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第2話:SNSを始めたこの令嬢、バズる気あり──ですわ

 ──転生から数日が経った。


 私ことリディア・フォン・アヴァローネ、もとい“朝霧リディア”としての生活にも、ようやく慣れてきたところですわ。


「いや、慣れるの早くね?」

 などとクラスメイトの男子に言われましたけれど、それはこっちの台詞ですわ。


 だって、あなた達──制服って、こんなにピチピチしてて動きづらいものなの?

 それに給食とか、なにあれ? 栄養兵站か何か? 味よりバランス重視とは、まさしく“庶民の美学”ですわね。


 とはいえ、私も令嬢。適応力には定評がございますの。


「……朝霧さん、ほんと最近キャラ変わったよなあ」

「文化祭のあれからずっと“貴族モード”だし」


 いいえ、それは違いますわ。

 私が変わったのではなく、帰ってきたのですのよ。真の自分が。



 さて、この“現代”という世界。

 まずもって理解不能な点が多すぎますわ。


 たとえば「SNS」──エスエヌエス?

 貴族ならではの社交界システムかと思いきや、これ、誰にでも扉が開かれているんですのね?


「朝霧、Xやってんの?」

「“#令嬢の日常”とかやれば、バズるんじゃね?」


 何が“バズる”ですの!? 虫の話!?


 でも、それが“注目される”という意味だと知った時、私はひとつ、思いましたの。


──あら、それってつまり……現代の社交界ですわね?



「そうですわ。まずは“お笑い界”に踏み込むためにも、このSNSとやらで、存在感を示してみせますわ!」


 私は即座に、クラスメイトに使い方を習い、「X(旧Twitter)」なるアプリをダウンロード。


 初投稿は、こうでございます。


《貴族ですが、芸人を目指しますわ。#令嬢芸人 #ツッコミ養成中》


 結果──


「うわ、なにこれ」「じわる」「なんか知らんけどフォローした」


 フォロワー、初日で327人。


 ──ふふっ、思ったよりも悪くありませんわね。


 “この令嬢、バズる気あり”──ですわ。



 そして、運命のイベントがやってまいります。


「朝霧、なんか“高校生漫才コンテスト”ってやつ、出てみない? クラスから1組出場らしくてさ」


「え? 私が? どうして?」


「いや、だって文化祭のとき、ウケてたじゃん。“ドレスの裾踏んでる時点で貴族失格ですわ!”とか」


「……確かに」


 ツッコミと気品と、転生パワーで、私は既に実績を残していたらしいですわ。


 ──よろしい。この令嬢、引き受けましょう。


 しかも漫才の相方は、あの文化祭でボケを担当していたクラスメイトの男子──小林翔くん。


 彼は言いました。


「まさか令嬢とコンビ組むとはな……じゃ、コンビ名どうする?」


 私は即答しました。


「“ノーブルソウル”──高貴なる魂、という意味ですわ」


「……なんか、強そうだな」


「強いですわよ?」


 ──こうして、異世界令嬢と現代男子の漫才コンビが誕生したのですわ!


 けれど、このときの私はまだ知らなかったのです。


 お笑い界が、剣と魔法よりも過酷な戦場であることを──

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