06:漫画展開もたまにはいいよね。
リアから報告を受けた僕は冒険者が入ってくる"入口″へと向かうため木の上を移動する。
スライムの移動など遅いと思われがちだが異常な成長率+BPの半分を俊敏につぎ込んでいるためその速度は見たものを驚愕させることができるだろう。実際この前の冒険者も「なんなんだよこれぇ!!」と絶叫しながら逃げ回っていた。
そのスピードは地面を擦って移動するなら100m9秒ほどだが体を半固形(ゼリー状)にしてジャンプしながら移動すると100m2秒ほどだ。ジャンプは人間で言うダッシュと同じと思ってくれればいい。
(それにしても入口にある魔力・・・ちょっとヤバイかも?)
相手があしらって倒せる程度ならいきなり暴食を使って消滅させることもできるが自分より少し弱い程度にもなるとある程度弱らせなければ暴食で喰らうことができない。
スライムの体は半透明の液体の中に核と呼ばれるゴルフ玉程の大きさのものがある。
基本スライム系の魔物は魔法と物理打撃には強いらしいが斬撃にはこれでもかというほど弱い。
ただ魔法に強いと言っても知能が高くなければ一瞬で蒸発する。
(見つけた!・・・見たところ9人だけど・・・あまり信用できないな)
未知の敵を相手にするときにバカ正直にくるヤツらはそうそういないだろう。危機感があるこの世界ならなおさらだ。
敵は円形の陣形をとり真ん中に一人魔道士、それを囲むように弩や弓が3人、それを近接が囲んでいる。
(危険なのは真ん中と先頭にいる大剣使いだなぁ。圧倒的な覇気だ。このまま先に進まれるとリアが危ないから考えてる時間はないな。魔道士を先に狙おう)
思うか行動のほうが早いか。素早く上に飛び上がり体液を溶解液に変化させ魔道士の上に飛び降りる。体内では体が溶かされている魔道士が暴れるがそんなことは構わず鞭打で周りの弓兵たちの首を叩き折る。
「リーリアアアアアアアァァァ!!!!!」
一瞬のことで反応できない周りのヤツらを差し置いて大剣使いが一気に近寄り剣を振り下ろしてくるがそれを横跳びで躱す。体内にいる魔道士が抵抗をしてくるので動きづらく剣先が掠る。
しかしそれで止まることなく霞んで捉えきれないいくつもの剣擊が襲いかかる。
身をよじらせたりして躱せないので必然飛び跳ねて躱すことになるので推定10回目あたりで先読みで掠ってしまった。
そこからはギリギリ躱せない攻撃が続き掠ったり抉れたりと完全に躱せない
(くっそ!でもこれは先にこの男に行かなくて正解だったなっっと!)
おお振りを躱し隙ができた時に上に跳び木の枝に着地する
(冗談じゃないよこ。気をつけてなかったら核を持ってかれてたかもなぁ。)
簡易的なステータスを思い浮かべると表示されたのは
HP:3458/5120 MP:452/452
(冗談にならないくらい削れてるよ。弱点攻撃にはとことん弱いみたいだなぁ)
状況確認していると体内の魔道士の反応がなくなった
(魔道士のお姉さんはそろそろ食べ時だね。それじゃあ・・・いただきます【暴食】)
暴食を発動し体内の魔道士を取り込んだ瞬間に体を駆け巡る快感、旨み。
最高級の霜降りの肉を食べたような?
最高級の大トロを食べたような?
最高級の酒を飲んだような?
違う違う違う!!そんなものじゃあ表せないようなモノが体を駆け巡る。
段々とソレは収まってゆきその余韻に浸っていた僕のカラダにいつもと違う変化がおこりだした
(なんだ・・・?力が体の底から湧き上がるような・・・)
ドクドクとない心臓がなっているように体が脈動する。
体の隅々まで得体の知れないチカラが行き渡りカラダを書き換えていく。普通ならば気持ち悪く不快なはずのその感覚も今はとても心地良い。
「スライムの・・・成体化・・・!?それも人型だと・・・!?」
(そうか。成体になったのか・・・目線が前世に近いな。うん。やりやすい)
乗っていた木の枝から前のめりに倒れ出し角度が下の冒険者達と重なった瞬間に木の枝を思い切り蹴りつけ突撃を仕掛ける。
前までの体ではでないスピードに一瞬驚いたがすぐに持ち直し腕を縄のように伸ばし雑魚二人の首に巻きつける。
「ぐぇ!?」「ぎゅぅ!」
(ふふ・・・楽しいね!ココロの底から楽しいよ!前の体では味わえなかった体の隅々まで行き渡る緊張感。なんともたまらないよ!)
掴んだ二人を武器のように振り回し他の奴らにぶつける。
掴んでいた冒険者二人はぶつけた拍子に首が折れ曲がり他の冒険者が持っていた剣や槍にあたり腕が取れたり体に突き刺さったりと無残な姿になっていた。
下級の冒険者がチートスライムの力に耐えれる訳もなくぶつけられた冒険者たちも腕が砕けたり肋骨が折れて肺に突き刺さったのか血を吐き出している者もいた
「貴っ様アァ!!よくもリーリアをおおぉぉ!」
大剣の男が他の奴らとは段違いの速さで剣で攻撃してくるが
(さっきまで早いと思ったのになぁ・・・)
今の状態ではラクラク躱せるようなモノへと成り下がっていた。
(正直危険視はしていても美味しそうではないんだよね・・・だから)
指の二本を鋭くすると剣の合間を通りぬけ男の懐に入り込む。
「な・・・ぐがあああ!?あっがああああがあ!!!?」
懐に潜り込んだレイは二本の指を目に捻り込み脳にまで到達させる。
(それじゃあ。さよなら。)
指の先に体液を送り込み指先を膨張させる。結果は想像とは違い目や鼻、口、耳から脳漿が飛び出てくる
(ふーん。頭が吹き飛ぶっていう想像と違ったな。さてと)
周りにある死体と痛みに悶えて転がっている重症者を引きずり集めて同じ場所にまとめる
「うああぁぁぁ・・・いてぇ・・・よ」「俺はこんなところで終わる人間じゃ・・・ゲッホゲホ」
(美味しいのは僕がもらっちゃったけどリアにはお土産持ってかないとね【体液変化・溶解液】)
全身を幼体のときのような液体状態にし目いっぱいに伸ばし冒険者たちを包み込む。
実はレイは冒険者が襲ってきた時の食べ残しなどを溶解液で溶かしたものをリアに与えていた。
(ご飯ありがとね名も知らない冒険者さんたち)
(だけどこれで冒険者が戻ってこなかったとすると今日の大剣使い以上のヤツが来ることになるのか・・・?僕だけでリアを守りきれるのか?)
帰路に就いたレイはこの先の殺しきれない不安を考えながらリアの元へと歩みを進めていった
うーん戦闘って難しい。