【漫才】転生したらやることがなかった件
二人「はい、どうもー○○○○です」
ツッコミ「最近さ、小説とか漫画で異世界転生ものって、流行ってるよね?」
ボケ「うん、流行ってるね!」
ツッコミ「僕それ、よく分からなくてさ。この間、友達の話題についていけなかったんだよ」
ボケ「え、そうなの? じゃあ、僕があなたを異世界転生させてあげるから、早速転生してきなよ」
ツッコミ「(困惑して)え? そんな簡単に転生ってできるの?」
ボケ「それでは参りましょう。異世界転生したらやることがなかった件!」
ツッコミ「待て待て、なんだそのタイトルは! やることがないって……」
ボケ「(被せて)危なーい!」
ボケがツッコミを突き飛ばし、ツッコミがその場でつまずく。
ツッコミ「(目を覚まし)こっ、ここはどこだ? まさか、僕は、異世界に転生したのか!?」
ボケ「おや? 見かけない顔だ」
ツッコミ「あ、あなたは!?」
ボケ「よくぞ聞いてくれた。我は、この国の主なり」
ツッコミ「主って、国王的なものですか?」
ボケ「そうだ、我は主だ! そして、お主、お主はというと……」
ツッコミ「ややこしいな。あの、僕は転生したんでしょうか? これは、何になったんですか?」
ボケ「(じっと眺めながら)そうだなぁ……。お主は見たところ、村人Cだ」
ツッコミ「はい?」
ボケ「何者かに突き飛ばされ、段差も何もないところでつまずき、お亡くなりになった者は、たいてい村人Cに転生する」
ツッコミ「なんだよそれ! ってか、なんというダサい死に方なんだ!」
ボケ「(笑いを堪えながら)ホントにね」
ツッコミ「ふざけんなよ! 僕は転生したら美女に飼われる猫になるのが夢だったんだ!」
ボケ「なんと。そんな願望がある奴は初めてだ。まったく、猫とかくだらない」
ツッコミ「なんだと!? 僕はね、根っからの猫好きなんですよ。あなたは猫派じゃないでしょ。さては犬派ですね?」
ボケ「あー、またそれ。ホント飽き飽きする。なんでその二択なんだよ。なめんなよ。我は、うさぎ派なり!」
ツッコミ「うさぎ派?」
ボケ「もうめんどくさいから、間をとってうさぎ派にさせてもらってる」
ツッコミ「全然間じゃないだろ!」
ボケ「(急に馴れ馴れしく)でも聞いて聞いて! 最近ね、猫に転生したおじさんに出会って、それがまぁ、可愛くてね。ちょっと猫派になったのよー」
ツッコミ「(嬉しそうに)えっ、そうなんですか!?」
ボケ「名前を呼ぶと、お世話になりますってとっても礼儀正しくて、おしぼりを与えると顔を拭いたり、傘を与えるとゴルフのスイングを練習したりするのよ!」
ツッコミ「何与えてんだよ! それ、ただのおじさんじゃねーか!」
ボケ「かわいいよねー」
ツッコミ「僕はね、転生したら美女に可愛がられて、叱られても、許してにゃんって、甘える予定だったんです!」
ボケ「違う違う違う! (甘える猫風に)許してにゃん!」
ツッコミ「は? (マネしてぎこちなく)許してにゃん?」
ボケ「それは、転生できないわ。シンプルに猫パンチ(突然パンチする)」
ツッコミ「痛っ! お主、手を出すな!」
ボケ「もっとこう! (あざとい感じで)許してにゃん!」
ツッコミ「(マネして)許してにゃん」
ボケ「はい、全然違います! (ぶりっ子な感じで)許してにゃん! こう! それではちゅ~る的なヤツはあげれません!」
ツッコミ「よく分かんないです。(普通の言い方で)もう、許してにゃん」
ボケ「お、それだよ! それ!」
ツッコミ「絶対違うでしょ!」
ボケ「そのおじさんは、そんな感じだったよ!」
ツッコミ「もう、おじさんって言ってるし! すみません。これ確認なんですけど、僕ってちゃんと転生したんですよね?」
ボケ「もちろん」
ツッコミ「こういうのって、転生したらチート体質になってるとか、モンスターとか、魔王を倒すとか? そういうのなんじゃないんですか?」
ボケ「お、分かってるね!」
ツッコミ「やっぱり? なら、僕がこの世界でやることは何なんですか! ほら、使える魔法とか!」
ボケ「お主は、魔法が使えません!」
ツッコミ「なんでだよ! 転生してモブキャラとかおかしいだろ! 主人公最強なんじゃねぇのかよ!」
ボケ「あなたは、ほぼエキストラなんで」
ツッコミ「村人C!」
ボケ「なので、主人公が魔王を倒すまで、ちょっと背景として頑張ってもらって」
ツッコミ「ウソでしょ! 僕がその間にやることは?」
ボケ「とくに……、ないね?」
ツッコミ「転生したらやることがなかった件!」
ボケ「そんなに何かやりたかったら、ここを通行するモブキャラでも数えておいてもらって」
ツッコミ「交通量調査か! ああもう、こんなのやめてやる!」
ボケ「また転生するまで、やめれないけどね?」
ツッコミ「もういいわ!」
二人「どうも、ありがとうございました」