待ちの体制で、盾と槍を構える。
シュラは気付くと僕の右手側に接近して、木刀を振りかぶっていた。僕は慌てて盾で防ぐが、シュラは身体毎迅速に動きながら斬りかかってくる。僕は防戦一方で、反撃する余裕等なく、何度か防いだ後、シュラが下がるまで一杯一杯になっていた。
シュラはまたもや一瞬で接近してくると、斬りかかってくる。
今度は注意して見ていたがそれでも、目で追うのがやっとの速さで、それからまた防戦一方の闘いになる。
結局僕は数回しか攻撃出来ず、身体強化していた為それ程痛みは無いが、何度もシュラに攻撃を身体に当てられて、模擬戦が終わった。
「じゃあ、今日はここまで。解散していいですよ」
午後の授業が終わりローレンと二人で落ち込みつつ、シェラハ達との集合場所へ向かう。
「はぁ、俺一度も攻撃当てらんなかったぜ。ローレンはどうだった?」
「僕も手も足も出なかった。あんなに攻撃当てられたのシェラハ以外じゃ初めてだよ」
「そうか。次は当ててやりたいけど、どうやりゃいいか解んないんだよな」
「そうだね、僕もよくわかんない」
集合場所にはもう全員揃っていた。俺達は謝りつつ合流する。
私達が集合場所である、街の傍の草原で待っていると、ユリウスとローレンがやって来た。二人共昼休みの時とは全然違う感じで、午後の模擬戦ダメだったんだろうと直ぐに分かった。
「ごめん。今日はフィアナがノエルに魔術を教えてくれる?私あの二人の相手するから」
「ええ、良いわよ」
「わかった」
フィアナ達が少し離れて、魔術を教え始めてからローレン達に何があったかを聞く。
予想通り、模擬戦でコテンパンにやられたらしい。
どんな闘いだったのかを二人から詳しく聞く。
「ユリウスは攻撃を全部受け流されて、ローレンは相手の速度と手数に押されて手も足も出なかったと」
「まあ、そうだな」「うん」
「うーん?…私の考えを言うよ。先ずはユリウス、ちょっと私に本気で斬り掛かってきて」
「は?…木剣でも危ねぇぞ?」
「うん、大丈夫だから。本気でね」
ユリウスはちょっと首を捻りながらも、大剣を構え、身体強化と剣の強化をした後、私に袈裟斬りしてくる。
私は大斧と身体に闘気と魔力で強化をかけると少し大剣の力を逃がすようにして受け止める。
「じゃあ、今度は私がやるから、ユリウスは何とか防いで」
ユリウスはちょっとショックを受けている様だが、大剣を真上に構え強化をする。
私は、私に出来る最高の一撃を見せる為、さっきと同じ強化に加え、体重移動と魔力と闘気に気を配り、力を大斧の一点に込めるように意識して、ユリウスに向けて振り下ろす。私の大斧はユリウスの強化した大剣を折り、ユリウスの肩に当たる前に何とか刃をズラし、そのまま地面に激突する。
危ない危ない、当ててたらヤバかったな。
まあ結果オーライってことで。
「これが私とユリウスの差。強化レベルは魔力の分私が高いけど、属性の違いで力は多分ユリウスが高いと思う。なのにさっきの一撃は私の方が強かった。
私はユリウスにはもっと一撃の強さを磨いて欲しいと思う。誰にも防げないような一撃を出来るようになって欲しい。
その一撃があるからこそ、牽制や連撃とかにも効果があると思う」
ユリウスは私の大斧が当たった地面を見て呆然としていたが、私の言葉を聞く内に少しずつやる気を取り戻していった。
「よし!やってやる!」
「うん、じゃあ大剣折れちゃったから新しいの取ってこないとね」
「お前が折ったんだろうが!…はぁ、いいよ行ってくる」
ユリウスが街に一度帰った後、ローレンと向き合う。
「ローレンもちょっとやってみようか。ローレンは私と模擬戦ね」
「う、うん」
ローレンはちょっと怯えながら、盾と槍を構える。
「大丈夫、さっきのようなのはしないから」
私は大斧を振りかぶりつつ、ローレンに向かっていき、射程に入った所で氷の矢を三本ほどローレンの槍側から発射する。ローレンが氷の矢を防ぐのに盾を動かすのと同時に大斧を振り下ろす。盾の側面に大斧を当て、盾を弾き飛ばした後、ローレンの持つ槍に向かって薙ぎ払う。大斧は槍を半分に折り、私は動きを止める。
「ローレンは盾で防ごうとし過ぎる。シュラだったっけ?その彼の攻撃を何度か受けても余り痛く無かったんでしょう?
