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第4回GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞!!

【漫才】転生したらやることがなかった件

作者: 佐藤そら

二人「はい、どうもー○○○○です」


ツッコミ「最近さ、小説とか漫画で異世界転生ものって、流行ってるよね?」


ボケ「うん、流行ってるね!」


ツッコミ「僕それ、よく分からなくてさ。この間、友達の話題についていけなかったんだよ」


ボケ「え、そうなの? じゃあ、僕があなたを異世界転生させてあげるから、早速転生してきなよ」


ツッコミ「(困惑して)え? そんな簡単に転生ってできるの?」


ボケ「それでは参りましょう。異世界転生したらやることがなかった件!」


ツッコミ「待て待て、なんだそのタイトルは! やることがないって……」


ボケ「(被せて)危なーい!」


ボケがツッコミを突き飛ばし、ツッコミがその場でつまずく。


ツッコミ「(目を覚まし)こっ、ここはどこだ? まさか、僕は、異世界に転生したのか!?」


ボケ「おや? 見かけない顔だ」


ツッコミ「あ、あなたは!?」


ボケ「よくぞ聞いてくれた。我は、この国の(ぬし)なり」


ツッコミ「(ぬし)って、国王的なものですか?」


ボケ「そうだ、我は(ぬし)だ! そして、お(ぬし)、お(ぬし)はというと……」


ツッコミ「ややこしいな。あの、僕は転生したんでしょうか? これは、何になったんですか?」


ボケ「(じっと眺めながら)そうだなぁ……。お(ぬし)は見たところ、村人Cだ」


ツッコミ「はい?」


ボケ「何者かに突き飛ばされ、段差も何もないところでつまずき、お亡くなりになった者は、たいてい村人Cに転生する」


ツッコミ「なんだよそれ! ってか、なんというダサい死に方なんだ!」


ボケ「(笑いを堪えながら)ホントにね」


ツッコミ「ふざけんなよ! 僕は転生したら美女に飼われる猫になるのが夢だったんだ!」


ボケ「なんと。そんな願望がある奴は初めてだ。まったく、猫とかくだらない」


ツッコミ「なんだと!? 僕はね、根っからの猫好きなんですよ。あなたは猫派じゃないでしょ。さては犬派ですね?」


ボケ「あー、またそれ。ホント飽き飽きする。なんでその二択なんだよ。なめんなよ。我は、うさぎ派なり!」


ツッコミ「うさぎ派?」


ボケ「もうめんどくさいから、間をとってうさぎ派にさせてもらってる」


ツッコミ「全然間じゃないだろ!」


ボケ「(急に馴れ馴れしく)でも聞いて聞いて! 最近ね、猫に転生したおじさんに出会って、それがまぁ、可愛くてね。ちょっと猫派になったのよー」


ツッコミ「(嬉しそうに)えっ、そうなんですか!?」


ボケ「名前を呼ぶと、お世話になりますってとっても礼儀正しくて、おしぼりを与えると顔を拭いたり、傘を与えるとゴルフのスイングを練習したりするのよ!」


ツッコミ「何与えてんだよ! それ、ただのおじさんじゃねーか!」


ボケ「かわいいよねー」


ツッコミ「僕はね、転生したら美女に可愛がられて、叱られても、許してにゃんって、甘える予定だったんです!」


ボケ「違う違う違う! (甘える猫風に)許してにゃん!」


ツッコミ「は? (マネしてぎこちなく)許してにゃん?」


ボケ「それは、転生できないわ。シンプルに猫パンチ(突然パンチする)」


ツッコミ「痛っ! お(ぬし)、手を出すな!」


ボケ「もっとこう! (あざとい感じで)許してにゃん!」


ツッコミ「(マネして)許してにゃん」


ボケ「はい、全然違います! (ぶりっ子な感じで)許してにゃん! こう! それではちゅ~る的なヤツはあげれません!」


ツッコミ「よく分かんないです。(普通の言い方で)もう、許してにゃん」


ボケ「お、それだよ! それ!」


ツッコミ「絶対違うでしょ!」


ボケ「そのおじさんは、そんな感じだったよ!」


ツッコミ「もう、おじさんって言ってるし! すみません。これ確認なんですけど、僕ってちゃんと転生したんですよね?」


ボケ「もちろん」


ツッコミ「こういうのって、転生したらチート体質になってるとか、モンスターとか、魔王を倒すとか? そういうのなんじゃないんですか?」


ボケ「お、分かってるね!」


ツッコミ「やっぱり? なら、僕がこの世界でやることは何なんですか! ほら、使える魔法とか!」


ボケ「お(ぬし)は、魔法が使えません!」


ツッコミ「なんでだよ! 転生してモブキャラとかおかしいだろ! 主人公最強なんじゃねぇのかよ!」


ボケ「あなたは、ほぼエキストラなんで」


ツッコミ「村人C!」


ボケ「なので、主人公が魔王を倒すまで、ちょっと背景として頑張ってもらって」


ツッコミ「ウソでしょ! 僕がその間にやることは?」


ボケ「とくに……、ないね?」


ツッコミ「転生したらやることがなかった件!」


ボケ「そんなに何かやりたかったら、ここを通行するモブキャラでも数えておいてもらって」


ツッコミ「交通量調査か! ああもう、こんなのやめてやる!」


ボケ「また転生するまで、やめれないけどね?」


ツッコミ「もういいわ!」


二人「どうも、ありがとうございました」

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