忘れた嫉妬(元未公開作品)
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)忘れた嫉妬
▼登場人物
●夢野奈佳恵:女性。56歳。どこにでもいる主婦。アルツハイマー型認知症を患い、解離性健忘とほぼ同じ症状に見舞われる。
●夢野 巧:男性。60歳。奈佳恵の夫。サラリーマン。浮気性。
●川田梨子:女性。35歳。巧の浮気相手。巧と同じ会社で働く。
●警察:一般的なイメージでOK。
●明石ココロ:女性。45歳。心理学者。奈佳恵の心理捜査官。
●仲達優雄:男性。60歳。巧の旧友。奈佳恵の事が好き。
▼場所設定
●奈佳恵の自宅:高級住宅の一軒家。資産家。
●警察署:一般的なイメージで。
●梨子の自宅:都内のマンション。
NAは夢野奈佳恵でよろしくお願いいたします。
(イントロ+メインシナリオ+解説=3384字)
イントロ~
皆さんこんにちは。
今回は犯人が判らない不思議な事件について、意味怖の形でお届けします。
主人公の言動に注目し、あなたも真犯人を追ってみて下さい。
メインシナリオ~
ト書き〈奈佳恵の自宅〉
奈佳恵「あなた!私に隠れて浮気してるでしょう!」
巧「ああ?そんな事してないよ。何を言ってるんだ」
奈佳恵「ウソ!じゃあこの電話!一体誰から掛かって来てるのよ!」
私の名前は夢野奈佳恵(56歳)。
どこにでもいる普通の主婦だ。
いま喧嘩してる相手は私の夫・巧。
夫は間違いなく浮気している。
よくよく問い詰めてみると、どうも相手は会社の女性社員。
巧「いつまでもそんな事言ってないで、そろそろ寝よう」
奈佳恵「・・・」
ト書き〈翌朝、寝室で巧が絞殺されている〉
奈佳恵「あ・・・あなた・・・あなたぁあぁ!!」
翌朝。
信じられない事が起きていた。
夫が寝室で死んでいる。
状況から見て絞殺。
ト書き〈警察署〉
警察「奥さん、あなたが殺したんじゃないんですか?昨夜、あなたの他に誰も家に居なかったんです。それに、旦那さんの遺体からは睡眠薬も検出されています。あなたが前もって睡眠薬を飲ませ、寝入ってから殺したのでは?」
奈佳恵「知りません!本当に私じゃないんです!」
私は本当に何も知らなかった。
ゆうべは確かに喧嘩した。
でもその後は私も自分の寝室で寝て、夫の部屋には行かなかった。
奈佳恵「本当に私じゃないんです!信じて下さい!きっと、きっと誰かがあの夜私達の家に侵入して、その人が夫を殺したんです!間違いありません!」
ト書き〈数日後〉
それから数日後。
私の家にあの夜、何者かが侵入した形跡が見付かった。
庭のガラス窓が新しい物に付け替えられている。
おそらく静かに窓を割って侵入した後、犯人が付け替えたのだ。
奈佳恵「ほらごらんなさい!私はやってないんです!」
捜査は1から出直し。
取り敢えず私は重要参考人から外され、自宅へ帰された。
ト書き〈奈佳恵の自宅〉
奈佳恵「あなた・・・どうして・・・」
夫には時々、睡眠薬を飲んで寝る習慣もあった。
警察もその辺は考慮してくれた。
でも絞殺の跡がどうにも不可解。
犯行に使ったであろうロープも結局見付からず。
優雄「奥さん、まぁ元気を出して。今はまだお辛いでしょうが、必ず時が解決してくれますよ。大丈夫です。何か困った事があればどうぞ私に・・・」
この人は夫の旧友の仲達優雄さん(60歳)。
夫とは幼馴染のように育ち、最近もよく遊びに来ていた。
奈佳恵「仲達さん・・・有難う・・・」
ト書き〈進展〉
後日、警察がうちに来た。
警察「仲達さん、ちょっと署の方まで来て頂けますか?」
奈佳恵「ちょ、ちょっと待って下さい!どうして仲達さんが!」
優雄「奥さん、大丈夫ですよ。心配しないで」
そのとき一緒に居た仲達さんを警察は連れて行った。
夫の死因は絞殺。
幾ら睡眠薬を飲んだからとて、途中で目覚めれば抵抗される。
その時、女性の力では難しい。
だから・・・
「男の力で絞め殺したのでは?」
とされ、私の身近に居た仲達さんが疑われたのだ。
ト書き〈心理カウンセリング〉
その日、仲達さんは警察で心理カウンセリングを受けた。
ココロ「もう1度訊きます。あなたは奈佳恵さんに好意を寄せているのではないですか?それで巧さんが邪魔になり、犯行に及んで殺害したのでは?」
優雄「・・・」
仲達さんはずっと黙秘していた。
奈佳恵「仲達さん・・・どうして黙秘なんか・・・」
黙秘なんかすればそれだけ疑われてしまう。
疚しい事があるから黙秘する。
人に知られたくない事を隠すから黙秘する。
ボロを出さない為に。
警察は間違いなく彼をそう見ていた。
ト書き〈結果〉
警察「何か判りましたか?」
ココロ「いえ今の所は。しかし『何かを隠してる』のは事実です」
ト書き〈数週間後〉
数週間後。
