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一週間後の未来を予知すること

 クラスノートの交換感想文を初めてから、二回のローテーションが終わった。

 木曜日の昼休み、玄吾と乃木斗、夢月の三人は、学校の屋上に集まって感想文ノートを見せ合った。

 気持ちよい青空の下、眩しい太陽の陽射しを避けるように、玄吾たちは日陰に集まっていた。

 外からは昼休みということで、グラウンドで遊んでいる生徒の声が聞こえる。

 誰もが、何日分のクラスノートの日記が反映されるのか、それが気になっていた。

「皆の話を総合すると、一週間以内に書かれることについては、感想文として反映されるみたいだね」

「五日分だと思ったけど、土日はクラスノート出さないから、それでいいみたい」

「休みの日のところは飛んでたし、連休がある週は四日分しかないから間違いないね」

 玄吾と夢月は、携帯電話のカレンダーとクラスノートの日付、そして、感想文の日付を照らし合わせ、答え合わせをしていく。

「これで一週間先までは、何か危ないことが書かれてたら、それを回避するように行動できるね」

「そうね、私たち、予言者みたい」

 乃木斗と夢月が子供っぽく喜んでいるそばで、玄吾は三人の感想文ノートを手に取って眺めた。

「ただ、それで本当に回避できるかはわからないけどね」

「どうして?」

「だって」

 乃木斗が玄吾に尋ねると、玄吾が持っていた三冊のノートのうち、一冊を手に取って感想文を指さした。

「ここに書いていることって、書いてることと違う行動取ったら、本当に変わるのかな」

「確かに、ここに書いていることが正しいかどうかわからないけど、昨日の分は当たってたじゃないか」

「そうだけど、実はこれを読んで取った行動の結果が、この感想文に書かれてるクラスノートに書かれてることになるんじゃないのか?」

「なんかややこしいな。感想文に書かれていることを回避したら、クラスノートに書かれることも変わるんじゃないのか?」

「どうかな。感想文に書いているのはあらすじとそれに関する感想だけで、クラスノートに書かれていることをそのまま書いたものじゃない。例えば」

 玄吾は感想文の一部を指さした。クラスノートのあらすじの部分だ。

「『久しぶりに知り合いに会って……』ってなってるけど、この『知り合い』って言うのは抽象的すぎるだろ? 会わないように回避しても、どこかで会って、結局感想文に矛盾が生じないようになるんじゃないかな」

「なるほどね。そこら辺は検証が必要かな」

 そういうと、玄吾はそれぞれの感想文ノートを乃木斗と夢月それぞれに返した。

「じゃあ、どれから検証していこうか」

「そうね、王里君のは、私の感想文に書かれているこれから始めようか」

「伊本のは、僕の感想文に書かれてるここかな」

 三人はそれぞれ感想文に書かれているあらすじから、明日のクラスノートに書かれる事柄について書かれた感想文の出来事、つまり今日起こるであろう出来事を調べ、それを回避できるかの検証を行うことにした。

 そうしている間にも外の声は徐々に静かになっていき、やがて掃除時間を告げるチャイムが鳴り響いた。

「じゃあ、この結果についてはまた明日」

 そう言って、三人は教室に戻った。


 放課後、乃木斗と夢月は、用事があると言っていたため、玄吾は一人で帰ることにした。

 クラスノートは放課後に三人で集まって書くことにしているため、明日提出する分はもうすでに書き終わっている。

 これからの行動については、明日の放課後にクラスノートに書く予定のことだ。

 クラスノートに書く日記は、普通はクラスノートが提出されて次に提出するまでの間、つまり一日の出来事を書くようになっている。

 しかし、玄吾たちは放課後に日記を書くことにしているため、範囲は返却されてから次に返却されるまでの間の出来事を書くようにしている。

 ただ、それだと返却後から提出するまでの間の出来事を次の日の分に書くことになってしまい、先生からおかしいと思われてしまう。

 よって、基本的にクラスノートに書く出来事は、基本的に提出後から返却までに起こった出来事、つまり学校にいる間の出来事を書くことになる。

 それでも、宿題や帰ってからのことの予定についても書いているため、これからの行動によって感想文に書かれている事態を回避できるかもしれない。

「とは言うものの、こんなのどうやって回避すれば……」

 玄吾は夢月のノートに書いていたことを思い出した。

 そこに書かれていた、今日起こる出来事。


「宿題が多く、やり終えれるか心配だ」

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