Alive Story 2 ~Sister Complex Story~
前回に続き、今回も大分駄文です。
というか、前回を超えてます(ある意味)。
どうか罵らないで見てください。
杉宮 遥
両親が死んだ後、俺の環境は一変した。
まず俺達兄妹は母親側の祖父母に引き取られた。
両親は共に一人っ子の上、父親側の祖父母は俺が生まれる前に他界したため引き取り先は必然的に決められていた。
住まいは祖父母の家で暮らすことになった。
妹は家を離れたくないと駄々をこねていたが、わざわざ引き取ってもらう相手に来てもらうのは図々しいことだと説明してやると、渋々納得してくれた。
そして俺達は必要最低限の荷物を持ち(妹が「全部必要な物」と言って聞かないため説得するのに三時間近くを要した)、我が家を離れて祖父母の家がある東京へと引っ越した。
この引っ越しは実は非常にタイミングが良かった。
当時、俺は小学校に入学する歳になっていた。
学年を問わず学校が始まってからの転入と言うものは凄く気まずい雰囲気になってしまうが、俺達は三月の終わりに引っ越しをしたため入学にギリギリ間に合うタイミングでの転入だった。
とは言え、小学校生活での悩みが潰えたわけではない。
悩みの種。それは妹の優華のことだ。
俺は人見知りをしないため、割とすぐ友達が出来る方だった。
しかし優華は真逆の性格で、とことん人見知りをするタイプだった。
同じ学年ならまだ友人作りの手助け出来たものの、学年が下となるとかなり厳しい。
手助けとは言え学年が違うのに頻繁に会いに行った場合、もれなくシスコンの称号を頂けることとなるだろう。(この時は『学年が同じであっても頻繁に会いに行ったらやっぱり称号が貰えちゃう』ということを俺はまだ知らなかった。)
手助けしなければ優華は独りぼっちになってしまうかもしれない。かといって俺が手助けすればシスコン扱い。
あぁ、渡る世間は鬼ばかり。
横ではそんな悩みは関係ないかのように優華がグッスリと寝ている。
「お前ももうちっと人見知りがなければなぁ......。」
優華の頭を撫でながら、俺は一人呟いた。
「お兄ちゃん、好きぃ......。」
......もう一つ悩みの種が出来上がった。
何だ今のは。寝言だろうか。
「おい、今なんて言った?」
「好きぃ、お兄ちゃん、らいしゅきぃ......。」
......思えば、ここが人生最大の過ちだったのかもしれない。というか、過ちだ。
優華の入学式、俺は優華の友人作りに奔放していた。
新入生片っ端から声をかけていった。
シスコンって言われたって構わない。優華のためにやれることをやる。
困ったときは俺が全部助けてやる。
するとどうだろう。
十年後、妹優華は立派なブラコンとして出来上がっていた。
キスして、何てのは当たり前なくらいのブラブーラに成長していた。
本来なら兄である俺が止めるべきだろう。
でも、俺は止めなかった。優華のキスを受け入れていた。
......何故ならその時優華は、余命僅か一週間しかなかったからだ。
突然優華が血を吐き出した。
俺は急いで病院へと連れていった。
調べた結果が出た。
いや、実質出てはいなかった。
病名すらわからない、原因不明の病気だった。
黙って死を見届けるしかないらしい。
「何で......。」
俺は神様を恨んだ。
「何でっ.....!」
殺してやりたいくらいに。
「何で俺の大切な物ばかり奪ってくんだよおおおぉぉぉおお!!!!!」
でも、無理だった。
見えないものを殺すことは出来ない。
そもそも八つ当たりをしたところでどうにもならない。
俺はただ、衰弱しきった優華の傍に居てやることしか出来なかった。
「......おに、ちゃん。」
優華の前では泣かないと決めていた筈なのに。
「きす、して......。」
出てくるものは涙しかなかった。
「なか、ないで.....。わたし、つら、い......。」
これは涙じゃない、汗だ。お兄ちゃん汗っかきなんだ。
「そん、なうそ......だまされ、ない、わたし、もう、おとなだよぉ......?」
そうだったな、おっきくなったなぁ......。
「えへへ......、おにぃちゃん、だい、好き
......。」
俺も大好きだから......、もう休め......?
......こうして、俺にとって最高の妹であり最愛の女性だった優華は息を引き取った。
やっとプロローグも終盤まで行きました。
正直、ここから先の展開は自分でも予測不可能です。
書き始めた時の僕の中の勇人は普通の男の子であってシスコンではありませんでした。
優華もまたしかりです。ブラコンじゃありません。
アドリブにアドリブを重ねたストーリーがこの訳のわからん世界を産み出してしまいました。
でもまぁ、どんな展開になろうとも全力でやり遂げるだけです。
例え終わりが見えなくても頑張ります!
読んでくださりありがとうございました。
また次回も読んでいただけたら幸いです。
では!
杉宮 遥
......大丈夫何だろうか、これ。
本気で不安になってきた。