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テスト勉強

さて、日にちは流れて


「明日は期末試験だぞ。早く家に帰って勉強に勤しめ!」


「…終わった。」



気付けば試験前日。


何もやってない。


言い訳はしない。遊んでたから、…だが、いいわけが無い!問題点はテスト範囲がわからないことと教科書を何処にやったかだ。


…まずい、俺の脳みそにノート一ページ挟めるシワもありそうにない。


真面目にやるにしてもおそらく、一日目は机の掃除で終わるだろう。…あと一日あれば!


俺はうなだれてしまう。…だが、まだ一日ある!正攻法は無理だが方法ならある。


まずは問題用紙を盗む。おそらく職員室、パソコンの中だ。もしくは家に持って帰っているか。変装、ピッキング、ハッキング、恐喝、洗脳…


…まずは職員室から人を外し目的の物をカメラで写す。


…いや、監視カメラもあるか。問題用紙が変わるのはまずい、なら、…


問題点と段取りを考えながら着実に行動に移して行く。プラス、それがダメな時の対策を教室で準備する。



「ふふ、これもテスト勉強か。」




「何がテスト勉強ですか?」



「!!や、山下さん!」


後ろを振り返ると不思議そうな顔で山下さんがこちらを見ていた。


「放課後なのに帰ろうとしないからどうしたのかなと思って、テスト勉強をしてたんですね?」


「ま、まあね。」


「もうすぐ下校時間ですし帰らないと。」


「ああ、そうだな。じゃあ、山下さんも帰らないとな」


まずい、早く計画を実行しなくては、そう考え山下さんと別れようとしたら何故か恥ずかしそうにこちらを見てきた。




「あのよければ私と一緒に勉強しませんか?…その私の家で。」




「……は?」



何を言っているんだこの人は?



「あの、変な意味はなくてですね!ただ、テスト範囲の復習をしようって話です。」


…山下さんは馬鹿なのか?


「俺が今更勉強する必要があると思ってるのか?」


そんな時間はない。


「む、たいした自信ですね。」


ああ、意味が無い。


「無駄な事はしない。」


俺にはミッションがある。そんな目つきで山下さんを見ると何故か顔を赤くしてそらされてしまった。


「じゃあ、私と勝負しましょう。勝ったほうが負けたほうの言う事を何でも聞くと言う事で。」


「…勝負になると思うのか?」


「…やってみないと分からないじゃないですか。」


「断言する。勝てない。だから、やめよう。」



「まだ、決まってもいないのに諦めるなんてしたくないです。勝負です!」


そう言って山下さんは走りながら出て行った。


「いや、違う。俺が…」



…めんどくさいことになった。











とりあえずやれることは全部?やって家に帰る事にした。あとは天に…いや、ばれない事を祈るだけだ。


下校時間は等に過ぎていたので人は少ない。だが、偶然なのか知り合いがいた。


「よう、卯月。」


「…なんだ川か。」


ほんの少し見ない間にえらいやつれていた。目にはクマがあり、綺麗な金髪はボサボサだ。


「大丈夫かよお前。目が死んでるぞ?」


「ふん、ここのところ不眠不休で勉強してるからな。」


ていうことは一週間寝ずに勉強してんの?マジかよ、こいつどんだけMだよ。


「なに、マジで試験満点狙ってんの?」


普通に考えて無理だろ。


「当たり前だ!そのために俺は普段やらないことに全てを捧げているんだ!こんななんの役にも立たないことを!」


いや、役には………。


「…で、どうなんだ?取れるのか?」


「俺にやれることは全部やった。あとは探偵部に入部するだけだ。」


おー、凄い自信。


「川こそ、どうなんだ?」


「まぁ、俺もやれることは全部やったぜ。お互い、頑張りは似たようなもんかもな。」


俺と同じ匂いがする。


「ふん、結果がなければ意味が無い。」


「そうだな。あ、ところで。」


「なんだ?」


「どうやって満点取る気だ?」


「…どうとは?」


「まさか、努力で満点取る気だなんて言わないよな。」


この世に満点の取り方は四つだけだ。


一つは、運で取る。


「当たり前だ。そのために必死に勉強したんだ。」


「それなら、目が死んでる理由が分からないな。こんな時間まで学校にいる理由も。勉強…本当は全然わからなかったんだろ?」


一つは、才能で取る。


「…ふん。わかるさ。自信もある。」


「そう、なのに自信がある。勉強がわからなくても満点を取る気だ。…卯月、お前。」


一つは、積み重ねで取る。


「い!意味がわからないな!俺は疲れている!悪いが帰らせてもらう!」


そう言って卯月は俺の横を通り過ぎようとする。


「…隠しカメラと盗聴器か。」


ビクリッ


卯月の肩がはね、動きが止まる。俺はその肩に手を回し、持っていたものを卯月の前に落とし、囁く。


「偶然、教室で拾ったんだ。これがないと困るよな?…誰かが。」


そう、偶然。偶然、教室で細工をしていたら見つけてしまった。


「…そ、そうだな。」


「持ち主はきっと、困ってるよな?落し物だし、先生に渡そうか?」


「それはやめろ!」


「そうだよな。これがばれたら、試験どころじゃないからな。」


俺が落としたそれは隠しカメラ。ある机をアップで映るように調整されていた。…今、隣にいる奴の。


「この二つがあれば面白いように満点が取れるな?」


最後の一つはーー


「な、何が望みだ?」


「俺も混ぜろ!」



ーーたとえ、どんな方法手段を使おうとも答えを盗る。






…もちろん、バレずにだ!



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