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08:森とお別れみたいです。

あれから下半身をゲル状にしてウォーターベッド的なのを作り戦闘の疲れにより爆睡した。


そして今は朝。木々の間から優しい木漏れ日が降り注ぎとても落ち着ける空間になっている。


・・・・・・・・・この懐のリアがいなければ。

通常ならば問題ない。それならばいつもどおり1年間と同じような反応ができただろうが、今は無理だ。


なぜならば今僕の腕にいるのは小学1年生くらいのリアではなく中学1年生ほどまで成長したリアなのだから(全裸)


(なんだこれ!?なんだこれ!?なんだこれ!?現実逃避もできないくらい甚だしいわ!

 人間のときと考え方が変わったとは言ってもぶっちゃけ!魔物も欲情する!基本的なカワイイ・キレ イの価値観は殆ど変わってないし・・・ああ、見ないようにと思っても見てしまう。いやガン見してしま う。これはいただけない!見たいけど駄目だと私は思う!というわけで起こそう!すぐ起こそう!今 起こそう!!主に僕の精神安定のために!!)


『リア~?朝だよ~?おきて~お願いします起きてください』


「ん~?どうしたのレイ~・・・」


今までの舌足らずな喋りではなくちゃんとした喋りで目をこすりながら体を起こす。


『いや。リアの体が成長してたから起こしたんだよ。それと服着て』

「え?・・・・・・やった!ねぇレイ!みてみて!私成長したよ!!」

『イヤ!見れない!見たいけどみれないよ!?先に服着て!今裸だって!!!』

「え?・・・・・・キャアアアアアアアァァ!見ないで!見ないで!」


木の槍を20本程こちらに飛ばしながら服のある場所へとダッシュで消えていった





「レイごめんね。痛くなかった?」

『大丈夫。痛覚神経ないから。でも核狙うのだけはやめてね』

(実際2本直撃したし。まぁ魔力でコーティングしてたから問題ないけど)

『それで成長した体はどう?』

一瞬朝起きた時のことを思い出すがすぐに『邪念退散』の心で散らす


「前より体がスムーズに動くし魔力を動かしやすくなったよ。あとちゃんと伝えたいことを言えるよう になった」

『やっぱり気にしてたんだ。』


そんな会話を30分程続けて落ち着き始めた。

(話すなら今がちょうどいいかな。タイミングよく成長もしたし)

コチラの雰囲気が伝わったのかリアがすこし硬くなったのがわかった


『僕はこの森を出ていこうと思うんだ。』

「・・・そっか。やっぱり・・・」

『気づいてたんだ?』

これにはちょっと驚いた。正直いつもポワポワしててそういう考えはないかと思ってた。失礼だけどね


「なんとなくなんだけど・・・冒険者がきてから考えることが多くなったから」

『まぁそれだけじゃないんだけどね。外に出ることはずっと前から考えてたんだよ。本当ならすぐに出 ていこうと思ったんだけど、もう少し、もう少しってやっていたらいつの間にかこうなってた。』


そこで会話が止まり湖の水が湧き出る音と森が風に揺られる音だけが10分程続いた


「ねぇレイ・・・あのね。」

『うん』

「多分引き止めても出て行っちゃうでしょ?」

『うん』

「だからね・・・私も連れてって」

『うん?』

リアの言葉に間違いがあったのかと語尾にクエスチョンマークがついてしまう

「私も連れて行ってほしいの!」


『・・・・・・え?いやだってリアってこの森の聖霊じゃないの?』

基本場所に固定されている聖霊はその場所を移動できない。これはリア本人が言っていたことだ。

「だって契約してたラオウルフ死んじゃったもん」

『ん?どゆこと?』




―――リアの言ったことをまとめると

土地の中には特殊な土地がありその中には土地が主を決め、その主が土地とのつながりを持つものを決めることができるらしい。そしてその今いるこの土地もソレに当てはまるわけだ。

そして前の主は死に、契約は破棄されたが新しい主には追放されなかったからつながりは継続中。


だから僕がリアと土地のつながりを切断し僕が森の主をやめればOKということらしい。


『でも本当にいいの?聖霊の加護がなくなったらこの森結構ヤバイんじゃ?』

ヤバイという理由は人間が周りに聖域結界を張り巡らせているため世界樹が生成している大気中のマナが森に入ってこない。

それを聖霊がいる場所に微量に生成されるマナでつながれているのがこの森、その繋ぎがなくなったこの森に残った未来は結界の解除で魔物が蔓延る『魔の森』か『森の消滅』。

「?この森がなくなったらなにかダメなの?」

『いや、別に。』

正直この森がどうなろうと構わない。薬草は乾燥させたものを服と同じ場所に大量に置いてあるからそれは亜空間魔法で持っていけばいいだろう。ぶっちゃけそれ以外にこの森に大事な部分などない。

「じゃあ。お願い」

『了解。【森よ。この者との契を破棄せよ】』


リアの体が一瞬光に包まれるがすぐに収まる

『気分はどんな感じ?』

「変わんないかな?それより森が鳴いてるよ!入口に誰か来てる!」

その言葉を聞き、冒険者の死体から剥ぎ取ったものや旅に出るときに役立つだろうと取っておいた薬草などが置いてある倉庫|(雨を凌げればいい程度の掘っ立て小屋)にいく


(『我に従い我と共にあれ【ワールドクリエイト】)

大袈裟な詠唱と名前にもかかわらず人一人入る分くらいの入口が出来上がりその中にドンドンアイテムを突っ込んでいく。正直取り出せるか心配だが考えている暇などなく僕とリアで次々中に放り投げる。


すべて投げ入れたあとは入口の反対にある肉食植物が群生している道を突っ切っていく。

スライムと木精ということで問題なく森の出口にたどり着き都市とは反対方向へと走っていく。

(1年過ごしたけどなんの感慨も抱かないなぁ・・・)


それからずっと走り続け・・・

走る。といっても遅く聞こえるが自転車を全力で立ち漕ぎしたときくらいのスピードはでている。


『よし。そろそろ10kmくらい離れたし歩こうか。』

そういいながらリアの方を振り向くと

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ゲッホゲホ!!ヒュー・・・フー・・・ゲッホゲホ!!」

今にも死に絶えそうなリアがいたので背中を摩ってあげた。


背中をさすりながら周りを見ると緑の平原が広がっている。所々に木々が生えて小動物もいる。随分とこの国は豊かなようだ。

「もう・・・大丈夫・・・」

『そう?じゃあ進もうか』

「・・・もう少し・・・休むぅ・・・」


そう言って地面に横になったリアを見て僕は笑っていた。

これで溜めてた分は終わりです。

今のところそこまで更新速度は落ないかと

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