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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

センとボクとでソウルメイト探し~気が付いたらお父さんの大好きなゲームの世界にいたボク、本当の家族を知る~

掲載日:2026/06/06

軽度な下ネタが入ってますので苦手な方はブラウザバックください……

「おい! 起きろ。セイジ! 朝だぜ! いつまで寝てんだよ!」


 ボクはほっぺを叩かれた。痛かった。


「うーん……精司(せいじ)はお父さんの名前だよ……ボクは瀬倭司(せわし)だよ……」


 ボクは目をこすった。目を開けた。目の前にいた生き物を見てビックリした。


「あぁん? 何だよセイジ。おまえ寝ぼけてんのか?」


 ネズミだった。でも、どこかで見たことがある。


「き……キミ何者だい!? ネズミがしゃべってるの?」


「おいおい、勘弁してくれよ。寝ぼけてるんじゃなくて記憶喪失かぁ? 昨日寝る前にセンズリこきすぎたんじゃねーのか?」


 ネズミは首を振った。


「センズリ? よくわからないけど、僕はそんなことしてないよ。ゲームしてただけだよ? あ!?」

 ――そうだ、このネズミ。お父さんからもらった。キャンタマのキャラクター。電気プレーリードッグのピカーリーだ!


「どうしたよ?」

 ピカーリーは腰に手を当てた。


「キミ! ピカーリーだよね!? ボク、ゲームの世界に来たの?」


「ちょ……ちょっと待ってくれ……ゲーム? 何言ってんだ……? オレが頭痛くなってきたぜ……」


 ピカーリーは頭を抱えてしゃがみこんだ。


 頭の上に【名前を付けてください】と書いてあった。


 ――名前? どんな名前がいいかな……お父さんはエレクチオンって読んでたな。カッコいいしそれでいいか。


「エレクチオンで!」


「あ”!? お前今何を言った!? まさか……」


 ピカーリーは顔の血管がピクピクしていた。


「ん? 頭に名前を付けろって書いてあったから。エレクチオンっていう名前にしたよ?」


 ボクは首を傾げた。


「セイジぃイイイッ! その名前はダメだって言ってただろォオオオ! 何でよりにもよってエレクチオン(勃起)なんだよぉお! 電気なんて他にもいろいろ単語があるだろおおお!」


 エレクチオンが叫んでいた。ボクにはよくわからなかった。


「そう? カッコいいけど?」


「ああ……もういいよ、つけちまったモンは仕方ねえよ。俺、散歩に行ってくるからさ。お前、アレス博士のところに行けよ。ソウルメイトをくれるそうだぜ。俺というものがありながらだがな……」


 エレクチオンはスルメイカの袋を戸棚から出して、冷蔵庫からロング缶を一本抜いて外にとぼとぼ歩いて行った。


「アレス博士……やっぱりそうだ。これ、キャンタマの世界だ! う……頭が痛い」


 ―――――――――


 ボクは昨日学校にいた。


「ねえ! ストロングスタイル君、ズネ男君! 今日もうちでゲームしようよ!」


 ボクは二人の所に走った。


「オイ! セワシ! お前十歳にもなってゲームゲームって恥ずかしくないのか? 俺は家の豚八グループを継ぐために北陸道大学の農学部に入らないといけないんだ。そんな暇ねぇよ。」


 ストロングスタイル君がボクを押した。ボクはこけて消火器で頭を打った。


「いたいよ……ズネ男君、君は?」


「ちみぃ! いい加減子供じみたことはやめろよ! ミーは向脛財閥の跡取りなんだ。チミみたいな底辺と遊ぶのはもう終わりだよ! それにミーのことをそんな変な呼び方をするのはやめてもらえかな!? ミーの名前は向脛鬱男(むこうずねうつお)という立派な名前があるんだから!」


