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『死に戻り』しまくって助けたヒロインが、記憶を引き継いでいたので全員病んだ  作者: 水葉わいん/わいん。


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第26話 クリスマスのち遊戯





「ねえ、ユウ……何か、欲しいものってある?」


 月乃にも告白された翌日。


 俺は、雪那にそんな質問をされた。


「欲しいもの……か? 特にはないけど……」


「ふぅん……本当に? 何でも良いんだよ? 何か……ないの?」


「そう言われてもなぁ……暇を潰すためのゲームとかは、この前、大量に貰ったし……」


 強いて言うなら、自由か……?

 だが、それを雪那に求めるのは違うよな。


 俺が悩んでいると……


「何もないなら、ダイヤの結婚指輪をプレゼントするけど、いい?」


「……あ、あります、あります! 欲しいもの、めっちゃあります!」


「ふふっ、冗談だよ冗談! ユウってば、本気にしすぎだよ〜」


「あ、あはは……」


 雪那が言うと、全然シャレにならない。

 本当に明日にはダイヤの指輪を用意していてもおかしくないのだ。


 すると、雪那は仄暗い瞳で俺を見つめて――


「だって――結婚指輪より先に、私の判子を押した婚姻届をプレゼントするべきだよね?」


 予想外の一言を投下してきた。


 つ、つまり……俺に欲しいものがなかったら雪那の判子が押された婚姻届がプレゼントされてくるのか……?


 ゆ、指輪と同じぐらい対応に困るんだが……?


「え、えっと……雪那。大丈夫だ、俺は欲しいもの、あるからさ」


「むっ……なーんだ、つまんないの。折角、結婚を迫れると思ったのに……」


 雪那はぷくりと頬を膨らませた。


 油断も隙もない奴だな……!?


「え、えっと……ちなみにさ、欲しいものを聞いてどうするんだ?」


「あれ? 言ってなかった? ……季節的にあれだよ、あれ」


 雪那は立ち上がるとカレンダーを指差した。

 そこには――12/25と書かれていた。


「クリスマス……か?」


「そう! クリスマスプレゼント! 雪那サンタが今年、偉かったユウにプレゼントをあげようかなぁって」


「そういうことか……」


 でも、それなら……


「なあ、雪那。折角なら花恋や月乃も交えてプレゼント交換……なんてどうだ?」


「――?! か、考えてなかった……! それ、めっちゃ良いかも!」


「だよな……! だから、俺に欲しいものを聞くんじゃなくて……雪那のセンスでプレゼントを考えてきてくれないか?」


「……おっけー! わかった。そういうことなら、りょーかいっ!」


 雪那はニコリと微笑んだ。


 その数日後――


「メリークリスマスー!」


 偶然、全員の予定が噛み合って俺たち4人は病室に集まっていた。


「なんだかんだで、4人で集まるのは久しぶりだなぁ……」


「あー……確かに、そうですね。私たち、センパイを独占できるようにお見舞いに来る時間を敢えて分けてますし……」


「え、そうなのか?!」


「あれ? 言ってませんでしたっけ……?」


 花恋は「えへへっ」と誤魔化すように笑った。


「――まあまあ、それは良いじゃないですか……! 今日は、クリスマスパーティなのですから細かいことは気にしないでいきましょう?」


 月乃は、柔らかな笑みで宥めた。


「それもそうだな」


 俺がそう思っていると……花恋がニコニコと笑みを浮かべて近づいてきた。


「じゃあ、早速、センパイには私たち3人からプレゼントがあります……!」


「プレゼント? 3人から?」


「はい……! というわけで……これ、付けてくださいね」


 そうして、花恋から手渡されたのは……黒色の目隠しだった。


「こ、これは……?」


「見ての通り、目隠しです! センパイは一旦、これを付けてもらいます……!」


「え、ええ? ……わかったけど……」


 一体、これから何が始まるんだ……?

 そう思いながら、俺は目隠しをつけた。


「……ふふっ、ちゃんと付けましたね? ……じゃあ、ちょっとだけ待ってください!」


 そう言って、花恋は黙った。


 しばらくすると……衣擦れの音が聞こえてきた。

 ……もしかして……着替えているのか?


 俺はドキドキしながら、ただ待ち続けると……数分後。


「よし……! じゃあ、私たちの準備はできました! あっ……センパイは目隠し、付けたままにしてくださいね?」


「あ、ああ……わかったけど……これから何が始まるんだ?」


「えへへっ、それはですね……――ちょっとエッチでドキドキなゲーム、です……!」


 花恋は耳元で甘く囁いた。


「ッ……?! え、エッチで……ドキドキ?」


「はい! じゃあ、ゲームのルール説明を考案者の雪那ちゃん、お願いします……!」


「はいはーい」


 ま、待てよ……。

 雪那が考案者ってだけで、嫌な予感が――


「このゲームはねぇ、端的に言うと――人と服を当てるゲームかな」


「……人と服を?」


「うん……! 今から私たちがランダムな順番でユウに抱きつくから、それが誰なのか……それと私たちが何の服を着ているのか、当てるゲーム!」


「っ……と、とんでもないゲームだなぁ?!」


「えー? 結構これ、いいゲームだと思ったんだけどなぁ……」


 いいゲーム……なのか?


 つ、つまり、これから俺は全員に抱き付かれるんだろ? それも目隠しをした状態で……。


 どんなプレイだよ……。


「じゃあ、始めていくね?」


 そうして、イカれたゲームが始まった。




 まず……一人目の人物が近づいてくる足音がした。


 俺は身構えると――


 ――むにゅ


 俺を襲ってきたのは――マシュマロみたいな柔らかな感触だった。





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