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三話 夕食

 ちょっとインターネットをぶらぶら見て、夕方になったから居間にでた。

一人でいるととりとめのないことをいろいろ考える癖がある。自分のことばかり考えるなんて自意識過剰の気持ち悪い奴の考えることだ。だからたぶん自分はそんな気持ち悪い奴なのだろう。


 台所では祖母が夕食の支度をしていた。もうほとんど出来上がった料理は、あとはテーブルに運ばれるのを待つように並んでいる。

「おばあちゃん、帰ってたんだ。」

「ええ、ちょっと今日は買い物の途中でお友達とあったものだから、少し遅くなったけど。お腹すいてるでしょ?」

「んー。」

「ちょっと待ってってね。これを揚げたらすぐできますよ。」

「今日、オオカミと会ったよ。」

「あら、学校に行ったの?」

「違う。食堂でお昼食べてたら、部活の人と来たんだって。」

「そうなの。」

「沢城くんはいつも良くしてくれるものね。」

「んー。」

「オオカミだものね。きっと縁があるんでしょう。」

「んー。」

祖母は何かにつけてオオカミと私は縁があるのね、と言ってきた。けれどそれってどうなのだろうな。


 普段通り祖父と祖母と3人で夕食を食べて私はまた部屋に篭って課題のプリントと睨みあう。

やる気もしないし、出来る気もしない。

時間の無駄ではあるけれど、一度は目を通すようにしている。ちらっと見て、思わずため息がでて、取りあえずプリントを放置。

そのまま机の隅に5冊くらい積んである文庫本をぱらぱらとめくる。そしてさらにパソコンを付けてニュースをいくつか、それとなんとなく行きあたりばっかりに見つけたサイトを数件めぐって・・・・。

取りあえず、プリント以外の予習とかを少しする。


 なんとなく時間が気になって目覚まし時計をみたら、もうすぐ日付が変わりそうだ。

これ以上プリントを放っておけない。問題を読む。参考書をめくる。そしてため息と、文庫本とネットと・・・・。問題を読み返して・・・・。

 午前2時15分。結局宿題は終わらなかった。明日オオカミに見せてもらうしかない。

ベッドに入って目覚ましをセットする。どうせこんなことならせめてもっと早く寝ればいいのに。そして目覚ましなんてセットしても、いつも祖母に起こしてもらうんだから、自分のしていることに意味なんてない。


 休日はこれで終わり。また明日からはちょっと辛くて、ちょっと弛んだ日々の繰り返し。

それでも自分は知りつつあるのだと思う。繰り返しているようだけど、過ごした時間は帰ってこないということを。

辛いのと不幸なのは違う。そういうことはやっぱり自分の責任で、自分に責任のないことをみつけるのは難しいのだろう。

 次の日の朝、いつものように慌ただしく学校へいく。その日は学校が昼までだからオオカミとファミレスでご飯を食べる。


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