夫が以前働いていた会社の女性社員・川田梨子(35歳)が殺された。
殺害場所は彼女のマンション。
何者かにより刃物でめった刺しにされていた。
仲達さんはあれからずっと警察署に拘留されている。
彼に犯行は不可能。
警察「あの男じゃないのか・・・?」
ト書き〈再捜査、取調室〉
そこでもう1度、私に容疑が向けられた。
川田梨子が、夫の浮気相手である事の確証が得られたからだ。
警察「梨子さんは、あなたの旦那さんと浮気していました。証拠も残っています。ホテルに入る2人の姿が防犯カメラに映っていました。それに巧さんが所持されていた携帯電話にも、彼女からの連絡履歴が頻繁にあります・・・」
警察「奥さん!浮気された事を恨み、あなたが殺したんじゃないんですか?」
奈佳恵「いいえ!夫の浮気なんて私、全く知りませんでした!本当です!」
ココロ「少しいいですか警部・・・」
警察の激しい尋問だと私が心を閉ざす可能性があると考えたのか、
その後は心理捜査官の明石ココロさんという女性が私を担当した。
警察は一旦部屋を出ていった。
それから暫く、私は彼女にいろいろ訊かれた。
ト書き〈結果〉
ココロ「彼女の言ってる事は本当です。嘘をついてるようには思えません」
警察「ええ?そんなバカな」
ココロ「私も長年この仕事をしています。もし嘘をついていれば、その表情や行動から見破れます。でも彼女の言動から見て、本当に嘘はついてません」
警察「そんな・・・じゃあ一体・・・」
ト書き〈新たな進展〉
そして後日。
優雄「私が犯人です。奈佳恵さんの夫、巧さんを殺しました」
それまでの沈黙を破っていきなり彼がそう言った。
奈佳恵「そ・・・そんな・・・」(別の場所で誰かに聞かされて)
でも私はそれを聞いて、確かに腑に落ちる所もあった。
彼は以前から私に好意を寄せていた。
それは女ながら、直感で分かるもの。
だから夫を殺し、
「私を自分のモノにしたい」
と言う彼の気持ちも少し分かった。
でも、どうしようもない悲しみが押し寄せて来る。
ト書き〈奈佳恵逮捕〉
それから僅か数日後。
仲達さんの自白は撤回され、私が逮捕された。
理由は、梨子の部屋から私の髪の毛が検出された事。
それを承け、警察が今の私の心身状況を確認した事。
精密検査を受けさせるよう進言したのはココロだと言う。
・妻でありながら、夫の浮気を全く知らない
・夫の携帯電話から比較的新しい私の指紋が検出された
・もしかすると一連の出来事を心理ストレスにより忘れているのでは?
こんな疑問が挙がった為だ。
私の代わりに捕まっていた男の人は、今でも、
「自分が犯人だ」
と主張している。挙句は私の事を・・・
「愛している」
とまで言っている。
彼と入れ替わりの形で、私は牢屋に入れられた。
解説~
はい、ここまでのお話でしたが、意味怖の内容は解りましたか?
今回は奈佳恵の言動に注目すると解り易かったでしょうか。
結論から言います。
巧を殺し、梨子まで殺害したのは奈佳恵でした。
理由はやはり浮気を許せなかった為。
庭の窓ガラスの事も、全て奈佳恵のアリバイ工作。
別に犯人が居ると見せかける為でした。
冒頭で奈佳恵と巧は口論していました。
でもストーリー途中から奈佳恵は全く浮気の事について触れなくなります。
警察が浮気の事情を突き付けた時も、
「夫の浮気なんて私、全く知りませんでした」
と奈佳恵は言い、その証言は心理捜査官・ココロも、
「嘘を言ってない」
と判断します。
これは本当でした。
少なくともその時点で奈佳恵は嘘を言っていません。
なぜなら奈佳恵は、アルツハイマー型認知症に罹っていたからです。
激しいストレスにより部分的記憶障害を患う「解離性健忘」。
これと似たような症状に奈佳恵は罹っていました。
だから夫の浮気も、夫や梨子を殺害した事も、
庭のアリバイ工作の事もすっかり忘れ、
本当にそれらの事が記憶に無かったのです。
段々記憶が薄れていく中、
奈佳恵は数日前の事・仲達の事さえ忘れていきます。
この症状は巧を殺した翌日から表れました。
でも梨子への恨みだけは潜在的に残っていたのでしょう。
この辺りの事情に気付き、警察は医学的見地からもう1度、
奈佳恵の取り調べを始めました。
そして結果と状況証拠を共に、奈佳恵の逮捕に踏み切ったのです。
仲達がずっと「自分が犯人だ」と訴えたのは、
奈佳恵の事を本当に愛していたから。
実は犯行に使ったロープ。
これは奈佳恵の自宅の物置に隠されていました。
奈佳恵はこの事すら忘れています。
後日、これに気付いて処分したのは仲達。
彼は彼女の犯行にすぐ気づき、その症状を哀れに思う上、
彼女を庇ったのです。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