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その未来を変えるため

《天野川》


「……えーと、確かトラックに轢かれて、紅にあって、……俺の部下になったはずだ。」


「…なんだそれ?」


「……いや、よくわからないんだが……何故かそうなったんだよ。」


「…嘘なし。でも、もっと説明が必要でしょ。」


「…いえ、記憶はこれしかないわ。……要するに、記憶がぶっ飛んでるわね。」


「……。」


「……。」


「……。」


「まぁ、結果だけ分かればいいか?」


「「「よくない!」」」








《圓城陽奈》



「…こんな事が。」


「納得してくれた?」


ビデオを最後まで見終わって、全てを理解した圓城は驚きよりも呆れよりも恥かしさが勝った。


「こ、ここまで馬鹿だったのか⁉︎」


「凄いでしょ?凄いわよね?全く予想出来なかったもの!私はこれを聞いてもう彼の部下になるしかないと思ったわ!」


「何故そうなる⁉︎普通、引くだろう!」


圓城は顔を真っ赤にさせて紅を見る。


「あら、ここまでしてくれる男なんて何処にもいないわよ。こんな、気持ちいいくらい未来の見えない男もね。」


「くっ!変わった趣味だな!」


「……あら、じゃあ彼の事は趣味じゃないのね?……なら部下じゃなく恋人に、」


「それとこれとはわけが違う!やらんぞ!やらんからな⁉︎」


「貴女のではないでしょ?……まぁ、冗談はこれくらいにして、……貴方はどうするの?彼にここまでしてもらって。」


「……別に、どうするも何も今まで通り川と一緒にいるつもりだ。私が知ってる事は知らないのだから……まぁ、多少、対応に困るが。」


「……告っておきながら。」


「うるさい!川とはこのままだ!」


「…本当に?彼がここまで貴女の事を思ってしてくれたのに?」


「……聞かなくてもわかるだろ?預言者。」


「だから聞いてるのよ?嘘つきさん♪」


「…………。」


「死ぬ間際に正直になったツンデレさん、預言をします。あなたには二つのレールが見えるわ。一つは天野様と結ばれないレール。」


「じゃあ後者で」


「もう一つは天野様と似たような人と結ばれるレール」


「第3だな。」


「……そこまで言うならもう素直になりなさいよ。ツンデレさん、今の所見えるのはこの2つのみよ。貴女が本当に彼を好きならしっかり想いを伝えてどんな方法でも物にするしかないわ。」


「…川と結ばれるレールがないのは、…それは川の未来が見えないからか?」


「違うわ。天野様の未来が見えないのはレールに乗っているのに……たぶん気分で別のレールを乗り換えるからよ。例えるなら、レールが2つあったとしてそのどちらかに乗っているんだけど今は普通の各駅停車の電車。でも隣から新幹線が高速で来ていたらぴょいって飛び移ったりする。そんな感じかしら。」


「…凄い馬鹿だな。」


「ええ、未来なめてるわ。だから天野様と関わりのある事は見えないの……あ、可能性があるとかじゃないわよ。二つしかレールが見えないということは限りなくどちらかになるという事だから。」


「……それでもゼロじゃない。って事か。」


「一応ね。……このままだとそのどちらかになるけど。だからもう一度聞くわ、……貴女は……どうするの?」


「わたしは、……………………川が好きだ。誰にも渡したくない。ずっと隣にいたい。……あいつだけなんだ私を天才として見ず、嫉妬もせず、劣等感も持たず何処にでもいる普通の女の子として見てくれたのは。…本当はあんなビデオを見せられて今すぐに川を抱き締めに行きたい。……でも怖いんだ。川が私を拒んだら。……色々したんだ。女性が近づかないように川の悪い噂を流し、川の隠していたエロ本ビデオの焼却、姉御を除く家族にはいつでも嫁にいけるように仲良くなり、食事には眠くなったり眠れなくなったりする薬を使い分けて盛っての夜這いに夜襲。……それでも、あいつは一度も私になびいてくれたことがないから。」


「……だからでしょ。」


「……それでも、川との未来がないというなら……怖がっている暇などないな!婚姻届にもうハンコも押しているから(川が寝ている時)川が18になったら役所に届ければいいと考えていたが、甘い!甘過ぎた!この先何が起こるか分からないんだ。流石にしちゃいけないと思っていた事もどんどん使おう!」


「……あ、未来がより鮮明に見える。」


「…覚悟は決まった。例え、火の中水の中、全身打撲の川の胸の中だろうと飛び込んでみせる!」


「それ、覚悟がいるの天野様のほうよね。」


圓城に火が付いた。もうこの炎は誰にも消せないだろう。さながら不死鳥の如く。死なず、変わらず、熱く、強く、この想いは有無を言わさず全てを呑み込むだろう。…………天野川、さらば!


「ふふ、天野様はこれから大変かもね…まぁ、でもこれで貴女は協力してくれそうね。」


「……どういう意味だ?」


「…私には未来の見えない人間が二人いるわ。一人は天野様、そしてもう一人は、」


「朝倉百夜か。」


「天野様はレールに乗っている所までは見えるのだけれど……彼は乗っているレールどころか存在すら見えないの。既に死んでいるような人間だから。」


「…それがいったいどうしたんだ。」


「私が天野様の方に付いたせいで、これから大事件が起きるわ。……朝倉百夜と一緒に出所してきた信者たちとで。」


「何!」


「…計画していたの。私は朝倉と世界征服するためにカルト教団を創り、人数を集めて事件を起こそうとしていたの。」


「…いったいどんな。」


「本来なら他の組織を潰してさらに大きくしていく予定だったんだけど。……未来では信者たちがこの地域で殺人を起こすわ。」


「場所は⁉︎」


「さっきも言ったけど信者たちが何処にいるかはわかるけど、大元の朝倉百夜が何処にいるかはわからないの。未来には彼の存在自体が見えないから。」


「じゃあ、どうやって止めるつもりだ!」


「殺される相手だけはわかってる。」


「……まさか。」










「……天野様よ。」



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