 ズネ男君はボクのスネをけった。いたかった。


「俺もだ! 二度とストロングスタイルなんて呼ぶなよな! 俺の名前は豚御里(ぶたみざと)剛獣郎(ごうじゅうろう)だ! じゃあな! 下田瀬倭司~」


「「なんだよ、しもだせわしって。だっせー名前!」」


 二人は笑いながらどこかにいった。


「ひどいや……二人とも……」


 ボクは泣いた。


 歩いて家に帰った。打った頭とけられたスネがいたかった。


 家についた。誰もいない。お父さんはいつも仕事、お母さんは……いない……


 去年の春にいなくなっちゃった。小さな壺に入って帰ってきた……


 ごはんもいつも一人。


 友だちは二人とゲームだけ……ゲームだけになった。


 ボクには何もない。勉強もできない。スポーツもできない。


 ストロングスタイル君や、ズネ男君は家族と一緒に作った将来がある。ボクには何もない。


 ボクにはゲームしかない。


 昨日、たん生日にってお父さんがくれた古いゲーム『キャンタマ』


 We can get something with soul mate(タマシイの友だち).


 というキャッチコピーのゲーム。canとタマシイのタマを取ってキャンタマ。


 RPGとスタイリッシュ2vs2格闘ゲームを組み合わせた当時は全く新しいゲームで、アニメにもなった。


 グッズもたくさんあるし、ボクの家にもある。


「いいや、むずかしいことは考えなくて。ゲームしよう」


 ボクはキャンタマをつけた。


 このゲーム面白いのかな。なんだかさっき打った頭がいたいな。


 あれ……


 なんだか……目が重いや……


 ねむくなってきたな……


 ……


 ――――――――


「シモダセワシ。起きなさい」


「ん……あれ? ゲームは、ここはどこ? きみはだれ?」


 ボクは目をこすった。きれいなおねーさんがいた。


「私は神です。アナタは死にました」


 神様となのるおねーさんはボクにそう言った。


「え!? ボク死んだの? どうして!?」


 ボクは神様の顔を見た。


「それはわかりません。ただ、アナタはこれからWe can get something with soul mateというゲームの世界に行ってもらいます。そこで……」


 神様はいろいろ話をしてくれたけど、むずかしくてボクにはよくわからなかった。

 ――キャンタマの世界、ゲームの世界に行ける。お父さんや、お母さんには会えないけど、ゲームの中の方がいいのかも……


「それでは行ってください」


 神様が手をかざすと、ボクは白い光に包まれた。


 ボクの目の前が真っ白になった。


 ―――――――――


「神様、あの子説明伝わっていましたかね?」女性が影から姿を現し神様に声をかけた。


 その女性は金色の長髪をなびかせ、胸元の開いた薄軽な鎧に包まれたその肢体は、驚くほどにすらりとスレンダーだ。彼女の最大の特徴は背後に揺らめく光景にあった。千手観音を彷彿とさせる夥(おびただ)しい数の腕が、空間を埋め尽くすように展開されているのだ。優美な美女の貌(かお)と、神秘的な姿を併せ持っていた。


「センジュですか……十歳の子どもには難しかったと思います。アナタが支えてくれますか?」


「……わかりました。下界に降りて私が彼が世界に慣れるまではサポートします」


 センジュも白い光に包まれ姿を消した。


 ―――――――――


 物語はエレクチオンがボクの家を出た後に戻る。


 ボクはアレス博士の家に向かった。


「おー……よく来たな。セイジ」


 アレス博士はしらがのおじさんだった。かみの毛はツンツンで、お医者さんみたいな白衣の中にポロシャツと、長ズボンをはいていた。手に血がついている。あとズボンのベルトが外れてる。

 ――だらしないなぁ。


「ボクはセイジじゃないよ。ボクはセワシだよ」


 ――何でお父さんとまちがえるんだろう?


