EP26:男の名はビーニー・スター
物心がついた頃からナメられるのが許せなかった。
理由はわからねぇ…けど、俺の上に少しでも偉そうにしてる奴がいるとイラつきが収まらなかった。
イラつきが酷い時は親にも手をあげた。
そのせいでジケイ会館とか言う糞溜めにぶち込まれちまったがな。
まぁ…俺はそういう意味では病気なのかもしんねぇな。重篤だ。
でも俺はこの性格を治す気もねぇし、嫌いじゃねぇ。むしろ好きだ。大好きだ。
だってそうだろ、気にいらねぇ奴、ムカつく奴、キモい奴、嫌な奴、全員片っ端からボコしてきたんだ。
最高に気持ちが良い。ノンストレスだ。
でもまぁ………こんな俺だから、周りに人は寄らなくなっていった。
つっても俺はツレが欲しかった訳でもねぇ。
『俺は俺が自由で何にも縛られなけりゃそれで良い』
ただ、俺はそれすら気に入らなかった。
何故なら俺の暴力に屈した戦斧部の先公共、ビビって身を引く戦斧部の同期。
俺が気に入らなかったたら何かすら反抗をしてくるはずだ、だがそいつらは何もして来なかった。つまり俺を受け入れたって事だ。
でもそれは俺にとってはナメられたも同然の事なんだよ!
なんでかって?
そりゃああのカス共が俺を受け入れるだけの器があるって事だからだよぉ。
つまり俺を心の何処かでナメてるって事だァ!
だから俺は戦斧部の奴等を片っ端から1人1人心の底から絶望させる様ぶちのめした。
だからジケイ会館に入って四年と半年、戦斧部は先輩後輩関係なく俺オンリーになっていた。
先公もいなくなってた。笑えるだろ。
んで…誰もいなくなった戦斧部はもう戦斧部じゃねぇ。戦斧部が創設して230年、その歴史を終わらせ。その歴史とやらで積み重ねた全ての技がもう俺の物だ。
初戦の相手は餓狼棒部の[ヤマタ・アイス]、俺の前に立つって事は俺に勝つ気って事だ。
つまり………ここまで言えば分かるだろ。
ヤマタ・アイス……俺をナメた以上、ぶっ殺しても殺し切れねぇよな。
――
〈[ステイ・セント]視点〉
「ちょっとストップストップ!試合終了終了!!やめやめ!!」
フェア・ジャッチちゃんが慌てふためいている。
まぁ……それも仕方ないよなー、だって…。
「1回戦第7試合、戦斧部[ビーニー・スター]対餓狼棒部[ヤマタ・アイス]!勝者……」
試合が始まって約5秒、たったその数秒の間に…。
「戦斧部ビーニー・スター!!」
ヤマタ・アイスの両腕が吹き飛んで無くなったんだもん。
それに……最後の腹部への一撃…絶対余計だっただろ。斧が腹に突き刺さって大腸と小腸とか流れ出てきてぞ。
[ビーニー・スター]か…こいつはだいぶ頭がイカれてやがるな。




