それぞれの相手
《天野川》
「よっしゃ、着いたで。」
場所は翼陵高校だった。
「……なんでここに。今から俺たちは殺し合いをするんだろ?」
「なはは!川、自分と普通に戦って勝てると思うとるん?」
「……。」
「それじゃつまらんからな。……ルールを準備しといた。この学校に自分は隠れるから見つけて指摘したら川の勝ちや」
「……ずいぶん有利じゃないか。」
「ただし、自分は隠れながら川を襲うで。襲ってる最中に見つけてもノーカンや。また隠れるまで100数えてもらおか。…ま、それは川がそれで死なんかった場合やな。」
「…なるほどね。要は」
「かくれんぼや。」
「……何で俺を殺す?」
「それは教えられんな。…まぁ、冥土の土産になら教えたるわ。いやなら自分の力のみで生き残ってみんかい。」
「……このためにみんなを分散させたのか。」
「……みんな自分の邪魔する気満々で困ったわ。絶対に助けにこれんように良い相手を紹介しといたで。……みんな仲良くあの世で会いいや。」
「……。」
「ん?気になるん?じゃあ教えよか。あの毒でも死なんかった不死身くん、あいつは今教団の暴力担当の信者達100人が相手しようよ。」
「……。」
「そのリーダー格の男、日野太陽は極道の息子や。刑務所でも一押しの悪やったで…なんや知らんが知り合いやろ?めちゃくちゃ恨んどったで?」
「……。」
「そんで、あの男の娘ちゃん?あれには言葉担当の信者達……昔の男の娘ちゃん達が相手をしようよ。」
「……。」
「その中でもカリスマと呼ばれた人間、明星綺羅の話術は神がかっとったで。」
「……。」
「そんで、あの委員長ちゃんとゆうひなコンビのところにはなぁ。」
《月宮円》
「…何であんたがここに⁉︎」
「…朝倉君に誘われてね、出所してきたよ。」
「……何で。」
「朝倉君が伊沙の事を教えてくれると言うんだ。…どうしても、聞かないといけないんでね。……悪いけど死んでね。……姉さん。」
《紅夕日&圓城陽奈》
「…なんであなたがここに。」
「……彼女は教団の頭脳として働いてくれていたひとです。……悔しい事に私よりも頭一つ飛び抜けている人です。」
「……知ってる。知ってるさ。」
「……二人とも、お痛が過ぎるぞ。……まったく、夕日はともかく、陽奈はもう少し利口だと思っていたんだがな。」
「……何でここにいるですか?……姉御。」
「ん?自分で考えろ。」
「……夕日さん。」
「…なんでしょう陽奈さん。」
「……未来ではどうなってます。」
「……二つのレールが見えます。……川君が死ぬ未来と羽衣さんと結婚している未来です。」
「……やっぱり。……姉御のムッツリラブが!!」
「…違う、隠れデレと言う。」
「…二人とも言葉おかしいですよ?」
《天野川》
「…の二人や。」
「……。」
「なはは!どや?ヤバイやろ?これは流石に勝ち目ないやろな!」
「……百夜、」
「なはは!……なに?」
「さっさと始めるぞ。」
「……さっきから全然喋らんとえらい余裕やないか。」
「俺の仲間をなめんなよ。あいつらの心配なんか必要ねえよ。そこらのヤンキーにオカマに姉に友達の弟、……絶対に負けるわけがねぇ。」
「……じゃあ、始めよか。」
「ああ。」