「おお! すまんすまん、人数が多くて間違えたよ。君はセワシ君か。今日は初めてのソウルメイトをあげよう。火・水・草の三体と、あとさっき生け捕りにしてわからせたのがいるからどれでも好きなのを選ぶといい」


「まず一体目じゃ。キャンタマブクロ。ソウルメイトを入れておく麻袋に入っておるから一匹ずつ出すぞ? まずは火じゃ」


 アレス博士はポケットからキャンタマブクロを取り出した。


 袋を開けると中から大きな赤い竜が出てきた。羽とキバが折れていた。


「こいつは炎龍皇ヴォルケニクス・カイザー。大地を焼き尽くす灼熱の火炎をまとった、古龍じゃ。その鱗の一枚一枚が火山のような熱を放ち、翼を広げれば空は黒い煙りが包み、太陽すらその光を失うと言われておる。咆哮、大きな鳴き声は地面を揺らし、ブレスはすべてを灰へと変える。神話の時代より災厄の権化、まあ世界を滅ぼすバケモノとしておそれられ、近づく者すべてを溶岩の海へと引きずり込む、絶対的な破壊の象徴じゃよ」


 アレス博士はこわいことを言った。


『汝……我を選んだ暁には、汝が望む町を一つ滅ぼしてやろう……』


 赤い竜もこわいことを言った。


「つ、次は?」

 ボクの声は震えていた。

 ――これはさすがに扱いきれないや……


「次は水じゃ」


 アレス博士はポケットからキャンタマブクロを取り出した。


 袋を開けると中から大きな青い蛇のような竜が出てきた。ヒレが折れていた。


「こいつは水邪龍リヴァイア。深い海の底から出てくる、万物、なんでも飲み込む龍じゃ。その体は黒くにごった水を纏い、周囲の空間を重い湿気と冷気で支配する。水を自在に操り、あらゆる物理的障壁、まあバリアじゃな、を粉砕し、獲物を深海の底へと引きずり込む。姿を現すだけですべてをおぼれさせるその存在は、逃げ場のない死を約束する水のバケモノであり、絶望の化身じゃよ」


『私を選べ……沈めてほしい村はあるか……?』


「次! 次は?」

 ボクの体は震えていた。

 ――何なのこれ? これが最初にもらうソウルメイトなの? みんなケガしてるし……


「次は草じゃ」


 アレス博士はポケットからキャンタマブクロを取り出した。


 袋を開けると中から折れた大きなカマをもったガイコツが出てきた。


「こいつは邪神デス・リザーブ。この世の理から外れた、静かなる破滅を象徴する邪神じゃ。その姿を見ることはすなわち、自身の死期を悟ることに等しい。虚空を切り裂いて現れるその影に触れれば、魂の記憶さえも吸い尽くされ、存在のカケラさえ残らぬ「無」へと還される。慈悲なき捕食者として世界に君臨し、生者の希望を絶望の闇へと塗り替える、終わりを告げる最悪の死神じゃよ」


『ああ……我を選べ。選べば、お前の恨むものをすべて殺しつくしてやろう』


「これがなんで草なの?」


 ボクは首をかしげた。


「死神なのに人間のワシにボコられとるからな。草生えるじゃろ?」


 アレス博士は笑っていた。


「そ。そうかな」

 ――草ってお父さんがたまに言ってたやつだな……思ってた草とちがうけど。ってアレス博士が倒したんだ。。


「最後じゃ、これはとれとれぴちぴちじゃ」


 アレス博士はポケットからキャンタマブクロを取り出した。


 袋を開けると中から背中からたくさん手のはえた、キンパツのおねーさんが出てきた。口元から白い液体を垂らし、服がボロボロだった。

 ――ヨーグルトかな?


