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みーつけた。

《天野川》


ジリジリリリリリリリリ!!!!


俺はボタンを叩き割り、火災報知器を作動させた。


「火事です。図書館から火災が発生しました。速やかに避難してください。火事です。ーーー」


俺は椅子に座り朝倉が来るのを待つ。










《朝倉百夜》



「なはは!学校内の人間を避難させて敵と味方を見極めるつもりやな!……やるやんけ。」



完全に心折れたと思ったんやけど。明星あたりがミスったんやろなー。……まぁええわ、自分がトドメを刺したろ。……さて、誰になろ?













……あいつやな♪










《天野川》


待つ事数分、現れたのは知り合いだった。


「川君!」


……こいつが来たか。



「……よう、山下さん。どうしてここに?」


そこには間違いなく女性にしか見えない少女がいた。


「部活中に川君が学校に入るのを見かけて、なのに警報が鳴ってるのに出てきてなかったから心配して捜しに来たんじゃないですか!」


「…いや、危険だから来るなよ。」


「知ってますよ!だから早く出ましょう!」


「そういうわけにはいかない。……なぁ、二人の山下さん。」


俺は山下さんの後ろにいる人に声をかける。


「……なんで私がもう一人いるの?」


「え?……私?」


「……。」


「……。」


「「ドッペルゲンガー⁉︎」」



……見事にそっくりだな。



「「こ、このままじゃ私は死んでしまう!!どうしよう!………はっ⁉︎つかぬ事を聞きますが鏡ですか?」」


二人の山下さんがボケている間に俺は観察する。



「「うー、もう一人の私、ご趣味は?……あ、読書です。」」


胸、足、腰、顔……どこも見事だ。……本当にもう一人は百夜か?


「「……好きな人は?…………はっ、嘘です!なしです!この質問はやっぱり駄目です!」」


二人が俺をチラチラ見る仕草、めちゃ可愛い。…………じゃなくてそっくりだ。…俺は記念に……ではなく鑑定のために携帯で写真を撮る。



「「あれ?て事はライバルが増えて、……あなたには負けませんから!」」



何故か睨み合いを始めた。……さて、じゃあ、百夜を見つけますかね。



「「川君!わたしが本物です!!」」


……思いつく方法で3つ。



1.体を弄る。


2.山下さんしか知らない情報を聞く


3.本物に帰れと言う。







…………だが、その必要もなさそうだ。






「……百夜、お前を見つけたら俺の勝ちでいいんだよな?」


「「え?何を言ってるんですか川君?」」


俺は一人の人間をぶん殴った。


「ぐはっ!」


そいつは本棚にぶつかり倒れる。俺はそいつに向かって指差す。


「百夜、みーつけた。」


「え?え?」


殴られなかった山下さんが困惑している。


「…山下さん、急いでここから離れてくれ。」


「え?」


「いいから早く!」


「わ、わかりました!」


そう言って山下さんは図書室から出て行った。


「……いたたた。酷いです川君。」


頭を押さえながら起き上がる山下さん(偽)


「…下手な演技は止めろ。百夜。」


「……根拠は?」


「お前、悪霊が凄い。」


さっき撮った写真に霊が映りまくっていた。……片方にだけ。


「……自分の変装にそんな弱点があったなんて知らんかったわ。」


「俺の勝ちだな。」












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