ローレンの闘気強化はかなりのものだよ。だからこそ盾で絶対に防ぐべきものと無視しても良いものをきちんと見極めないとダメ。
後は防御に回るとき槍に意識が行って無い。槍でも防御や牽制等色々出来るのに盾で攻撃を防いだ後にしか、使おうとしてない。」
ローレンも弾き飛ばされた盾や折れた槍を呆然と見ていたが、話は聞いていたようで、話し終えると真剣な顔つきになっていた。
「じゃあ、ローレンも折れた槍を新しい物にして来て」
「うん、わかった。…でも盾を弾き飛ばした所で止めて、槍を折る必要無かったんじゃないかな」
「は?何か言った?」
「ううん、何でもない」
さて、ローレンも帰ったので、私はフィアナ達の方に向かう。フィアナ達は魔術の練習をしつつ、こっちに注目していた。
「シェラハ、やっぱり凄いわね」
「いや、あの二人がちょっとだらしないからね」
「シェラハって、強いんだね」
「えへへ、まあね」
「おっ、ローレンも武器取りに来たのか?」
「うん、槍をシェラハに折られちゃった」
「…シェラハってさあ、たまに凄ぇ怖いよな。いい奴だし、強くなるのに凄ぇ助かるんだけど。キャロルに負けた時より、全然ショックなんだけど」
「うん、僕がどれだけ強くなっても、勝てる気しないんだよね」
「ああ〜、わからないでもないなぁ」
その後、二人が武器を持って帰って来て、今日は私が思う存分叩きのめしてあげた。
シェラハ
魔力/闘気レベル:15/15
STR:E(D) VIT:E(D) AGI:D(C) DEX:C(A) INT:D(C)
スキル:強化(魔力)22,強化(闘気)28,水魔法29,氷魔法17,闘気放出14
ローレン
魔力/闘気レベル:2/17
STR:D(C) VIT:C(A) AGI:E(E) DEX:E(D) INT:F(F)
スキル:強化(闘気)35,土魔法2,闘気放出23,闘気圧縮10,槍術15,盾術32
フィアナ=カトラル
魔力/闘気レベル:16/2
STR:F(E) VIT:F(E) AGI:D(C) DEX:E(E) INT:C(C)
スキル:強化(闘気)3,強化(魔力)10,風魔法32,雷魔法21,杖術14
ユリウス
魔力/闘気レベル:1/15
STR:D(B) VIT:E(D) AGI:E(D) DEX:E(D) INT:F(F)
スキル:強化(闘気)31,火魔法1,闘気放出14,剣術27
ノエル
魔力/闘気レベル:5/2
STR:E(E) VIT:D(D) AGI:F(F) DEX:E(E) INT:F(F)
スキル:強化(闘気)2,土魔法7,鎚術6,鍛冶8
それから二週間程経った。古代語もある程度覚え、低レベルの物であれば、魔具を作る事が出来る様になった。
今日はちょっと実験してみたい事がある。水属性は水を温める事も出来るのかな?っていう疑問。
いや、水を凍らして氷に出来るなら、水を温めて蒸発出来るかな?と思った。初めは火属性の誰かに協力してもらうつもりだったけど、もし出来るようなら、炊飯器と電子レンジが出来そうかな。
炊飯器は本来、釜を温めて、炊いてるけど、魔法で直接水を温めても出来るだろうし、電子レンジも魔法で物の中の水分を蒸発させる感じで出来ると思う。ちょっと炊飯器より電子レンジの方が難しいけど、出来はすると思う。
…うん、出来るね。水に直接手を付けて、今の私の全力で40℃位かな?お風呂に使えるね。慣れて、レベル上げたら、沸騰出来るでしょう。後は、触らなくても操作出来る様になって、それから物が含む水分の温度を操作出来るようにならないとね。
よし、では次の実験。
最近霧魔法を習得した。索敵に使える結界魔法や、敵を惑わすような幻影魔法みたいなのを出来たら良いなと思う。
なので、先ずは生み出した霧に感覚を付ける事をやってみよう。
視覚、聴覚、触覚辺りでどれか出来ないかなあ。
只、霧全てに感覚を付けたりしたら、気が狂いそうなので、制限を掛けたり、条件付けとか出来たら良いな。
…出来た。何でもありだね、魔法。これで探索も楽になりそうだね。
よしっ!最後の実験!
闘気の変質に付いて、考えてたけど、ゲームや小説の中で練気法とか有ったのを思い出した。要するに、闘気を練れば良い訳だ。練るって、あんまりイメージ涌かないけど、かき回す感じで回転させたり、折り重ねたり、色々やってみる。
…うん、難しいね。でも悪くないかも。これに少しずつ魔力加えてみるとかありかな?…おおっ!ちょっと混ざったよ。何か思ってたのと違うけど、この方向で色々やってみよう。
今日はここまでにしようかな。