「こいつは庭でこそこそしてたドロボウじゃからわからせてやった。胸が大きくて、遊ぶには最高じゃった」


 アレス博士はうれしそうだった。


「うう……私はセワシを探していただけなのに……わからされてしまった……もうダメです……」


 キンパツの女の人は泣いていた。


 ――この人が一番ましだな……それにお母さんにちょっと似てるかも……


「ボク、このソウルメイトにするよ」


 ボクはキンパツの女性を指さした。


「ええ!? それはわしが飼おうと思っていたのに……まあ……子どもたちの希望が優先か……わかった。ワシは残りの三体で遊ぶとするよ……」


『あ……あんまりだぁッ!』『た…助けてくれぇッ!』『死……死にたくなぁいッ!』


「死神が死にたくないとか大草原じゃwww」


 アレス博士が三体を引きずりながら奥に消えていった。


「家にいこうよ。お風呂に入った方がいい。服もボロボロだし……」


 ボクは女性を見た。服がどろどろだった。


「あなたはセワシですね……すみません……本来私が助けるはずなのに……私はセンジュ。よろしくお願いします」


 女性は涙を拭いた。


【名前をつけてください】という表示が頭に浮かんでいた。


「センジュっていう種類のソウルメイトなんだね。じゃあ名前は……」

 ――センジュ……セン……そういえばさっきエレクチオンが何か言ってたな……センズリだっけ? それでいっか。


「センズリで!」


「急に何を言ってるんですか!? え? それが私の名前ですか!?」 


 センズリが急に顔色を変えた。


「そんな名前いや……」


 その直後にセンズリに雷が落ちた。


「あああっ!!!」


 センズリの体から煙が出ていた。


「あ……ははは……ソウルメイトの名前は一度つけたら変えられない。ソウルメイトが拒否したら雷が落ちるルールが私にも適用されちゃうんですね……」


 女性は口を開けて笑っていた。


「いやだった?」


 ボクは不思議だった。


「いや……もういいです。外でいるときはセンって呼んでください」


 センズリは下を向いていた。


「そう? じゃあセンちゃんで」


 ボクはセンちゃんの手を取ると家に向かった。


 家の前でエレクチオンとあった。


「おいおい、お前また変わったソウルメイトを連れ帰ってきたな。よろしく。俺はピカーリーで名前は……エレクチオンだ……」


 エレクチオンが苦笑いした。センズリに小さな声で名乗って手を差し出した。


「どういうわけか、ソウルメイトになってしまいました。センと呼んでください」


 センズリはエレクチオンの手を握った。


「本名はセンズリだからね?」


 ボクはエレクチオンに伝えた。


「セイジ、お前……」


 エレクチオンの顔が引きつっていた。センズリは下を向いていた。泣いていた。


 ボクのキャンタマの世界での生活が始まった。


 ボクとエレクチオンと、センズリの新しい生活が。


 前の世界では一人だった。何もなかった。


 でも、家族ができた、


 ボクに家族ができたんだ!


 ===============【作者より】


 すみません、疲れてたんです。


 まじめな話を書くのも、まじめに仕事のことを考えるのも。


 気付いたら日課のランニングのあと、1時間半で書き上げていました。


 とりあえず出来たので公開します。後悔は珍しくちょっとするかもしれません。


 続きはありません。書きません。書くときは疲れたときです。


 〇名前の由来など


 アレス博士の本名は アレス・クラ―

 英語のオーキードーキー=了解!(オーキド博士) を

 ドイツ語の Alles klar すべて明快=了解! に変化させたものです。

 アレスは軍神の名でもあるので炎龍皇をボコれます。

 

 下田瀬倭司 しもだせわし 下世話

  下田精司 しもだせいじ 精子


 友達二人

  くぁwせdrftgyふじこlpな作品に出てくるガキ大将と意地悪な友達

 

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― 新着の感想 ―
キャンタマにどれだけの意味を詰め込んでんの!!
設定のバカバカしさは作者の照れ隠し。 現代が失ってしまった大切な気持ちを思い出させてくれる短編でした。 『キャンタマ(We can get something with soul mate)』というゲ…
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