11:逃げ出そうとした!しかし回り込まれた!
ナニカが見える。
視界に光は一切無いにも関わらずそこに得体のしれないナニカがあることだけが認識できた。
視界ではわからないが感覚でわかった。言葉で表すならば絵の具のような"ただの黒"に世界に存在する色素をゴチャ混ぜにした"混沌とした黒"をブチまけ、塗りたくった様な。
―――・・・さない
ナニカがボソリと、聞こえるか、聞こえないかの小さな声でつぶやいた。
だがその発された声は合成音声のような老人とも若人とも子供とも取れないような耳に触る気色の悪い声。
―――ゆるさない
―――おまえのせいで・・・
次第に声が大きくなってゆきしっかりと聞こえるようになってゆく。しかしそれと同時に嫌悪感も比例するように大きくなっていく。
―――なぜくらわない!!
―――どこまでわたしたちをくるしめるのぉ!!?
その他にも獣の苦しげな雄叫びや呻き声なども聞こえてくる。
(これは・・・一体・・・)
「これは君が喰らった者たちの成れの果てよ。」
(貴方は・・・どこかで・・・?)
確かにどこかで会っているはずなのに記憶に靄がかかって思い出せない。
そこから無理に思い出そうとすると割るような頭痛に襲われる。
「暴食は相手の存在を限界まで搾り取るわ。厳密には魂が輪廻をギリギリ回れるくらいまで自動で搾り取るわ。
まぁ魂ごと喰らうこともできるのだけれど。ギリギリまで搾り取るといことは記憶も魂から剥ぎ取り食うということ。そして取り込まれて食べきらなかった記憶は仮想の意思となってこんな醜い物体になるのよ。」
問には答えずにそのままナニカを冷たい眼で見ながら淡々と続ける
「こういうのは後後面倒臭くなるから食べ残しはやめなさい。まぁ無意識だとは思うけれどね。
意識して喰らわなければ一々コレが出てきて睡眠妨害をしてくるわよ」
そういった女性の周りから黒い闇、暴食の闇が吹き上がりナニカを襲う。
触れた先から闇に飲み込まれ2秒も経たずにナニカはすべて食い尽くされ欠片一片も残ってはいなかった。
「ま、次回からは気をつけなさい」
女性はそう言うと足から闇に包まれて消えていく
(貴方は一体・・・?どこかであったことがありますよね?)
「何れまた会うことになるだろう。さらばだ。―――よ」
(え?今なんて)
――――――
誰かに呼ばれる声が聞こえて急激に意識が覚醒し始める
―――イ
―――――――――――――――――
「レイ!」
目を開けると眼前にはリアの顔がドアップで写っていた。
『大丈夫。それよりココは?」
やたらと沈むベットに苦戦しつつも体を起こし、辺りを見回しながらリアに問いかける
「わかんない。目が覚めたらレイと一緒に寝てたから・・・それに扉にも鍵かかってるみたい。」
『黙ってても意味がないし、まず外に出ようか』
正直今は普通に息もできているが何もしなくても感じる馬鹿でかい力が同じ建物にいる。
それも30ほどはいるだろうか。リアルに指先一つで粒子にまで還されそうなのだが僕たちは片方聖霊、もう片方は魔物という非常に人間からしたらいい的だ。
今する行動の選択肢は二つで「待つか」「動くか」
そして選んだのは動く。さっそく行動開始だ。・・・まぁバレてるだろうけど隠密移動しようか。
幸いにも扉の鍵は魔法的なモノではなく唯の施錠だったようで指を液体化させて鍵を外す。
『じゃあ一歩後ろを歩いてついてきてね』
僕はリアが頷くのを確認してから扉を開けて左を見てから・・・右を見る。
「お客様。お迎えにあがりました。」
・・・・・・・・・・・
一瞬止まってしまったがリアの腕を掴んで部屋の中へと戻ろうとする。
(窓から外に出れば・・・!)
回れ右をして部屋の中へ戻ると。
「食事のご用意が整いましたのでご案内させていただきます。」
・・・・・・僕はそこで逃げるのを諦めた
あれ・・・?月日の月の1がひとつ少ないなぁ11だった気がするんだけど・・・おかしいなぁ・・・
ごめんなさい!!ログインパスワード忘れて諦めてました!
そしてパスワード書いた紙を見つけて投稿再開した次第でございまする。
今日からまた再開しますよ!




