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占い

《占い愛好会部室》


占い愛好会。部員数1人。活動内容、恋占いや相性占い。



「では、さっさとやりますか。」


「おう、よろしく。」


「勝負はトランプで。何のゲームでも3対1でも構いませんよ。」


…何でもか、俺は卯月と姫と相談する。


「…どうする?」


「基本的にババ抜きなどは不利ですね。チームを組めるなら神経衰弱やポーカー、大富豪がいいかと。」


「いや、1人1人正々堂々やろう。じゃないとつまらん。」


「なるほどね、じゃあ、卯月に合わせて1人ずつ勝負するか。」


「はい。」



…と言いながら俺と姫はアイコンタクトをする。愛好会との勝負もこれで最後だ。卯月には悪いがここで俺達はわざと負けなければいけない。なのでなんのゲームで挑めばバレずに負けれるかが勝負になってくる。


…1人で卯月が勝つ可能性もあるが、今日の結果を見ればまず、ありえない。


さてどうするか。




〈ポーカー〉


卯月



「フラッシュだ!」


「すみません。フルハウスです。」


「くそ!」


10対0で卯月の負けだ。…弱え。


「駆け引き0でしたね。」


「…直感と閃きに賭けてたな。」




想像通りの負けっぷり、番狂わせはなし。…よし!次は俺だ!





〈神経衰弱〉




「これとこれ。」


「あー!それは覚えてたのに!」



俺 8枚


相手 28枚



カードはまだあるがこの時点で27枚以上取られてしまったので俺の負けに。



「一度見られたカードは全部取られてましたね。」


「大した記憶力だ。…って!川、何を負けているんだ⁉このままでは俺が探偵部に入部できないだろうが!」



…そのつもりです。






〈???〉



さて、姫は何で勝負するのかな?まぁ、姫ならうまくやるだろう。


「では、ゲームは、「ちょっと待って。」…はい?」


姫がゲームを言おうとした瞬間、相手が待ったをかけてきた。


「…先に言っておくけどあなた達に勝つ気がないならもうゲームをやる意味はないと思うのよね。」


「「えっ、」」


…ばれてる。まさか、俺との勝負で勘付かれてしまったのだろうか。俺と姫は顔から冷や汗を流す。


「何を言っている!あるに決まっているだろう!」


卯月は相手に怒りを露わにしているが。


「そうね、あなたはね。…負けたけど。」


「ぐっ!」


「私もそれほど暇じゃないのよ。このあとも人と会う予定もあるし、真面目にする気がない人と…無駄な事はしたくないの。」


「それにね、」


そこで、相手は一度言葉を区切り、満面の笑みで言ってきた。


「色々考えてるみたいだけど全力でやったとしてもあんた達が私に勝つのは100パー無理だから♪」



「「……。」」


こいつ、性格悪りー!


「そんな事ないわよ。どっちかっていうと姫星君?あなたのほうがいい性格してると思うけど?」


「えっ?どういう意味ですか?」


「顔だけじゃなくて中身も女っぽいのね。」


本当、いい性格。とクスクスと笑う。それを聞いてカーッと姫星の顔が赤くなる。


「別にいいでしょ!何か文句でもありますか⁉」



「別に、ただ好きな人の前でくらいカッコ良く勝ちたいと思わないの?それとも負けて慰められたいの?」


「なっ⁉だ、誰が!」


姫星の顔がさらに赤くなり初めた。




「ふふ。これでも私、相性占いとかもしているの。だから、そういう何を考えているのか、相手をどう思っているのか分かるのよ。…ねぇ、特別に占ってあげましょうか?」


「…嘘。そんな気さらさらないでしょう。」


「正解。でも、知りたいんじゃない?」


「……。」


「……。」



2人が無言で見つめ合う。




「なんだ!なんだ!何が起きてるんだ?」


「クッ!わからん。だか、あの2人の間だけ異常に空気が冷たい!」


俺たちが入り込むスペースがない。なんでこうなった?俺たちゲームしにきただけだろ?さっきから相手が言っている事が理解出来ない上に何であんなに姫を挑発しているんだ?


姫は相手の嘘が分かる。だから、今言われている事を姫がほとんど否定しなかったという事は全て本当だという事だ。


100パー無理


…そう、今さっき言っていた事がだ。その上でさらに姫を勝負させようと挑発している。意味がわからない。…ただ一つわかるとしたらそれは、ーー



「天野君。」


姫が俺に声をかけてきた。…こちらも見ず。


「勝つから…」


ーー姫を怒らせたという事だけだ。



「ラジャ…」



だけど、どうするんだろう。絶対的に勝利を信じている相手を倒すなんてそんな裏技的な事って。



「ゲームはダウト。」








…ああ、最強だ。







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